電気泳動。

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We Can Fly!-電気泳動1


連休最終日ですが、私は家でのんびりです。

そんなわけで、今日は前々から準備していた

電気泳動をやってみたいと思います。

用意するのはゼリーの素(アガー)、ポカリスエットの素

食紅2色、小さい四角のタッパー、鉛筆の芯、USB電気分解装置(改)です。
今回もどこの家庭にもありそうなものばかりですね。

これで、大学や企業の研究室と同じ原理の電気泳動ができてしまうわけです。


We Can Fly!-電気泳動2


まず、タッパーのふたの真ん中を切って、

両端に穴を開けます。


We Can Fly!-電気泳動3


そこにゼリーを作って、固めるわけですが、

ポカリスエットの素1g、ゼリーの素2gを合わせたものに

水を100ml溶かして、加熱して固めています。

実際の研究室で使うゲルはポリアクリルアミド、

もしくはアガロースゲルといった専用のゲルを

使っておりますが、これは簡単に言ってしまえば

寒天と同じなので、ゼリーの素でいいわけです。


ここであえて、ゼラチンや寒天ではなく、アガーを

使っているかというと、ゼラチンはタンパク質なので

電気泳動に影響してしまうのと、アガーの方が

寒天よりも分解能が高いそうなので、

今回はアガーを使っています。

ポカリスエットを入れるのはpHの勾配をつくるためで

実際の実験でも専用のバッファーが必要になります。


ちなみにアガーの濃度を変える事で分解能も変わってきまして、

大学などでは分解させる試料によって濃度を変えています。


We Can Fly!-電気泳動4


固まったゼリーに鉛筆の芯を刺し、

真ん中に食紅をローディングしています。

本当は比較のために上を緑、真ん中を両方、

下を赤にしたかったのですが、

上の試料が混ざってしまいました。

原因はローディングのやり方の不備で、

本当はゆっくり丁寧にやるのがコツなのですが、

大学以来の久しぶりのローディングなので、

雑になってしまいました。

ちなみにこのローディングはつまようじで穴を開けて、

ポリスポイトにマイクロチップをつけてやりましたが、

ゆっくりやればなんとかできそうです。


We Can Fly!-電気泳動5


USB電気分解装置をセットして、しばし待ちます。

食紅の場合はマイナスに帯電するので、

プラスを左、マイナスを右にセットしています。

これで、プラス側に食紅が移動するはずです。


We Can Fly!-電気泳動6


10分後・・・


We Can Fly!-電気泳動7


20分後・・・


We Can Fly!-電気泳動8


40分後・・・ですが、

時間を追うごとに色が分かれていくのがわかります。

これは食紅に含まれている成分の電荷の違いによって、

移動する早さが違ってくるためで、

その成分成分ごとに差があるので、成分ごとに

試料を分けることができるわけです。

今回は赤色の成分が早いので、赤の成分が

一番電荷が強いことになります。

その成分によってはプラスに帯電することもあるので

マイナスに移動することもあります。

この原理を利用して、DNAやタンパク質を分けることも

可能でありまして、多くの遺伝子解析などは

この電気泳動が主の実験になっています。


We Can Fly!-電気泳動9

50分後に電気を止めましたが、

このように赤、青、黄色のスポットになりました。

一番左が赤のみのものなので、

緑の色素には青と黄色の色素が入っていることが

わかります。

このようにアガーでやるとこんなにきれいに

分かれるわけですね。


実際の研究室ではゲルに染色試薬を浸透させて

染色させたり、専用の膜にスポットを転写させて、

発光試薬を入れて、暗室で発光させて、

写真の現像と同じように現像させます。


そこまでの方法をハイブリダイゼーション、もしくは

ブロッティングなんて言いまして、

対象の試料によってなぜか方向名がついています。

つまり、DNAはノーザンハイブリダイゼーション、

RNAはサザンハイブリダイゼーション、

タンパク質はウェスタンブロッティングという具合です。

難しい名前がついていますが、やっていることは

電気泳動ですね。


電気泳動装置は安くても20万円ほどと、

一般の家庭ではちょっと買えない値段なのですが、

研究室レベルではかなり安価な実験なので、

多くの研究者がこの電気泳動法を利用しています。

たぶん生化学ではなくてはならない実験装置でしょうね。

今回作ったものでもできないことはないですが、

分解能も違いますし、何より染色試薬をそろえていないので、

今回のままではDNAやタンパク質はできません。

染色試薬が手に入ったら、どこまでできるかやってみたいですね。


そんなわけで今日の実験でした。

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