目を覚ますと、隣には誰もいなかった。
シャワーの音が聞こえる。
ミハエルか。
そう思っただけで、体が熱くなった。
先ほどまで、体を重ねていたのだということを、急に思い出した。
セックス、してしまったのだ。
キスも初めてだったのに、あんなに気持ちがいいなんて、自分はおかしいのかもしれない。
いや、催淫剤のせいかもしれないのだが。
そんなとりとめもないことで頭を悩ます。
ふとミハエルが、行為の最中に、愛してる、と言ってきたことを思い出す。
ミハエルが、自分のことを、好き・・・。
そう考えただけで、体が浮き上がるような気がした。
途中で気を失ってしまったらしいが、体には情事の名残が残っていて、体がだるい。
ミハエルを受け入れた場所も、怖くて確認できないが、きっとすごく腫れているに違いない。
まだ何か挟まっているような、妙な感覚だ。それでも幸せな、感覚。
ミハエルは、行為に慣れているようだった。
すぐ達してしまい、途中で気を失ってしまうなんて、きっとあきれられたんじゃないだろうか。
少なくとも、満足できなかったに違いない。
キスも、体を重ねるのも初めてな自分相手に、楽しめたはずがない。
「ん・・・・・・・」
身じろぐと、自分の喉が酷く枯れていることに気づく。
役者として喉は人一倍鍛えていたはずなのに。
そんなに自分は淫らに喘いだりしたのだろうか。
そう思っただけで、いたたまれなくなる。
ふと、あらぬところから何かがもれている気配がした。
すぐにそれがミハエルの残滓だと気づく。
アルトの体は綺麗に拭かれていたようだったが、どうやらミハエルはここは見逃していたようだった。
どうしよう、シーツを汚してしまう。枕元のティッシュに手を伸ばそうとするそばから、またドロリとあふれてくる。
ティッシュをあてがい、それを拭おうと思うのだが、手が止まってしまう。
ミハエルが、出したものを拭い去ってしまうのが、なぜかさびしいような気がして、結局ティッシュは使うのをやめた。
ミハエルは一人でさっさとシャワーを浴びているのか。
自分と体を合わせた痕跡を躊躇なく消し去ろうとするその行為に、何だか急に胸が締め付けられる。
本当に、ミハエルは自分のことが好きなんだろうか。
やはり、からかわれているんじゃないだろうか。
ミハエルは女には困らない。わざわざ、男である自分に手を出す必要もない。
そう思うと、先ほどまでの気分が急降下するのを感じた。
ガチャリ。
ミハエルが浴室から出てきたようだった。
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