2012-02-29 11:00:00 posted by allsports-photocreate

おてんば娘からアスリートへ

テーマ:オールスポーツコミュニティ
母をして「男の子みたい」と言わしめる絵梨さん。
これには小さい頃からおてんばだった以外に、
近所の男の子と駆けっこをして負けたことがない
という意味も含まれる。


そんな絵梨さんが陸上競技を始めたのは中学に入学してから。
自らやりたいと言ったわけではなく、
部活見学のときに学校を休んでしまい、
担任の先生が陸上部の顧問だったといういきさつで入部した。

娘が陸上を始めることについて母は賛成だった。
スポーツリハビリなどを行う整骨院で先生をしている母は、
娘のためにサポートできるのではないかと思ったからだ。

とはいえ、気ままにピョンピョン走っていた娘に、
スポーツ科学をもとにしたトレーニングを紹介しても、
最初はなかなか耳を貸してくれなかった。
「母の言うことではなく、
トレーナーの言うことだと思って聞いて

そう話して、理論に基づく練習法を何とか植え付けていった。

当初、絵梨さんの足の速さは短距離向きだと思われていた。
しかし、中学1年で校内マラソン大会の学校記録を打ち出したことから、
長距離により適性があることが分かった。

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中学2年になり、絵梨さんは昨年12月、
所沢シティマラソン大会に出場した。
エントリーは3km中学女子の部。
このレースには地域から実力のある子たちがたくさん集まる。

「焦らずペースを乱さないように、自分の走りに集中しよう」
絵梨さんはレース前、何度もそう唱えた。

スタートのピストルが鳴ると、
いつもなら中団からレースを進めるのに、なんと先頭集団についた

自分の走りと違うのではないか。そうではない。
絵梨さんのスピードが先頭集団のペースと一致しただけなのだ。

絵梨さんの特徴は、
最初から最後まで同じペースで走り続けられること。
他の選手がずるずる落ちていく中、ずっと先頭集団をキープした。

そしてレースは4人に絞られ、
ゴール地点の西武ドームまでもつれた。
4人の中の一人に、一度も勝ったことのないライバルがいる。
絵梨さんは彼女を振り切ってトップに立った。
差が開いていく。

「このままなら優勝だ」
そう思ったとき、後ろから足音が迫ってくるのが聞こえた。
他の2人だと瞬時に分かった。

絵梨さんは懸命に逃げた。
追い抜かれないように走った。

そして1着でゴール!
その瞬間、両手を高々と上げて喜びを表現した。

「いつも負けていた相手に勝てたし、
競り合いを制して優勝できたのがうれしかったです」


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絵梨さんには伸び悩んでいた時期があった。
しかし、このレースをきっかけに再び成長カーブを描き出した。
春休みには実力を伸ばすためにクロスカントリーのレースに出場する。
目標は優勝だ。

インタビューのあった日は強い雨が降りしきっていた。
それでも目標実現のため、絵梨さんは一人ランニングに出かけた。

(文責:スポーツライター金子塾 滝沢)
2012-02-22 10:00:00 posted by allsports-photocreate

何でもコツコツ努力すること

テーマ:お客様の感動の声
バスケットボールを始めて僅か2年足らず。
これ程の短期間であっても、彼が持ち前の才能を
開花させるには充分だったということなのであろう。

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岐阜県高山市に暮らす中学2年生のN.D君は、
飛騨地区選抜のメンバーとして
第19回東海ジュニアバスケットボール大会に出場した。

普段とは勝手の違う大きな体育館でのリーグ戦。
真っ赤なユニフォームに13番を背負った小柄なフォワードは、
最大の武器であるスピードを生かして華麗にコートを駆け回った。


試合当日の12月17日、
「上手い子に混ざってプレーするのがすごく楽しみ」
と言い放って元気いっぱいに家を出たN.D君。

しかし息子の勇姿をスタンドで見守った母親のN.Mさんにとって、
試合前の彼の表情は、言葉とは真逆のものに見えたという。

「寒かったのもあるかも知れないけど顔が引きつっていたし、
緊張しているのがわかって見ていられませんでした」


試合が始まる前、我が子を見てそう感じていた
N.Mさんの心配を吹き飛ばしたのは、
コートで躍動するN.D君のプレーだった。

「シュートが決まった時は、我が子ながらカッコイイと思いました。
出場時間は短かったのですが、シュートフォームもきれいで、
スター選手のように見えました



中学入学と同時にバスケ部に入ったN.D君。
当初は小学校の時からミニバスをやっていた
チームメイトに技術では歯が立たず、
弱音を吐くこともあったという。

その時期に諦めることなく基礎練習を積み重ねた成果が今、
花開いたのであった。

「私は何でもコツコツと努力して、
とにかく一生懸命やることが大事
だと思っているんですよ」


そう訴える母親の考えが正しいと証明したのは、
家では甘えん坊でやんちゃな次男のN.D君だった。

 「結構頑張れたし、自分なりには満足している」
帰宅したN.D君は、家族の“どうだった?”という問いに
笑顔でそう答えたという。

選抜チームのメンバーに決まった時は
“嬉しいよりも、ついていけるか心配”
と不安ばかりを口にしていた息子が
短期間で大きく成長したことがN.Mさんは嬉しかった。

しかしながら母親をさらに喜ばせてくれたのは、
N.D君が何気なく口にした、それに続く言葉の方だった。

「中学ではいつも当たり前に試合に出られるけど、
選抜チームではベンチに座っている時間が長くて、
試合に出られない子の気持ちがよく分かったし、初心を思い出した


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高校に行ってもバスケを続けたいと思っているN.D君。
岐阜が誇るスピード派のポイントゲッターは、
母親の大好きな“何でもコツコツと努力すること”
という言葉を胸に刻み、
これからも更なるステップアップに励むことであろう。

(文責:スポーツライター金子塾 三浦)
2012-02-15 10:00:00 posted by allsports-photocreate

つながる思い

テーマ:オールスポーツコミュニティ
中学1年生の李吉永(リー・キリョン)ちゃんが
昨年の10月31日に披露した一世一代の舞い
それは、永遠に忘れられない記憶として自らの心に残るものとなった。

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1年に1度、芸術分野のクラブに所属する生徒たちが
練習の成果を競い合う“在日朝鮮学生中央芸術競演大会”

北九州市の九州朝鮮中高級学校に通うキリョンちゃんは、
結果的には、朝鮮舞踊の群舞に出場した。
“結果的には”と断ったのは、出場を決断するまでの苦悩が
13歳の女の子にはあまりにも過酷すぎるものだった
からである。

その理由・・・。
開催地・大阪に向かう前日の10月29日、
大好きなおじいちゃんが永眠したのである。

激しく動揺するキリョンちゃん。
彼女が、間近に迫ったコンクールに出るどころではないと
考えても何ら不思議ではない状況だった。

しかし、母親の金辰恵(キン・タツエ)さんは、
悩みに悩んだ末、愛娘に仰天の意見を提示した。
それは、大好きなおじいちゃんの葬式よりも
コンクールへの参加を勧めるというものだった。

「群舞って、だいたい15人ぐらいで踊るんですが、
ウチの娘は脇役で、主役を引きたてる役なんです。
でも、本番直前でメンバーが抜けてしまうと
全体の組み立てが成り立たなくなってしまうので・・・」


母親に指示されたとはいえ、
やはりキリョンちゃんにとっては苦渋の決断だったのであろう。
この期に及んで自分が抜けるわけにはいかないという責任感もあって、
出発の直前まで大いに悩んだ末、
彼女は大阪行きのバスに乗ったという。

「学校に行く前には必ずおじいちゃんに挨拶していたし、
帰ってきた時も最初におじいちゃんの顔を見に行く子だったんです。
夜行バスの中では泣き通しだったそうですよ」



10月31日、大阪朝鮮文化会館のステージで
キリョンちゃんはおじいちゃんへの弔いの意味も込めて華麗に舞い踊った。

孫の踊りを見るのが大好きだったおじいちゃん。
もしご健在であったなら、“頑張って来い”
笑顔でキリョンちゃんを送り出してくれたことであろう。


今回、娘の晴れ舞台を生で見ることができなかったタツエさんは、
後日、フォトクリエイトのサイトで娘の晴れ姿を発見した。
その写真には、脇役だと思っていた我が子が、
まるで主役のように写真の中央に納まっていた。


「前にフォトクリエイトのホームページを見た時に、
カメラマンのコメントが載っていて、
脇役でも主役のように撮ることをいつも心掛けていると書いてあって。

その時は、へぇーと思っただけだったんですけど・・・。
今回娘の写真を見つけた時にはすごく嬉しくなりました。
こんな写真は2度とないと思って買ってしまいました


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写真がつなぐ心温まるエピソード。
カメラマンの思いが、そして、キリョンちゃんの舞が、
もしかしたら新たな出会いへの出発点になるのかも知れない。

(文責:スポーツライター金子塾 三浦)

2012-02-08 10:00:00 posted by allsports-photocreate

決断

テーマ:オールスポーツコミュニティ
マスターズ・バレーボールの強豪、
山口県の防府クラブに所属する岡本さん。
190cmという長身を生かして、
ブロックや速攻の要となるセンタープレーヤーを務めていた。

チームは全国大会の常連。今回も県予選を予定どおりに勝ち抜いた。
一昨年はベスト4、去年はベスト16。
今年は一昨年と同じ、もしくはそれ以上の成績を目指していた。

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日本スポーツマスターズ2011石川大会バレーボール競技。
まずはグループ予選が実施される。
対戦チームは滋賀県のGREBES
強いが、ストレートで勝たなければならない相手だ。

ところが、第1セットを奪われてしまう。
いきなり出鼻をくじかれた。

バレーボールはムードのスポーツとも言われる。
このまま相手を乗せては絶対にいけない。
すぐに気持ちを切り替え、第2、第3セットを奪って逆転勝利した。
これにより、防府クラブは決勝トーナメント進出を決めた。


次の相手は三重県の三重選抜Special
まとまりのある粘り強いチームという印象だ。

しかし、ウォーミングアップ中に岡本さんにアクシデントが襲う。
腰を痛めてしまったのだ。

監督にそのことを伝えたものの、
190cmという背の高さはやはり魅力だったのだろう、
出てほしいと告げられた。

強行出場となったが、案の定、満足のいくプレーができず、
チームも失点を重ねてしまう。
第1セットを取られてしまった。

第2セットも精彩を欠き、
岡本さんも腰痛のためにブロックのタイミングが遅れて、
スパイクを決められてしまう。

防府クラブは敗れてしまった。
目標に達するどころか、昨年の成績にも届くことができなかった。


今大会では、2試合とも常に先行される苦しい展開だった。
なぜそうなってしまったのか…。


試合終了直後、悩み抜いた岡本さんはついに決断をした。

引退――

昨年は大会中に膝を痛めてしまい、
テーピングで固定しながらプレーした。
その故障を今も引きずっている。
そして今年は腰痛。

「もうこれ以上、チームに迷惑はかけられない」

岡本さんは監督のもとへと向かい、決意を伝えた。
最初は急なことで驚いていたが、
正直な胸の内を明かすうちに、最後には納得してくれた。

その後、チームメイトにも話した。
「40歳以上のマスターズとはいえ、
自分よりも若くて実力のある人間が控えている。
ケガを2カ所も抱えた48歳ではもう限界なんだ」
と。

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岡本さんは選手生活に別れを告げた。
だが、完全にバレーボールと縁を切ったわけではない。

現在、西京倶楽部という一般のクラブで、週に1度練習の手伝いをしている。
ここはマスターズバレーをやる前に39歳まで所属し、
全国大会で優勝も経験した古巣だ。

そこで後輩たちの活躍を見ながら、今もバレーボールと関わり続けている。

(文責:スポーツライター金子塾 滝沢)

2012-02-01 10:00:00 posted by allsports-photocreate

人一倍頑張って一人前

テーマ:お客様の感動の声
由紀恵さんは子供の頃からぜんそくで、
大人になっても運動とかけ離れた生活をしていた。
そんな彼女が昨年、下関海響フルマラソンに出場した。

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「そもそものきっかけは、
知的発達障害者の子供たちが挑戦した2kmのファンランでした。
私はスペシャルオリンピックス日本という
NPO法人で働いているのですが、子供たちが走るにあたって
大人の引率が必要で、一緒に走りたいと思ったんです」


ジョギングを始めたとき、
すぐ肺が苦しくなり、50mも走れなかった。
しかし、子供たちがやるのだから弱音は吐けない。
その気持ちだけで練習に打ち込み、見事ファンランを走り切った。

これが自信となって、フルマラソンを走りたいという目標ができたのだ。

しかも、この練習によって肺が強くなったためか、
なんと>ぜんそくが感じられない状態にまでなっており、
それがまた彼女の背中を後押しした。


だがトレーニングを始めると、
今まで本格的な運動をしてこなかったために、故障が発生する。

「私は“人一倍頑張って一人前”だと思っているんです。
無理した結果、膝、アキレス腱、右足の甲をケガして、走れない日が続きました」


そんな時間を支えてくれたのが仲間たちだった。

「ランニング好きが集まるサイトがあるんですが、
そこで自分のブログを作って、書いていくうちに仲間ができたんです。
一緒に練習したり、コメント欄でアドバイスを
いただいたりして勇気づけられました



そして下関海響マラソン当日がやって来た。

最も心配だったのが関門でした。
腕にテープを巻き、そこに10カ所ある関門の
制限時間を書いて意識するようにしました」


スタートして10km過ぎ、由紀恵さんにアクシデントが襲う。
股関節が痛み出したのだ。

「痛み止めを飲んで対応しました。
沿道で仲間や職場の人たちが応援してくれるので、
棄権なんて考えもしませんでしたね。
頑張ろうってそれだけです」


由紀恵さんは、当初思い描いていたよりも
順調なペースで関門を突破した。

「走っているといろんな人たちが声をかけてくれるので、
力が出るんですよね。でも、30kmを過ぎると本当にきつかったです。
いつゴールに着くんだろうって感じでした」



スタミナが限界に達する中、ついにゴールの瞬間が訪れる。
角を曲がるとゲートが現れた。

「仲間たちが先回りして待っていたんです。
すごく感動的でした。ゴールしたときは自然と涙が出ていました


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“人一倍頑張って一人前”。
そんな努力が実を結んだ結果だった。

「みんなの支えがなかったらマラソンなんて無理でした」

そんな謙虚な姿勢だからこそ、周囲の人々も応援したくなるのだろう。

由紀恵さんのマラソン人生は、今ついに始まった!

(文責:スポーツライター金子塾 滝沢)

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