東京喰種トーキョーグール:re 11 石田スイ 感想 『瞬間最大風速』 | 墜落症候群

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墜ちていくというのは、とても怖くて暗いことのはずなのに、どこか愉しい。

 個人的にreは巻レベルで引きが強いことが多いなあ、と感心させられます。
 今巻もかなり続きが気になる。
 無印は金木とあんてぃくの面々を中心として心情も色濃く描写されることが多かったですが、reでCCGの内情を描くことによってCCG・ピエロ・黒山羊、更には組織に縛られない六月のようなトリッキーなキャラの動きも含む組織戦としての先の読めない面白さに切り替わってきているのかな、と思います。『ここからどうなるんだ!?』と思わず唸ってしまうような、瞬間最大風速的面白さを、reで何回か感じています。
 今巻においては、亜門・アキラ・金木・トーカの既存キャラにおいて、人間と喰種、『かつて殺し殺される関係だったお互いがこれからどこへ向かえばいいのか』ということに関する心理的掘り下げがなされていて、面白かったです。今回は無印からのファンも面白かったのではないでしょうか。どうでしょう。
 トーカの金木に対する童貞発言については、個人的には無印からトーカって場面場面で重要な心理的な役割を果たしていることは感じても、どうしてもかといってヒロインかと言われるとちょっと首を傾げるところがなくもなかったので(ごめんなさい)、グイグイ関係を進展させることはいいことだと思います。せっかく帰ってきたんだしね。

 

東京喰種トーキョーグール:re 11 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)