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2012年05月31日 22時16分11秒 posted by all-of-us

深く考えることと複雑に考えることは違う

テーマ:酒井聡の日記


プログラマーの美徳の一つに、

「同じ処理をするんだったらコードは短い方が良い」
みたいなものがある。
そこには「サーバへの負荷を減らしてランニングコストを低減する」という効能はあるものの、
費用対効果は度外視である場合が多い。

どうしてこういう話から始めたかと言うと、

「コード」に対してではなく「考えるという行為」に対して
この美徳が活用できるからだ。



もともと技術畑の出身であるホリエモンや2ちゃんねるのひろゆきは、

とてもシンプルな考え方をする。
「2ちゃんねるはなぜ潰れないのか」という書籍の中で
ひろゆきとジャーナリストの佐々木俊尚さんが対談しているのだけど、
物事を複雑に考えるのが上手な佐々木さんと対照的で面白い。
佐々木さんが4行書けて組み立てたロジックを、
ひろゆきは1行で言い表してしまうようなところがある。



ものごとを「深く考えること」と「複雑に考えること」は違う。

「複雑に考えること」は1行で済むロジックに4行費やす行為のことだ。

「同じ概念を表現するんだったら言葉は短い方が良い」

ホリエモンやひろゆきの本を読んでいるとそういう風に思えてくる。
こちらは固執し過ぎても費用対効果に見合う部分がある。

考えを深めていくためには、同時に複数のことを考えないといけない。

複数の要素を組み合わせて新しい考えに発展する。
人が同時に考えられる容量には限界があるので、
一つ一つの要素はできるだけ短くシンプルにしておいた方が、
より深い考えに達することができるようになる。

ひろゆきもホリエモンも思考停止しているわけではない。

シンプルに物事を考えた上で、発展させ続けている。
普通の人が達することのできないようなところまで行っている。



僕はシンプルに考えるのが上手ではない。

だから2人の著作物から学ぶことは多い。
「同じ概念を表現するんだったら言葉は短い方が良い」
という美徳を忘れずにいたい。




※引き合いに出したけど、僕は佐々木俊尚さんのことを貶めたいわけではない。

彼はとても頭が良いし、彼の著作物も素晴らしいと思う。


2012年05月30日 01時33分26秒 posted by all-of-us

バカにできない健康志向

テーマ:酒井聡の日記
先日、神奈川県の鍋割山 に友人と3人で登った。
鍋割山は標高1,300mの、初心者向けとは言いにくい山だ。
雨が降っていたのもあるが、体力的にかなり厳しかった。


その鍋割山の山頂に山荘がある。

そこで食べることのできる鍋焼きうどんは非常においしいので、
登ることがあったら途中の茶店には目もくれずにこの山荘を目指してほしい。


さて、この山荘には大雨だと言うのに先客がいた。

とても元気なおじいさんだ。
雨の中を登ってきたわけではなく、数日前から山荘に泊まっているらしい。
聞けば82歳だと言う。
晴れている日だとしても、
あの勾配の激しい山道を82歳のおじいさんが登るというのは並大抵ではない。

リタイアするまでは運動する暇がなかったが、

定年後に山登りを習慣にしたらしい。
定年後からでも運動すれば健康を維持できるのかと期待したが、
追求してみるとその方は自衛隊に勤めていたらしい。
自衛隊の日常は知らないけど運動がタスクの一部であることは固いと思うので、
ちょっと話が違う。


とは言え、82歳で頭も体も20代に劣らないというのはすごく魅力的だ。

寝たきりと20代とでは可処分時間の質が違いすぎる。
70歳で寝たきりになって20年間生きるのと、
70歳で20代のパフォーマンスを保って20年間生きるのを比較してみると、
自由にできる時間が20年間違う。
こんなに分かりきったことをわざわざ計算したのは、
数値化しないとその価値が明確にならないからだ。
感覚だけだと人間は正しく判断できないことが多い。
一度計算する必要があると思ってこの記事を書いている。


20年間というのは本当に大きい。

僕は今25歳なので、20年は今までの人生の4/5に当たる。
5歳で言語野がまともに発達したとするとほとんど一生と変わらない。


この20年間を手に入れるにはどうしたら良いかという話になる。

費用対効果のことを考える。

仮に20歳時点から健康のために毎日30分を費やすとする。

これを50年間続けたとしたら、合計で9125時間となる。
1日の睡眠時間を除外した可処分時間を17時間だとすると、
9125時間は537日に当たり、1.5年に満たない。
1.5年の投資で20年がリターンとして得られると考えると、
費用対効果は1333%になる。
仮に1日2時間健康に費やしても費用対効果は333%なので元は取れすぎる。
当然、運動は20-70歳の間にも様々なメリットをもたらす。


最近僕は毎日30~60分くらいを運動に当てているので、

この意味を一面から数値換算してみた。

今日の運動は明日のためになっているし、50年後のためにもなっている。

「明日のための運動」は流行ってるけど、
「50年後のための運動」はあんまり流行ってない。
でも規模があまりにも大きいので「50年後のための運動」がもっと流行っても良いんじゃないかと思う。

僕は50年後も価値を生めるような人間でありたい。



2012年05月24日 01時13分57秒 posted by all-of-us

作家や数学者の集中力

テーマ:酒井聡の日記



「集中力」という言葉を聞くと、
一般的にその恩恵として発想するのは「時間当たりの仕事量」だと思う。

60分集中しっぱなしで仕事Aを進めるのと
10分集中・10分休憩を繰り返して120分かけて仕事Aを進めるのとでは、
前者の方が仕事量は多くなる。
どうしてかと言うと、休憩してまた仕事に戻ったときに、
仕事Aに頭を切り替える際、時間がかかるからだ。
例えばゲームをした後に勉強に取りかかると、
集中するまでに30分かかるという研究結果を新聞で読んだことがある。

こういう集中力はとても大切だ。
でも今日はこれとは違ったレイヤーの集中力の話をする。


作家やデザイナーはものを生み出す。
ものを生み出すには集中力が欠かせない。
ここ言う集中力は、
「時間当たりの仕事量」を高める集中力とはちょっと違う。

歴史に名を残すような数学者のほとんどは、
20代・30代でその成果の根拠となるような発見をしている。
20代・30代で歴史的な発見をして、
40代以降はそれまでに発見した公式や証明を本にまとめる“棚卸し”に移る。
この理由は、集中力の低下にあると言われている。

例えばある定理を証明しようとする。
高校数学と違って20分粘れば解けるようなレベルではない。
様々な仮説を立てて検証する。
朝から晩まで定理のことを考える。
2年・5年・10年といったスケールで考える。
一つのことを考え続ける。
そうしてようやく素晴らしいアウトプットが生まれる。


作家にしても、
「ある原稿を書き上げるためにホテルやロッジに1ヶ月間缶詰になった」
といった内容にあとがきやインタビューで言及することが多い。
かつての文豪も避暑地に長期滞在して創作活動に打ち込んでいた。
それは必ずしも原稿の進捗管理ができないからではない。
素晴らしいアウトプットを生むためには、
一つのことを徹底的に掘り進んでいく必要がある。
シャベルの先が硬いものに当たって、
普通の人だったらコンクリートだと思ってあきらめるところを、
更に掘り進んでいく異常さが作家には求められる。


一つの物事を徹底的に時間をかけて考え続ける集中力。
これは「時間当たりの仕事量」を高める集中力とは相反する。
下手をしたら30日間何も生まない。
31日目で何か生むかもしれないし、
場合によってはそのまま1年間くらい何も生まない。
その代わり成果物は飛び抜けている。
そういった類いの集中力が数学者や作家にはある。


僕は仕事を始めてから、
何日間も一つのことを考え続けるという機会をなくした。
でも、この種の集中力は鍛えていく必要があると思う。

集中力の鍛錬としてブログはちょうど良い。
今日もたったの30分間ではあるけれど、
一つのことを考え続けて一つの記事を生んだ。

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