心からの感謝。そして前のめりに。 | アリスと豆の木 blog

心からの感謝。そして前のめりに。

オーナーのさゆるです。

 2009年6月に正式オープンしたアリスと豆の木、およそ6年半好き勝手にやらせていただきましたが先週、2015年11月14日(土)を最後に閉廊しました。

とてもこれから閉めるとは思えないほど最後までお店に人が溢れかえって、たくさんの人が名残惜しそうに閉店時間が過ぎてもずっといてくれました。

 凄く愛されてるギャラリーなんだな。そう感じました。
それは我々の力だけでは成し得ず、作家の力、お客さん、応援してくれる人たち、みんなが作り上げた場だったんだなと改めて思いました。

おかげでスタッフ一同幸せな日々を送ることができました。応援してくれ、関わった方々に心より感謝してます。

 
 この一ヶ月何度も聞かれた「なんで閉めるの?」という質問。
それは一言では説明できず「前に進むため」と言ってきました。今日はその回答を改めてさせて頂きたいと思います。
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 アリスと豆の木は場所も路地裏、面積も小さい、ノウハウもコネもないという状態ではじめました。
作家を応援したいという気持ちだけで素人がはじめたギャラリーにしてはそれなりの成果を出せたと思います。
しかし何も考えずにスタートし、アートへの情熱との愛情だけで走ってきたためにスタッフ全員がかなり無理をしないと維持できない状況にもなっていました。救いだったのは全員がアリ豆を心から好きで身体がボロボロでも笑顔で走り続けてくれた上、お客さんや作家さん達の愛情と優しさが我々をたくさん支えてくれた事です。


が、数年前からこのままの体勢で走り続けてよいものか考えるようにもなりました。
スタッフ全員が腱鞘炎をはじめとした身体の不調を我慢しながら、休息する事もできない。そんな状態が続きました。小さな組織ですがその長としてこのままでいいのか?という葛藤はずっとありました。
また、取り扱っている作家達もここに安住し続ける事により、彼女等彼等の大きな可能性を摘んでいるのではないかと感じるようにもなりました。


きちんとスタッフ達がいい環境や条件で働けて、作家さんたちもキチンと前に進め、
応援してくれる人等ももっと楽しめるような形かできないかな、と思うようになりました。
アリ豆という形でそのようにできないかと沢山の検討を繰り返しましたが、一旦アリ豆を閉めて前に進む、という結論に達しました。


 しかしそれでも尚、あまりにお客さんたちの、作家さんたちの、我々の、みんなのアリ豆への想いが大きすぎて閉廊を覚悟するのに長い時間が掛かってしまいました。



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 僕と共同オーナーの高野は作家としても、ギャラリストとしても、キュレーターとしても国内、国外の展示、販売実績と経験を沢山持ちます。
これからは我々二人が培ってきたノウハウを活かした形で新しく作家を支援できるのではないか、作家を応援してくれる人たちをもっと楽しませることはできないかと考えています。

 アリスと豆の木という実店舗のギャラリーは一旦閉まりますが、今後以下の2つのプロジェクトを始めようと思ってます。

⚫︎Alice and Beanstalks
すでにFacebook
InstagramなどでAlice and Beanstalksと言う名前で存在しています。
今まではアリスと豆の木の情報のみを紹介していましたが、これからは日本のアートを独自の視点で盛り上げる情報ベースにしていけたらと考えています。 


⚫︎Komainu Art
 もう一つ新しいプラットホームとしてKomainu ArtというWebギャラリー&ショップサイト(工事中)ができる予定です。まだ準備中ですが楽しみにしててください。

 これはプロ意識が高い、魅力的な作家さんの作品を見て楽しめて購入できるオンラインギャラリーにしたいなと思ってます。


まだ助走の段階です。助走期間を経て来年4月頃に本格始動ができたらいいなと思ってます。

こちらもFacebookInstagramはすでに始めたので是非フォローしてみてください。


すでにKomainu Artに興味を持った作家さん達数名から連絡をもらっています。
プロ意識があり、意識が高い作家さん達とビジネスパートナーとしてキチンと互いの利益や結果をキチンと出していける関係が築ける場所にしたいと思ってます。

アリ豆は一旦閉めますがこれからはこの2つを皆さんと一緒に育てていけたらと思っています。

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 「アリ豆が無くなるのが寂しい」
そういう声をこの一ヶ月沢山聞きました。

その度に僕は
「次、楽しみにしてて。」
「もっと楽しいことするから期待してて。」
「すぐまた会えるから。」

そう答えてきました。
未来の話ばかりしてました。

 今日も色々考えて、振り返るのでは無く、未来の話をすることにしました。
そっけなく感じるかもしれませんがこれは応援してくれたみんなや、作家さん達への僕なりお礼のメッセージです。
 



 ただ、そんな事を言いながらあと数日くらいは僕も未来を見据えながらも感傷にひたり、
前に進みながらもみんなへの感謝を反芻しようと思っています。

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 僕が代表し、筆を取らせていただきましたがスタッフ一同、感謝の気持ちしかありません。
果てしない膨大な愛を6年半、本当にありがとう御座いました。
この6年半は僕たちの一生の宝物です。
















次、楽しみにしてて。

もっと楽しいことするから期待してて。
 
すぐまた会えるから。









2015年11月19日大安
アリスと豆の木代表 さゆる