イソ弁は労働者か?
テーマ:法律医師は労働者で残業代も出る
少し前ですが当直医に割増賃金を支払うべきとの判決が奈良地裁でありました。
内容は,夜間勤務の医師の勤務時間が,単に待ち時間が中心の通常勤務以外の時間ではなく,勤務時間に該当するという判決です。
この判決の前提として,まず医師が労働者に該当する必要性があるのですが,その点もすでに司法判断が出ており,労働者に該当するとされています。
この「労働者に該当するか否か」は,指揮監督下にあったか,簡単にいうと「命令されるとおりしなければならず,自分の自由に出来ない仕事か」という基準で判断されます。
例えばプロのスポーツ選手は労働者ではなく,それぞれが自分の自由に働く個人事業主とされています。(もちろんチームによっては労働者なみの管理をされていそうですがそれでもチーム毎に労働者かそうじゃなくなる訳ではありません。)
それでは弁護士はどうなのでしょうか
弁護士には経営者となって弁護士を雇う「ボス弁」と,雇われる「イソ弁」とがいます
このイソ弁の就業形態には色々ありますが,一般的にはボスが受けた事件を手伝い,書類を出すには必ず事前か事後のボスのチェックが必要で,なにかあったらボスが責任とるけど自分で経営方針や事件方針には口を出せないという形態が一般的だと思います。
実はこのイソ弁について,弁護士会は「労働者ではない。」というのが私が弁護士になった当時の見解です。その後変わったということは聞いていません。
お医者さんのような自分で診察して判断して処置することが前提とされている職業が労働者なのに,ボスの事件を手伝い,書類提出にチェックをされるイソ弁が労働者ではないとするのは私としては不自然な感じがします。
ここ誰か裁判して争わないですかね。当事務所が受けてもいいので誰か原告になってみたらどちらにせよ意義のある判決が出ると思います。また,今後弁護士の就職状況が厳しくなるとかならず労働問題が発生することが予想されるので,いずれ判決が出ると思います。
労働者となるとそれこそ今回の判決のように割増賃金の問題が出たり(裁量労働制という解決方法はありますが)社会保険の手続きが必要なので小規模の事務所では対応が難しいのでしょうが,これからは「医者の不養生」が「弁護士の労基法違反」と言われないように,対応しなければならないのかもしれませんねー
ちなみに,フラクタル法律事務所のイソ弁は特に個人事業者になりたいという希望がなければ労働者にして社会保険に入れてます。






