1951 フェラーリ340アメリカ
テーマ:ヨーロッパ車創業間もないフェラーリがまだまだ世界的には名声を獲得するには至っていなかった時代、対米輸出をメインに開発した大排気量GTカーが340だった。340というのはシリンダー単室容量を基準としたモデル名なのはご存じの通り。つまりその排気量は×12ということで4102ccである。
このエンジンを設計した人物の名をアウレリオ・ランプレーディという。フェラーリのエンジン設計者というと何と言ってもジョアッキーノ・コロンボが有名だが、彼の設計した125や166といった小排気量12気筒エンジンは基本的にストリート、そしてそこから派生したGTレースなどには向かない性格だった。
というのもこれらは当時のF1のルールに則したものであり、最高出力はともかくトルク特性が極めてピーキーでありパワーバンドも狭かったのである。
フェラーリ340アメリカは、GTレースカーのメカニカルコンポーネンツをディチューンし、カスタムビルトのボディと組み合わせたプレミアムGTだった。写真の個体のボディはギア製だが、他にツーリング、ヴィニヤーレ、ピニンファリーナ製のボディも用意されており、それぞれに個性を発揮していた。
写真の個体は1952年の「カレラ・パナメリカーナ・メヒコ(過酷なメキシコ縦断公道レース)」に参戦、見事総合5位に入賞したそのものという貴重な一台である。
いかにもクラシックカー然としたスタイルだが、個人的には今のフェラーリより遙かにその存在感は高い様に思える。ボディの造形、工作、内装のしつらえ、全部職人の手の温もりと情熱が込められている一台だと言っていいだろう。







