New 天の邪鬼日記

小説家、画家、ミュージシャンとして活躍するAKIRAの言葉が、君の人生を変える。


テーマ:
1月24日(日)ナイロビ「KESTES」ライブ

海外初ライブである。
もちろんアメリカやヨーロッパに住んでいたころには何度かあるが、プロミュージシャンになってからの海外は作曲のための旅行なので、正式なライブはやったことがない。

交通事故のあと海辺の町ワタムで静養した。
ワタムは小さな村だが、ビル・ゲイツをはじめとする世界中のVIPが隠れ家として愛用している知る人ぞ知るリゾートなのだ。ビル・ゲイツはいつもヘミングウエイホテルを丸ごと一軒貸し切って年に数回やってくるという。
東海岸料理はココナッツをつかう。ココナッツで炊き込んだご飯に、魚のココナッツシチュー。これで150円。
New 天の邪鬼日記-100117coconutcurry

牛肉の炭火串焼きムシカキは1本30円でむちゃ美味い。
New 天の邪鬼日記-100117kusi

オレも隠れ家的な安宿を発見した。
「KRABELLA」というゲストハウスで、ビーチまでわずか50mだよーん。(有名な安宿MOLOBのとなり)
New 天の邪鬼日記-100117komichi

1500シリング(2250円)でキッチンつきの部屋に泊まれる。イタリアンマフィアが進出する町なので、スーパーで生ハムが売っている。オレはチーズと生ハムがあれば生きていける。これが典型的な日常食。
New 天の邪鬼日記-100117jisui


オーナーはフィンランド人のおじさんでエッサという。ビールと煙草の大好きなチョーいいやつで意気投合した。
New 天の邪鬼日記-100117essa

オレは2階にあるエッサのとなりの部屋を借りてすごした。ベランダのベッドに横たわりながらビールを片手に海をながめたり、本を読んだり、作曲したり、至福の時間だった。
New 天の邪鬼日記-100117bed

ケニア第2の都市モンバサのシンボルは巨大な象牙のアーチだ。
New 天の邪鬼日記-100117monbasa

かなり危ない地域にある安宿「ピープルズホテル」に1泊したとき、南京虫に全身十数か所襲われて左手も腫れる。
New 天の邪鬼日記-100124te

しかしホテルの1階にある食堂は味もボリュームも安さもすばらしかった。タンドリ・フィッシュの炭火焼がたったの100円!
New 天の邪鬼日記-100117sakana

では初海外ライブレポートをナイロビから愛をこめてお届けしよう。
会場はタウン近郊にある「JACII(ジャシイ。日本アフリカ交流協会)」というスワヒリ語学校だ。2代目の校長は上田さんで30年もナイロビに住んでいる。
「あんたがアキラくんかい、あんたとバリ島で会ったといううちの卒業生からメールがきてたよ」
おおー、AKIRAネームはワールドワイドだねー。

ライブ会場はJACIIの庭だ。
New 天の邪鬼日記-100124niwa

つぎつぎに観客が集まり、スタッフをふくめると70人以上がきてくれたのよ!
New 天の邪鬼日記-100124kaijou

まずは「KESTES」の代表マコトが今回のライブの趣旨を説明する。
New 天の邪鬼日記-100124makoto

「われわれKESTES(ケステス)という団体は、在ケニア協力隊員有志による奨学金制度です。
お金がなくてセカンダリースクール(高校)に行けないケニア人を応援するために、募金活動やチャリティーをおこなっています。
1983年結成され、今までに500名の生徒の授業料を支援してきました。ケニアの高校は年間2万シル(4万5千円)かかります。
今年は審査を通った2人の生徒を紹介します」
女生徒アンは両親はいるものの家族の収入が一ヶ月たったの300シル(450円)である。これでは高校などいけるわけがない。
New 天の邪鬼日記-100124an

男子生徒ブライアンは3歳のときに両親を亡くし、ずっとストリートチルドレンとして育った。ルオー族の楽器である一弦バイオリン「ワデデ」を演奏してくれる。
New 天の邪鬼日記-100124brian

紹介者のマコトはマウントケニアの近くにあるオザヤという町で体育教師として生活している。オザヤはキクユ族の過激派「ムンゲキ」の本拠地で、強盗に押し入られたり、道で襲われたり、何度も危険をくぐっている。ケニアでは泥棒を現行犯で捕まえると、その場で焼き殺してもいいという。縛った犯人にタイヤを何本もかぶせ、灯油をかけて生きたまま燃やしてしまう。
マコトの学校もシンヤ隊員と同じに少年院である。犯罪を犯した者やストリートチルドレンの更正施設として機能している。自分の生徒がふたたび犯行に走って焼き殺されないように、命がけで守ってやっているのだ。
おおっ、ついこないだサファリを案内してくれたサヤもはるばるツァボ国立公園からかけつけてくれた。
PA(音響)はオランダでDJをしていたもと自衛隊のヤマちゃんがやってくれる。曲の説明やMC(語り)は英語を交えて説明した。
New 天の邪鬼日記-100124akiup

1、 ウレシパモシリ
2、 ぼくの居場所
3、 祝福の歌
4、 PUZZLE
5、 「COTTON100%」朗読
New 天の邪鬼日記-100124sinya

6、 旅立ちの歌(シンヤ隊員:ジャンベ)
7、 愛を知らない子供たち(シンヤ隊員:ギター)
8、 Hello my mom! (シンヤ隊員:ジャンベ)
9、 家族(シンヤ隊員:ギター)
10、 だいじょうぶマイフレンド(ジュンヤ、ミラ、カブト:ラップ。シンヤ隊員:ジャンベ)
New 天の邪鬼日記-100124daijoubu

11、 サンガイジュウネコラギ(シンヤ隊員:ジャンベ)
12、 ありがとう(シンヤ隊員:ギター)

AKIRAライブは赤道を越えて熱い感動を呼んだ。
すごい、すごすぎるぜ! ライブ自体もすごかったが、やっぱこいつらがすごすぎる。
だってこの中の一人が友人だったとして「こいつはケニアで働いていました」と言っただけでみんなびっくりするのに、70人だぜ! こんなすごい体験をした人たちに小手先の歌はとどかない。彼らだからこそ、オレが命を削りながら紡いだ一つ一つの言葉の意味が全身で理解できるのだ。
ライブは演奏者と観客とのエネルギー循環だから、これだけ濃いメンツといっしょにつくりあげたエネルギーは膨大なものになる。
ボロ泣きしたり、「だいじょうぶマイフレンド」を大合唱したり、象が白鳥の湖を踊りだすくらいすばらしいライブだった。

第2部は昨日日本からきたシンヤ隊員の弟ヒトシ(17歳)がオアシスの歌を弾き語りした。
New 天の邪鬼日記-100124hitosi

獣医でたくさんの著書がある神戸俊平先生がアルトサックスでコラボしてくれる。
New 天の邪鬼日記-100124kanbe

13、FUFU Bird(アルトサックス:神戸先生)
14、愛を知らない子供たち(アルトサックス:神戸先生)

チャリティーは授業料の3学期生の一学期分に相当する授業料が集まった。ブライアンやアンも自分たちのためにこんなにたくさんの人たちが応援してくれるのを目の当たりにして泣いていた。
打ち上げは近くの韓国料理屋で盛り上がり、海外初ライブは大大大成功だったわー!!
心からみんなに感謝を捧げたい。
シンヤ隊員はじめ、ケステススのメンバー16人。マコト、マユマユ、アイ、カブト、らんらん、見ら、客、黒、マッキー、キョウコ、カヨ、ジュンジュン、ユウ、シノダ、
スペシャルサンクスは、上田校長、神戸先生、古田さん、ヒトシなどなど、
ほんとに最高のひと時を「アサンテ」(スワヒリ語でありがとう)!
New 天の邪鬼日記-100124kinen
AD
いいね!した人  |  リブログ(0)

テーマ:
New 天の邪鬼日記-100117isekiaki

人間とは不思議なもんで、ニュースで事件を見ても、自分で交通事故の横を通り過ぎても、「まっさか自分の身には起こらないだろう」と思ってしまう。
ところがその事故がオレに起こってしまったのだ。

すばらしかったサファリに満足し、サヤやシンヤ隊員と別れ、ひとりモンバサ行きのマタツに乗りこんだ。マタツとは12人乗りの乗り合いミニバスで、庶民にとって最も重要な交通手段である。オレは一番後ろの席につめこまれた。
首都ナイロビと第二の町モンバサをつなぐ道路はケニアでもっともいい道路だ。まあ1車線だが、とにかく穴が開いてない道路はこれしか国内にないのだ。
もちろんエアバッグもシートベルトもなく、いつものようにぎゅうぎゅう詰めで乗っていた。
「うわっ!」ドライバーが声なき声をあげた。
前を走るトレーラーのような巨大トラックが、なんの前ぶれもなく急ブレーキをかけた。
こちらのブレーキは間に合わない。
フロントグラスが一瞬にしてひび割れ、悲鳴が車内を震わす。
乗客は前倒しに投げ出され、
助手席の女性はフロントグラスを突き破りそうになり、
運転席後ろの男は鉄柱に顔をぶつけて額から血を流し、
放り出された赤ん坊が泣き叫ぶ、
オレは胸のあたりを前の座席でしたたか打った。
New 天の邪鬼日記-100117glass

するとこともあろうに一度停車したトラックが、そのまま走り出したのだ。
呆然としていたドライバーが我に返って叫んだとたん、乗客がいっせいに降りた。
オレだけスワヒリ語がわからなかったし、バックパックが車にのっていたので降りなかった。
ドライバーは猛スピードで逃げるトラックを追いかけはじめた。
ひえっー、どうなってんのー!
「おまえはなんでそこにいるんだ?!」
オレに気づいた車掌が英語で説明した。
「いいか、おれたちはあのトラックを追いかけて警察に突き出す。乗客たちは危ないからあそこで降りてわれわれがもどってくるのを待っててもらったんだ」
「うわー、じゃあオレもここで降ろして!」
「もうおそい」車掌が言う。
「もうおそいって、どうすればいいのよ」
「危ないからよくつかまってろ」
マタツはドライバーや車掌が車のオーナーではなく、1ヶ月7000円ほどのレンタル料を払い借りている。したがって事故の修理代も運転手持ちだし、ここで逃げられたら莫大な弁償を自腹で払わなくてはならないので、ドライバーも必死だ。
トラックに追いついたドライバーは追い越しをかける。
これじゃハリウッド映画のカーチェイスじゃないか。さっき降りてれば「事故」だけで生き延びられたのに、今度はほんとに死ぬかもしれない。
むちゃくちゃにクラクションを鳴らし、左から幅寄せする。
おい、大きさがまったくちがうんだから接触したら確実に巻き込まれるぞ。
車掌は携帯電話で警察と連絡を取り、トラックのナンバーを告げる。
今度はトラックのほうから幅寄せしてきたのをギリギリでよけたとたん、反対車線のトラックと正面衝突しそうになる。
ただでさえフロントグラスがひび割れて前がよく見えないってのに、こりゃあ自殺行為だぞ。
「止まれ、止まれ!」
車掌は窓を開け、相手に怒鳴る。
トラックの運ちゃんは完全無視し、さらにスピードを上げる。
こっちは車体が揺れるたびに胸が痛む。おそらく肋骨にひびが入ったのだろう。
カーチェイスは1時間くらいに感じられたが、実際は20分くらいだろう。
前方からサイレンの音が聞こえてくる。
ポリスだ。
警官が手を上げると、やっとトラックが停車した。
車から降りると、二人の警察官が説明を求めてくる。
「おまえらが勝手にぶつかってきたんじゃねえか」
トラックの運ちゃんも気が荒い。
「あたり逃げ野郎!」
車掌がつかみかかる。
警官が二人を分け、冷静なオレに事情を聞いてくる。
「まったく急にむこうがブレーキをかけたんです。一度はおたがいに停車したのですが、むこうは降りてきもせず走り出しました。降りた乗客の中にはけが人もいると思います」
トラックの運ちゃんが今度はオレのほうに殴りかかってきそうになるのを警官が止めた。
30分ほど聞き取りをしてから、オレたちはポリスカーとともに乗客の待つ事故現場へともどった。
炎天下の路上で乗客は待っていた。
New 天の邪鬼日記-100117hiway

「さっき救急車でふたりが病院に運ばれたのよ。ひとりは額から血を流していたし、ひとりの女性は腕を骨折したみたい」
かれこれこのトラブルで2時間近くおくれた。乗客はいらだっている。
「べつのマタツを読んだから大丈夫だ」と車掌が言ったので空でくるのかと思えば、満員のマタツに3人づつくらい詰め込まれる。
おしくらまんじゅう状態で2時間、ケニア第2の都市モンバサで解放される。
うわっ、またバスの客引きであるチンピラどもが集まってきたよ。
ここも危険地帯だが、あの事故をくぐったあとでは不思議なくらい怖くない。
これは神様からの警告かもしれないので、もうちょっと慎重に行動しよう。
またもやおまけの人生をもらった気分だ。
あらためて生きているってすばらしい。
生きて旅をつづけられるって最高だわっはっは!
ああ、笑うと肋骨が痛いわ。
New 天の邪鬼日記-100117frut
AD
いいね!した人  |  リブログ(0)

テーマ:
「サファリ」は男子一生の夢である。
いや老若男女パスポートを持てる国に生まれた今世こそがサファリと出会える最初で最後のチャンスなのだ。
「日光を見ずしてけっこうと言うなかれ」ということわざがあるが、「サファリを見ずしておさわりをするなかれ」ということわざはない。(ないのか)
もともと「サファリ」はスワヒリ語で「旅」を意味するが、現代では車に乗って野生動物を観察する「ゲームドライブ」を意味する。
「アキラさん、思いっきりスペシャルなサファリに連れて行きますよ」シンヤ隊員が言う。
「なに、おさふぁり放題とな!」
「シマウマのお尻にさわってもレンジャー(監視員)に撃たれますから。つーか協力隊のマブダチ、サヤがツァボ国立公園のなかに住んでいるんです。彼の庭にはあらゆる動物がくるそうです。3メートルもある大蛇やライオンもくるそうです」
「なに、庭ライオンとな!」

さっそくシンヤ隊員とふたりでナイロビの危険なダウンタウンにあるバス乗り場から「MASH」社のバスにのって「VOI」へむかう。
New 天の邪鬼日記-100116macchobus

なんとオレたちが出発した数時間後、同じリバーロードでデモをしていたイスラム教徒と警官隊が衝突し、3人の死者がでるほどの暴動になった。またしても危機一髪である。
New 天の邪鬼日記-100116nirobi

ドライブインではキーマカレーのパイ包み(60円)とニャマチョマ(牛の串焼き。1本30円)を食う。
New 天の邪鬼日記-100116nyamachoma

バスで前の人が伸びをした手を写す。
New 天の邪鬼日記-100116yubi

途中で2度も事故を目撃する。
New 天の邪鬼日記-100116jiko

トレーラーがひっくり返り、クレーンで引き上げられている。ケニア人の運転は半端じゃなく無謀だ。明日はわが身でないことを祈る。
New 天の邪鬼日記-100116hitobasira

5時間半のバスは快適だった。
ツァボ国立公園があるヴォイにはサヤが迎えにきてくれた。
サヤは愛知出身、26歳の整備工で、初めての海外が協力隊でケニアとはすごい。国立公園内でレンジャーたちの車を修理している。
「ほんとに庭ライオンもいるの?」
「まるで動物園の巨大な檻の中でなかでぽつりと人間が暮らすようなものですよ。ライオンは吐く息の音でわかります。たまたま家の中にいたからよかったものの庭に出てたら食われてましたね。もしライオンと鉢合わせしたら目をそらしちゃダメです。背中を見せて逃げ出すと襲われます。目を見つめたまま大きな音を立ててむこうが逃げるのを願うしかありません」
おおーケニアの国立公園で暮らすのって、日光国立公園で猿にポテトチップスひったくられるのとはわけがちがうのねー。
「あっ、緊急の連絡がはいったんで、いっしょにきますか?」
「いくいくー!」
レンジャーの車がハイウェイ沿いでエンストしたらしい。
修理工ジープのうしろに飛び乗り、時速150キロでハイウェイを走る。
風の塊が圧倒的な質量をともなって押し寄せてくる。
仕事のサヤには申し訳ないがオレとシンヤ隊員はこの冒険に歓喜の叫びをあげる。
New 天の邪鬼日記-100116sinya

30分ほど走ると道のよこにレンジャーの車が止まっていた。
迷彩色の軍服にライフル銃をさげている。レンジャーの主な役目はルールを守らない観光客を取り締まったり、命がけで密猟者を捕まえる。
普段はこわもてのレンジャーたちだが、顔見知りのサヤたちにはやさしい。金魚の糞のようについてきたオレたちにも笑顔で握手してくれる。
「ゴッドハンド」と呼ばれるサヤがいろいろ試したが直らないので、ワイヤーで牽引して修理工場まで運ぶこちになった。
New 天の邪鬼日記-100116sayshuuri

途中でレンジャーたちは別の車に乗り換えたが、そこには手錠をかけられた密猟者がふたりのせられていた。
たとえば象牙は頭蓋骨の根元から生えているために、象を撃ち殺さなければとれない。豹の毛皮や食肉用まであらゆる密猟者がいるのだ。
「危ない! しゃがんでください」サヤが言う。
公園をはいるところには象がこないように電流が流れる針金が5,6本さがっていた。人間が感電するとそうとう痛いらしい。
牽引していた車を修理工場におき、レンジャーたちの宿舎をとおってから山のふもとにあるサヤの家へいく。
New 天の邪鬼日記-100116sayaie

修理工場への道で鎌首を1メートルも持ち上げるコブラに出会ったこともある。コブラは飛びかかってくるし毒を吹きつけてくるので決して近づいてはならない。家の中にサソリもはいってくる。
New 天の邪鬼日記-100116sasori

その夜は「ジャリ・ハリ」スーパーマーケットのオーナーJが主催するカレーパーティーに招待された。
New 天の邪鬼日記-100116party

ピ-スコーポ(平和協力隊)のアメリカ人や助産婦のドイツ人、ホテルを経営するイタリア人、医師をつとめるインド人、協力隊でコンピューターを教える西川隊員など、バラエティー豊かな人種たちで盛り上がった。最後にでてきたJのカレーは絶品中の絶品であった。
New 天の邪鬼日記-100116curry

サヤの家に泊まり、翌朝庭に出てみると、たくさんの鳥たちが集まってくる。
なかでもボスはグラウンドホーンビルと呼ばれるサイチョウの仲間だ。
New 天の邪鬼日記-100116guraundhonebil

夢見るように美しい虹色のトカゲがまどろんでいる。
New 天の邪鬼日記-100116tokage

ブッシュバックと呼ばれるレイヨウ類が遠くからこちらを見つめている。ねじれた角を持つオスは豹とも勇敢に戦うという。 
New 天の邪鬼日記-100116bushbuck

いきなり飛び出してきたのは小鹿のようなディクディクだ。
New 天の邪鬼日記-100116dikdik

ディクディク食物連鎖の最下層のほうにいるので、いつ教われるかビクビクしている。きっとディクディクの一生は、ナイロビのスラムに連れてこられたサラリーマンのようなもんだろうなあ。しかしディクディクはつねにつがいで行動し、パートナーが死ぬと自分も死ぬという。泣かせる夫婦鏡なのである。
日光猿軍団に負けじとバブーンもでる。
New 天の邪鬼日記-100116baboon

「おおっ、庭象だ!」
赤土色に染まった象の群れが移動している。
New 天の邪鬼日記-100116zou

「あれはみんな孤児たちなんです」サヤが言う。
公園内にある「セルドリック」という施設は親を殺された象の子供たちを保護し、野性へ返す手助けをしている。
象は動きが鈍いから怖くないとはいえない。数年前レンジャーのひとりが車に乗っているとき象に踏み潰されて死んだ。
キリンが60キロのスピードで車と並走し、衝突事故を起こしたこともある。
サヤが歩いて家に帰るときメスライオンに会った。狩りをするのはメスだから一歩間違えれば襲われる。ライオンに出会った際は決して目をそらしてはならない。背中をむけて走ってもならない。にらみ合ったまま、なにか大きな音を立てるしかないという。
ワイルド・ドッグという野犬も恐ろしい。イヌ科の肉食獣で黒い体でよだれを絶え間なく流している。もちろん人間も襲う。
1年ほどまえ、西村家の近くでチーターが4歳の子供を襲ったことがある。チーターは夜、牛や羊などの家畜を狙って村に出没することがある。4歳の子供はチーターの一撃で絶命したが、そのチーターも翌日レンジャーによって見つけ出され射殺された。一度人間を襲った肉食獣はそれが癖になるからだという。

さあ、いよいよサファリに出発だ。
日本の協力隊は事故を起こすと加害者になってしまうので車の運転は禁じられている。スーパーバイザーのケニア人が運転してくれた。サヤは助手席、オレとシンヤ隊員はジープの荷台に立つ。観光客がチャーターする小型バスは天井が開いて顔だけ出せるようになっているが。オレたちは柵もない荷台なのでライオンやチータに襲われたら、ハイそれまでよだ。窓に仕切られていない分だけ臨場感は増すし、肉眼で動物たちを見られる。
ザボ国立公園は日本の四国よりも大きいという。
New 天の邪鬼日記-100116akaimiti

赤土と緑のコントラストがまぶしい。水平に広がる枝はアカシア科のテーブルトゥリーやアンブレラトゥリーと呼ばれている。悪魔が根っこ後と引き抜いて逆さに突き刺したといわれるバオバブはまさに精霊の木と呼ばれるにふさわしい。
ジープの荷台に立ちつくし、むき出しの地球とむきあう。
無限とも思われるほど広大な草原が赤土の肌と緑色の体毛を風に揺らし、群れを拒んだ木々たちが胸を張って点在する。
New 天の邪鬼日記-100116daisizen

オレは今まで網膜というスクリーンに世界を映してきた。
なのに、なのに、なんなんだ、この圧倒的なスケールの大きさは!
「……サムシング・グレート」
なにか大いなるもののふところに包まれる安堵感と自分のちっぽけな価値観が木っ端微塵に砕け散る快感がある。
水族館で見るイルカと大海原で遭遇するイルカがまったくちがうように、日本のサファリパークで見る動物と野性で見る動物はまったく別物だと思っていい。ましてや動物園などもってのほかだ。
恐竜かと見がまうばかりのキリン、
New 天の邪鬼日記-100116kirin

美しいシマウマの曲線、
New 天の邪鬼日記-100116simauma

水浴びするバッファローの威厳、
New 天の邪鬼日記-100116buffalo

トムソン・ガゼルのしなやかな跳躍、
New 天の邪鬼日記-100116tomsongazeru

「ムダンダ・ロック」はツァボ国立公園のヘソである。
唯一ここだけは車から降りることを許されている。高さ30メートルほどの岩を登る。まるで磨り減った石鹸のような楕円形をした岩からは泉が見下ろせる。象の群れが隊列をなして水浴びにくる。母子象のたわむれる姿に思わず微笑み、涙ぐんでしまう。
New 天の邪鬼日記-100116zouike

レンジャーたちの施設内にある一般非公開の建物でこんなショッキングな風景を見せてもらった。
すべて象の骨である。
New 天の邪鬼日記-100116zouhone

象牙を狙う密猟者に殺された象たちだ。一頭の象を牙の殺害し、奪った象牙を売る価格はわずか3000円ほどだという。それがアフリカやアラブを経由して、中国や先進国へと莫大な値段で流される。このシステムを断たないかぎり、レンジャーと密猟者のいたちごっこは終わらないだろう。
天井にぶらさがるコウモリたちが目を光らせて、人間をにらんでいる気がした。
New 天の邪鬼日記-100116koumori

痛ましい現実も、とてつもない感動も、文章や写真やテレビの映像などでは100分の1も伝えられない。
自分の肉体をアフリカの大地へと運び、一匹の動物としてこの平原に立たなくては理解できない。
だからぜひパスポートがもてる今回の生のあいだにアフリカにきてほしい。勇気を出して生身の肉体で感じてほしい。
むき出しの地球を、
New 天の邪鬼日記-100116yuuyake

人類発祥の地アフリカを!
New 天の邪鬼日記-100116akirabanzai

※都市をはなれるとアフリカのネット事情は非常にきびしくて、ブログのアップはいくつもの村をまわって、やっと接続できるネット教室を見つけたり、メールも読めない状態ですのでご了承ください。
AD
いいね!した人  |  リブログ(0)

AD

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス

      ランキング

      • 総合
      • 新登場
      • 急上昇
      • トレンド

      ブログをはじめる

      たくさんの芸能人・有名人が
      書いているAmebaブログを
      無料で簡単にはじめることができます。

      公式トップブロガーへ応募

      多くの方にご紹介したいブログを
      執筆する方を「公式トップブロガー」
      として認定しております。

      芸能人・有名人ブログを開設

      Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
      ご希望される著名人の方/事務所様を
      随時募集しております。