台本、雑記置場

声劇台本・宣伝を書き綴っていく予定です。
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テーマ:

狩人の寄る辺


CAST

・シャル
 森の狩人。のちに旅立ち、ケインたちと冒険をする。動物の言葉を聞くことができる。

・クラハ
 精霊の森の中にある、数千年の樹齢を誇る霊木(れいぼく)。長い歳月で魔力を持ち、
 シャルを育てるため人間の姿を魔力で形作る。黒髪の若い女性の姿をしている。

・グロウ
 精霊の森の狼。捨てられたシャルを森で見つけ、クラハとともに育てる。

・レティア
 クロレ王国の宮廷観測士。天文学や自然、遺跡・洞窟の調査をしている。

・ユーリ
 シャルの仲間。パーティのお姉さん的な存在。
 冒頭、ラストのみの登場につき、レティアと被り推奨。


~劇中表記~

シャル:♂:
クラハ:♀:
グロウ:♂:
レティア/ユーリ:♀:


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ユーリ:随分冷え込んできたわね…。宿が空いていて助かったわ。
  ケインもアイラももうぐっすりね。シャル、私たちも休みましょう?
シャル:…。


ユーリ:シャル、どうしたの?ずっと暖炉(だんろ)を見つめて。考え事?
シャル:え…。あ、いや、なんでもないよ。


ユーリ:なんだか元気ないわね。なにかあった?
シャル:だいじょうぶだって。…へへ。いつも皆のことを誰よりも心配して。
  ホントにユーリは姉ちゃんみたいだな~。


ユーリ:やんちゃな妹がいたから、心配するクセがついちゃっただけよ。
シャル:妹かぁ…。なぁなぁ、妹っていいもんか?


ユーリ:え?そうねぇ…、良い悪いで考えたことはないけれど…大切な存在よ。
シャル:そっか。やっぱりそうだよな。


ユーリ:なんだか思い出すわ。寒い日の夜にね。こうやって暖炉の前で、
  本を読んであげたこともあったのよ。
シャル:へぇ…、いいなぁ。そういうの、憧れるよ。
  おいらには、そういう経験なくってさ。…でも、炎を見ているとな…。


ユーリ:炎?
シャル:うん。あのな、ユーリ。…おいらさ。捨て子だったんだ。


ユーリ:え?
シャル:おいらはクロレって国で育ったんだけど…。
  その国にある大きな森に捨てられた子供だっだ。
  まだ赤ん坊だった俺を育ててくれたのは、その森だったんだ。


ユーリ:森が…シャルを育てた?
シャル:霊木(れいぼく)っていうらしいけど、凄く長く生きていた木が魔力を持って、
  森を守っていたんだ。その霊木や森の皆が、おいらを拾って育ててくれた。
  おいらは物心ついた時から森の中で、森の皆と生きてきたんだ。


ユーリ:霊木が…。
シャル:うん、優しい森だったよ。とっても優しい…


・・・・・・


グロウ:クラハよ。精霊の森の主(あるじ)よ。息災(そくさい)か?
クラハ:グロウ、久しいな。森の門番であるおぬしが我が前まで来るとは珍しい。
  いかなる用件か。


グロウ:ふん、この森で起きた事は、森の主たるそなたはすべてわかっていよう?
  この人間の赤子をどうするのか、聞きに参った。
クラハ:私とてすべてを知るわけでは無い。赤子をおぬしがここまで運んでこよう
  などと、つゆとも思わなんだ。


グロウ:ならば問おう。この赤子をいかにする?
クラハ:私も問おう。なぜおぬしはこの赤子をここまで運んできた?


グロウ:問いを問いで返すとはな。…赤子を捨てて行く村の人間の声を聞いた。
  呪い子、忌み子(いみご)だと口々にこの赤子を言の葉で穢して(けがして)いった。
  奴らの都合で捨てられた子を憐れむ思いもある。それに我々は人を知らねばならぬ。
クラハ:人の国はますます大きくなり、我が森にも最近はよく現れるようになった。
  人を知り、おぬしはどうするというのだ?


グロウ:そのような事は、知ってみるまでわかりはせん。そなたはどう考える?
クラハ:人は人として繁栄するであろう。ほかの生き物と何も変わらぬ。
  しかし私はその生命に本来、干渉してはならぬ立場だ。
  どのような生物も、我ら無くして生きる事は敵わず。ゆえに我らは干渉は出来ぬ。


グロウ:ならばこの赤子にも干渉はせぬか?
クラハ:いや…。この赤子は人に捨てられ、人として消え行く定め。
  人に捨てられ、一度この世との関わりは消えた。すべてを無くした赤子が、
  この弱りゆく森に捨てられたのも、何かのえにしかもしれぬ。


グロウ:えにしを受け入れるか。ならばそなたが育てよ。
  森のえにしは即ち(すなわち)、そなたとのえにしであろう。
クラハ:いいだろう。我が霊木の加護のもと、この赤子を育てよう。
  人の姿を形作り、仮初(かりそめ)の命を育もう(はぐくもう)。
  グロウ、赤子をこの手に。


グロウ:そうか。人として育ててくれるか。礼をいう、クラハ。
クラハ:礼には及ばぬ。だがグロウ。この赤子を育てるのは私だけではない。
  おぬしや森の皆にも力を貸してもらうぞ。


グロウ:ふん、赤子のお守りなど私には出来ぬ。…だが、拾ってきたのは私か。
クラハ:そうだ。おぬしとこの赤子もきっとまた、えにしで結ばれておる。
  …シャルよ、この森で生きよ。


グロウ:シャル?
クラハ:さよう。この子の名前だ。名を記した紙がある。親はどんな思いを込めたのか。


グロウ:名付けて捨てるか。業(ごう)の深い事をする…。
クラハ:人には人の理由があろう。しかしもう、それもない。
  この子は何もかもを捨てられたのだ。


グロウ:孤独なシャルよ、この森で生きるがいい。


…10数年後…


シャル:グロウ!グローウ!人だ、また人が森に来ていた!
グロウ:また賊の類(ぞくのたぐい)か?


シャル:いいや、よくわかんないけど、森を調べていたみたいだ。
グロウ:ほう?


シャル:女っていう方!力の弱いほうだ。
グロウ:女が一人で森を調べていたか。


シャル:どうする?追い返すか?
グロウ:森に害を加えなければ放っておけ。
  クラハは森が静かであることを望んでいる。判断に迷うならクラハに聞くといい。


シャル:わかった!クラハにも聞いてみる。グロウ、今日はクラハのとこ一緒に来るか?

グロウ:いや、私は遠慮しよう。お前一人でいけ。

シャル:そっか。んじゃ、いってくる!



クラハ:ほう…。森に人間の女が来ていたか。
シャル:うん、なんだか色々と森を調べていた。悪い奴かな?


クラハ:さてな。お前はどう思った?
シャル:わかんないよ。でも、木や植物を大事に扱ってた。
  今までの奴らとはなんだか違うような気がする。


クラハ:ならば、次にその女が来ることがあれば、声をかけてみるがいい。
シャル:ええ!?おいらが?


クラハ:そうだ。お前は森の子供だが、人間だ。お前は森によく馴染んだが、
  人間や人間の世界も、少しは知るべきであろう。
  私とグロウの使う人間の言葉だけでは、教え切れぬ所もあろう。
シャル:む~。最近、クラハもグロウもおいらのこと人間っていうよな。
  おいら、クラハや皆に育てられた、この森の生き物だよ。


クラハ:私もそれでいいと思っていた。しかし、それだけではダメだ。
  お前はもっと世界を知るべきなのだ。私やグロウはいずれ消える。
  そのときお前は一人で生きていかねばならん。
シャル:クラハが消える?でも、木っていうのはとても長生きするんだろ?
  グロウがいってた。おいらやグロウより、クラハはすっげー長く生きているって。


クラハ:何事にも滅びはあるものだ。私の滅びはじきにやってこよう。
シャル:なんだよ?なんでそんなこと言うのさ?


クラハ:感じるのだ。日に日に我が力は弱まっている。森の力が死んでいくのだ。
  今ではこの根がはっている距離より外に、この姿を保つこともかなわぬ。
  その弱まった力が告げてくる。私の滅びを。
シャル:そんな!クラハが滅びるなら、おいらも滅びに一緒に連れてってよ!


クラハ:案ずるな、シャル。滅びは別れではない。お前は我が愛しき子だ。
  私とお前に別れなど存在せぬ。
シャル:滅びが別れじゃない…?難しいよ~。


クラハ:その時がくればわかる。よいな、人の世界を知ってくれ。これは私の願いだ。
シャル:うん…。わかったよ。



レティア:やっぱり…。この森は力を失っている。
  けど、天文にあった凶事(きょうじ)はこんな緩やかなものでは…いったい?
シャル:人間!


レティア:きゃああ!あ、あなたは?
シャル:おいら、シャル。人間と話せってクラハに言われた。人間、話せ。


レティア:えと、シャル…?私はレティア。クロレ王国の観測士よ。クラハ?
シャル:レティアか。よろしくレティア。レティア、ここで何してる?
  クラハはこの精霊の森の主だ。


レティア:私はわけあって、この森を調べているの。森の主…?霊木のこと?
シャル:レティア、クラハを知ってるのか?


レティア:この森は一本の霊木が加護を与えて守っているって…言い伝えだけど聞いた
  ことがあるわ。
シャル:そうだ。クラハはこの森をずっと守ってる。グロウやおいらたちと一緒に。


レティア:あなたは森でいきているの?
シャル:そうだ、おいらはこの森で育った。この森の子供だ。


レティア:森で?…ねぇ。最近森で変わったことはない?
シャル:変わったこと?無いぞ?


レティア:どんな小さなことでもいいのだけれど…。
シャル:森はいつもの森だ。…けど、昨日クラハも変な事を言っていた。滅びって。
  森の力が死んでいくって。


レティア:滅び?死んでいく?…それってどういう意味?
シャル:おいらにもわからない。ただ、クラハがいうんだ。滅びはじきにやってくるって。


レティア:滅びがやってくる…。
シャル:どうした?レティア?


レティア:私達の国ではね。星を見て占いするの。それによると、もうすぐこの森で
  何かが起きるらしいの。私はそれを防ぎたくて、毎日森を調べているのだけど…。
シャル:レティアも森を守ってくれるのか。じゃあおいらたちの仲間だな!


レティア:仲間…?ふふっ、そうね。シャル。一緒にこの森を守りましょう。
シャル:ああ!一緒に守ろう!おいらもレティアの手伝いをするぞ!


レティア:ありがとう。



グロウ:シャルはあの人間の女と、うまくやっているようだな。
  あいつが人間に話しかけるとはな…。そなたの指図(さしず)か?
クラハ:指図などと…。シャルには未来がある。この森や私とは違うのだ。
  子の生きる道を探すのもまた、親の務めであろう。
  長い間森だけで育てた、私の不明でもある。


グロウ:いっぱしの親になったものだ。変わったな。クラハ。
クラハ:そうだな。私もときに自分で驚く。しかし、悪くはない。


グロウ:…森は、やはりもう持たぬか?
クラハ:遠からず消えていくであろう。木々の息づかいもずっと弱くなっている。
  私はその前に、今1度森の再生にかけてみようと思っているが…。


グロウ:シャルが一人立ちしないことには、出来ぬ事か?
クラハ:そうとも言っていられぬがな。せめて最後に、きっかけだけでも
  あの子に授けておきたかった。下らぬ親ごころと嗤うがいい。


グロウ:嗤わんさ。変わったと思うだけだ。しかし、どうする?森を再生させるには、
  一度全てをやり直すしかない…。シャルがそれを肯んじる(がえんじる)とは
  到底思えぬが…。
クラハ:あの女の所にでも、1日2日出向かせようかと思う。それ以外には私も
  方法が思いつかぬ。私は親であるまえに森のあるじ…。
  森の生き残る方法を優先する義務があるのだ。


グロウ:難儀なことだな。私が滅びまでしか付き合えぬことは、申し訳なく思う。
クラハ:そこまでおぬしが付き合う事もない。これは我ら森のこと。


グロウ:私は最後まで、この森の門番でありたいのだ。クラハ。
クラハ:…すまぬ、グロウ。



シャル:レティア、もってきたぞ~。これ。
レティア:うん、ありがとう。やっぱり…。シャル、段々解って来たわ。


シャル:なあなあ、おいら、レティアに言われたとおり、毎日森の色んなところから
  木の枝をもってきたけど、それを調べて何になるんだ~?
レティア:シャルが集めてくれた、森全体の木の枝。それを調べてわかったんだけど…。
  森全体が枯れかけてきているの。


シャル:森が枯れる?う~ん?どこもいつも通りの森だぞ?
レティア:ほら、さわってみて。この枝とこの枝。こっちは他の森や町の中の木の枝よ。
  この子たちと比べると、森の木の枝はずっと弱っている。
  枝に含まれる水分もかなり少ないわ。


シャル:え?…ほんとだ、森のほうはすぐに折れる。しなりもない。
  見た目は変わらないのに…。どうなっちゃってんだ?
レティア:悪天候が続いたわけでもないのに…。どうしてかしら…。


クラハ:シャル。
シャル:お、クラハー!こんなところまで出てくるのはめずらしいな!平気なのか?


クラハ:問題無い。お前の人間の友達に会いたくてな。
シャル:そっかぁ~。こいつ、レティア!一緒に森を守ってるんだ!


レティア:は、はじめまして。シャルの…お母さん?でもクラハさんって…。
シャル:前にも言ったかな?クラハは森のあるじなんだよ。そんで、おいらの親だ。


レティア:本当に…霊木(れいぼく)の?    
クラハ:いかにも。そこまで存じているのであれば話も早い。人間、今日は頼みたい事が
  あり、こうして姿を現した。


レティア:(精霊…初めて見るけれど…。女の人にしか見えない。)
  頼みたいこと?
クラハ:そうだ。我が子、シャルを今日1日、そなたの家で預かってくれぬか?
  シャルには前々より話していたが、人の生活を少し学ばせたいと思っている。
  急な頼みではあるが、聞きとどけてくれぬだろうか?


レティア:人の生活…?1日くらいうちで預かるのはだいじょうぶですが…。
  でもそんな急に?
シャル:なんだよー、クラハ。いきなりだなぁ。


クラハ:よいではないか。1日、外の世界を見てこい。留守はグロウと私が預かる。
シャル:へへ。おいらはいいけどさ。人間の暮らしや町も、見てみたいしな。


クラハ:では決めるぞ、シャル。…そういうことだ。レティアと申したか?
  急ぎの頼みであることは詫びる。しかしこの願い、どうか聞いて貰えぬだろうか?
レティア:…わかりました。1日、シャルをうちに泊めさせて頂きます。
  もしよろしければ、森の詳しいお話もお聞きしたいのですが?


クラハ:そうか、ではシャルが戻る明日、またここに迎えに来よう。
  今日はもう陽が傾きはじめた。明日の朝、この場所でまた。
レティア:は、はい。


クラハ:では、明日。…シャル、これをもってゆけ。
シャル:なんだい?これ?


クラハ:我が霊木のかけらをグロウが研ぎあげた、私とグロウからの守りだ。
シャル:へええ!ありがとう、クラハ!


クラハ:行け。シャル。…レティアとやら、よろしく頼む。
シャル:よし、じゃあ行こう!レティア!人間の町、案内してくれ!


レティア:あ、シャル待って。そ、それでは明日の朝、またここで…。
  シャルー、待ってったら。



グロウ:なんとも強引なことだ…。だがなんとか行ったようだな。

クラハ:良かったのか?シャルに会わないで。


グロウ:思いは守りに託した。それでよい。
クラハ:そうか…。では行こうか。


グロウ:そうだな。この森の終焉(しゅうえん)、見届けるとしよう。



シャル:ほへ~…。人間の町ってせまいところに色々あるんだなぁ。
  楽しかったけど、つっかれた~。
レティア:んもう、あれだけはしゃいでいれば疲れるわよ。


シャル:けど、市場で食べた肉とかうまかった!果物は森のがうまいけど、
  沢山人間の食べ物くえて良かった。
レティア:はいはい。そういうときは、ウソでも最初は私の料理を褒めるものよ?


シャル:レティアが作ってくれたシチューっていうのもうまかったぞ!
レティア:ふふっ、ありがと。ちょっと私はお風呂に入ってくるわ。
  シャル、先に休んでて。


シャル:お、あの熱い水につかるやつか!いってこい!
レティア:ふふ、熱い水ね。いってくるわ。寝てていいからね。


シャル:わかった~!…色んなものを見たなぁ。
  帰ったらクラハやグロウや皆に沢山話す事が出来たな~。
  …人間の町は楽しいけど、眠るのはやっぱりクラハのところがいいなぁ。
  ふぁ~あ…。

レティア:シャル!大変よ!森が…森が燃えてるわ!

シャル:なんだって!?



クラハ:森よ…、我が身、我が友、我が命…。森よ、朽ちかけたその身を一度捨て、
  新しい命を吹き込まん…。朽ちたその身を灰燼(かいじん)に帰せ…(きせ)。
グロウ:生まれ変わるための滅び…。はじまるのだな。


クラハ:森の門番よ…。なぜ森と共に滅ぶことを選んだ?森は生まれ変わる。
  しかし、おぬしは…。
グロウ:これでよい。私は充分に生きた。森がよみがえり、今の姿に戻るまでは
  私は生きておるまい。ならば朽ちた森とともに消えよう。


クラハ:そうか。ならばせめてここに来い。…ここに来て、グロウ。
グロウ:そうだな。さらばだ、クラハ。私はここで、そなたの元で土に還ろう。


クラハ:グロウ…さらばだ。



レティア:ダメよ、シャル!火の勢いが強いわ!森にいっちゃダメ!
シャル:離せ、離せよ!森が…おいらの森が燃えているんだ!離せよ!


レティア:死にに行くようなものよ!絶対にダメ!
シャル:だって…森が…。クラハ!グロウ!!


クラハ:シャル…。レティアの言う通りだ。行ってはならん。
シャル:クラハ!?どこ?


レティア:シャル、貴方のお守りが…光ってる。
シャル:これ…クラハ?クラハなのか!?


クラハ:この守りには…私の身体が使われている…。
  私が消える前ならば、なんとか声を届けることが出来る。
  シャルよ、その者が調べた通り、森は静かに死に近づいていたのだ。
  私は森のあるじ…。森をこのまま死にゆかせることは出来ぬ。
  森は長い時間をかけ、生まれ変わるのだ。生きろ、シャル。
シャル:そんなこといったって…。森は燃えて…。


クラハ:これでよいのだ。生まれ変わるためには、朽ちた身体を捨てるしかない。
  そうして残った命が、新たに森をはぐくむ。
  前に言ったな。滅びが別れでは無い。私もまた、生まれ変わろう。
  長い時間がかかるであろうが…次にこの身に力が戻った時、
  お前と再び会えることを楽しみに、長い時を眠ろう。またいずれ…。
  しばしの別れだ、シャル。愛しい我が子よ。
シャル:クラハ…。そんな、いきなり…。待ってよ!待ってくれよ!
  おいらを一人にしないで。お願いだよ!なぁ、クラハ!クラハー!


クラハ:泣くな。シャル。いつでも…心はともにある。
  我ら親子に永遠の別れなど無い…。また…。
シャル:クラハぁぁぁぁぁ!



ユーリ:森は…クラハさんとはその後会えたの?
シャル:ううん。まだ、会えない。


ユーリ:そっか…。
シャル:けど、クラハはちゃんといたんだよ。


ユーリ:居た?
シャル:そうさ。森の焼け跡で、レティアが見つけれてくれたんだ。新しいクラハを。


ユーリ:新しいクラハさん?
シャル:そう。芽だよ。



レティア:シャルー、こっちこっち!見て!
シャル:ここ…、霊木のあった場所?


レティア:そうよ、ここを調べていて、燃えた木の根から見つけたの、ほら!
シャル:新しい…芽?


レティア:そうよ、クラハさんの生まれ変わりよ。この子が長い年月生きて、
  また前のような立派な木になるのよ。
シャル:これが…クラハ…。


レティア:うん。きっと今も、シャルともう一度お話が出来るのを楽しみにしながら
  生きているはずよ!
シャル:そっか!…なぁ、クラハはいつ、元に戻るんだ?


レティア:そうね。木になるにはとても長い年月がかかるの。
  でも、この子は精霊の森の霊木の生まれ変わり。きっと元気に、立派に育つわ。
シャル:そうだよな。クラハだもんな!…よっし、おいらも立派になる!
  クラハと今度話せるようになった時に、クラハをびっくりさせてやるんだ!
  おいら、いろんな世界を見てくる!それで、動くことのできないクラハに、
  いっぱいいっぱい、外の世界のこと、話して聞かせるんだ!
  …いつか、クラハともいっしょに外の世界を歩けるかなぁ…?


レティア:生まれ変わったクラハさんは、きっと前より強くなっているわ。
  一緒に歩けるわよ。
シャル:うん…!よし、そのときにクラハを案内出来るように、おいら世界を回る!
  ほんとは森に残りたいけど…、世界を知るべきってクラハに言われた。
  だから…レティア、クラハ、グロウ…。おいら、行くよ!
  きっとまた、帰ってくるから!…いってきます!


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


終わり








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