August 04, 2009

IRCAMのOpenmusicで2つの旋律をモーフィング

テーマ:コンピュータ音楽


IRCAMのOpenmusicで2つの旋律をモーフィングした実験をyoutubeにアップしました。

実験のために用意した旋律は一つは頭で考えたもの、もう一つはその旋律をOpenmusicを使ってInversionしオリジナルと同じピッチクラスにマッピングしているものです。
この2つの旋律のモチーフをモーフィングする実験です。
モーフィングとはある事象からある事象までを連続になるように間を補完しながら繋いでいく特殊効果で、コンピュータグラフィックスの世界でよく使われる技法です。下記のwikipediaの中に登場するシュワルツネッガーとジョージブッシュのモーフィングの絵を見ればどのような処理かが分かると思います。
morphingサンプル
http://en.wikipedia.org/wiki/Morphing
モーフィングの美学的に難しい点は、モーフィングを使ったと言わなければ中間段階の状態を見ただけで何が起きてるか知覚出来ない点です。ただし、開始点と到達点を強調することでその間で2点に関連する何かが起きていることを予測させることは可能だと思います。

音響のモーフィングとしてはIRCAMのDiphoneなどが有名ですが、MIDI領域でモーフィングを可能にするソフトも同じIRCAMのOpenmusicが有名です。
Openmusichttp://forumnet.ircam.fr/697.html?&L=1
Diphonehttp://forumnet.ircam.fr/703.html?&L=1

モーフィングを実行するオブジェクトはinterpol-profです。モーフィングの段階に加えて、BPF(ブレイクポイントファンクション)を利用してどの割合で旋律から旋律への補完を行うかを設定することが可能です。この映像でもBPFを試行錯誤して、意図しない旋律が出現しないように調整しています。


今回生成している旋律はベースラインとして利用しています。音源にはReaktorを使用しました。
映像は単なる実験であって、音楽作品ではありませんが、作曲に応用することも可能であると思われます。
このような実験的な試みは何もコンピュータ出現以降に始まった訳ではなく、中世ではよく数学が作曲に応用されていました。新ウィーン楽派の12音技法の変形ですら中世のカノンの変形を再発見したに過ぎません。バルトークで有名な黄金比もギョームデュファイの時代には既に作曲に応用されていました。

フェードイン、フェードアウト、クロスフェードなどテクノロジーが生んだ作曲技法と同様、モーフィングによるトランジション、トランスフォーメーション(変形)も作曲家のアイデア次第で大いに音楽作品で活用できるでしょう。

コメント欄は閉じてますが、ご意見ご感想はtwitterまでお願いします。
http://twitter.com/sinx_music

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