July 30, 2009
IRCAM Audiosculptで音脈分凝の実験 auditory streaming
テーマ:コンピュータ音楽
ircamの音響分析ソフトaudiosculptを用いて、通常の人間の脳内で行われる
音脈分凝を視覚的に行ってみました。コンピュータ音楽の世界でも複雑な音源から特定のパートを分離して書き出すことは容易ではありません。
人間が音脈分凝を行う際、ゲシュタルト心理学が大きな影響を与えているので、音響分析の結果から視覚的に音脈分凝を行ってみます。
ゲシュタルト心理学には次のような法則があります。
* 閉合の法則Law of Closure — The mind may experience elements it does not perceive through sensation, in order to complete a regular figure (that is, to increase regularity).
* 類同の法則Law of Similarity — The mind groups similar elements into collective entities or totalities. This similarity might depend on relationships of form, color, size, or brightness.
* 近接の法則 Law of Proximity — Spatial or temporal proximity of elements may induce the mind to perceive a collective or totality.
* 対称性の法則Law of Symmetry (Figure ground relationships)— Symmetrical images are perceived collectively, even in spite of distance.
* 連続の法則Law of Continuity
* 共通運命の法則Law of Common Fate — Elements with the same moving direction are perceived as a collective or unit.
これらを踏まえた上で、音響の部分音(パーシャル)を操作し、楽器ごとに音源の分離を試みました。
題材として選んだ楽曲はフォーレのレクイエムからサンクトゥス
オルガンの上に合唱が乗っていますが、この音源をオルガンの音源と合唱の音源に分離します。
audiosculptではフィルターを利用し、部分音の分離を行います。
オルガンと歌を比較すると歌にはピッチのゆれがあり、それらが共通運命のようなゲシュタルト効果を表しており、細かく見て行くと視覚的にも確認できます。(デモ映像ではかなり大雑把に部分音の編集をしています。)
近接の法則もここでは有効です。楽器ごとに音域が異なっているので、部分音を見分ける際の手助けになります。
結果がこの映像です。このオルガンの音色はあまり高次倍音を含まないので、部分音の編集を行いやすいと思われます。これが合唱ではなく、独唱であった場合さらに歌のパートの部分音を特定するのが容易になるでしょう。独唱でしたら、ヴィヴラートも共通運命の法則を元に容易に見つけ出すことができると思われます。
同じテーマの最新記事
- ループの自動切断/Audiosculp… 02月03日
- Audiosculptで彫刻のように音… 02月02日
- 音と色の関係 01月26日



