最近連日取り上げている厚生労働省が平成23年12月26日に出した心理的負荷による精神障害の認定基準についての通達は、パワハラやメンタルヘルスに関する極めて重要なものです。今後の職場での他の社員への接し方を再検討することが求められます。
今日は、業務による心理的負荷評価表について取り上げます。
心理的負荷評価表では、
まず、①一般的に平均的な心理的負荷の強度について具体的な出来事を例示しています。これは、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲのレベルがあります。
次に②個別具体的に心理的負荷の強度を「強」「中」「弱」と判断する具体例を列挙しています。
例えば、①一般的な心理的負荷の強度について、Ⅲと判断されれば、個別具体的な事例において、心理的負荷の強度が「強」と判断される可能性が高くなります。
以下、一般的な平均的な心理的負荷の強度の具体的な出来事についてみていきます。
⑴心理的負荷の強度Ⅲにあたる場合
これは、具体的な事例判断で心理的負荷の程度が「強」となりやすいので極めて慎重に対応する必要があります。
・業務について、重度の病気やけがをした
・業務に関し、重大な人身事故、重大事故を起こした
・会社の経営に影響するなどの重大な仕事上のミスをした
・退職を強要された
・ひどいいやがらせ、いじめ、または暴行を受けた
⑵心理的負荷の強度Ⅱにあたる場合
これは、具体的な事案の判断について、心理的な強度が「強」にも「中」にも「弱」にも判断される場合です。
・悲惨な事故や災害の体験、目撃をした
・会社で起きた事故事件について責任を問われた
・自分の関係する仕事で会社に多額の損失等が生じた
・業務に関して違法行為を強要された
・達成困難なノルマが課された
・ノルマが達成できなかった
・新規事業の担当になった、会社の立て直しの担当になった
・顧客や取引先から無理な注文を受けた
・顧客や取引先からクレームを受けた
・仕事内容・仕事量の大きな変化を感じさせる出来事があった
・1か月に80時間j以上の時間外労働を行った
・2週間以上にわたって連続勤務を行った
・配置転換があった
・転勤をした
・複数名で担当していた業務を一人で担当することになった
・非正規社員であるとの理由により、仕事上の差別、不利益取り扱いを受けた
・上司とのトラブルがあった
・部下とのトラブルがあった
・セクシャルハラスメントを受けた
いかがでしょうか。職場でよくあることが心理的負荷の強度Ⅱに列挙されています。何か対策を講じないと精神障害に関して労災認定をされる場合が高くなってしまいます。
私としては、社員一人に過大な重い責任を一人で抱え込ませないことが必要だと思います。責任を個人ではなくチームで分け合うこと、重大なミスが生じた場合に会社全体に関することとらえチーム全体でフォローすることが必要になってくると思います。
⑶心理的負荷の程度がⅠと判断される場合
この場合は、具体的な事案でも心理的負荷の強度が「弱」になると判断されることが極めて多くなります。よほど具体的事案において特別なことが生じない限り、労災の対象になることはありません。
・大きな説明会や公式の場での発表を強いられた
・上司が不在になりその代行を任された
・勤務形態に変化があった
・仕事のペース活動に変化があった
・自分の昇格昇進があった
・部下が減った
・早期退職制度のたいしょうになった
・非正規社員である自分の契約満了が迫った
・理解してくれていた人の変動があった
・上司が変わった
・同僚等の昇格昇進があり昇進で先を越された
いかがでしょうか?本当に会社内部でよくあることが列挙されています。個人的には、本当に精神障害の原因になるのか疑わしいものも含まれています。ただ、これらの場合であっても、極めて特別な事情があれば、精神障害の原因になり労災の対象になりえますので、注意が必要です。
では、これら具体的な出来事が重なった場合は、どのように判断されるのでしょうか?
実は、ここにも、
今度の心理的負荷による精神障害の認定基準について
を理解するうえで、注意しなければならないポイントがあります。
詳しくは、次回のプログで説明します。