レプリカベロニカと客演さん。 | 広田あきほの あきほ新聞(日記編)

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さぼりがちなブログです。

さてさて。

レプリカベロニカ マークⅡ、来月が本番です!

あれ、来月の今ごろは、もう公演が終わってます…

あれま!!

初日まで一か月切ってます!

 

 

 

公演のご案内を渡すと、

だいたい、

「レプリカベロニカ………って、なに?」

って言われます。

”とりあえず口に出しておきたい作品名”過去ナンバーワンでしょうかね(笑)。

この謎は是非ぜひ、公演を見に来ていただいて、

その正体から知っていただきたいです。

 

マークⅡはですね。

マークⅠがあるのではないのですが、

実は初演の「レプリカベロニカ」は、

我々前方公演墳には前墳バックドロップスというもう一つの姉妹劇団がありまして。

いつも、こっちに出るよー、こっちには出ないよーと表示しているやつです。

たまに両方出るよー、のやつです。

(ちなみに今回は合同なので、全部出るよー、のやつです。全ステージがオールキャスト。お日にち・曜日選び放題!逃がさんぞ!のやつです。)

その前墳バックドロップスの初の単独公演の為に、

デビッド宮原氏が、数年前に描き下ろした作品でして。

 

これを今回、再演?するにあたって、

あのバックドロップスの個性ぎっしりな作品が、どうなるのかしら…、と

一抹の不安はあったわけなのですが…

フタを開けてみましたら…

再演じゃないです。

作家本人も言ってました、

「こりゃ新作だな。」と。

 

キャストを一新し、客演さんも加入した状態で、

最初の1ページ目から、完全に書き直しておりまして…

確かに、初演の面影はどこへやら…

そして広田の演じる役は、ありがたいことに、

やっぱりデビさんの描く”広田あきほが演じる役”でした。

 

私は広田あきほの職人にならなきゃいけないんだな、という覚悟をもって臨みます(笑)。

 

そして、前方公演墳のキャストそれぞれが、

本当に本当に、新しいレプリカベロニカを作っているところで、

それはそれは、時折歴史を感じたり、経験ゆえの豊かさを感じたり…

根性、も、感じるなあ、いや、意地か。かっこいいぞ、うん。

歳を重ねた前方公演墳は大きな柱を何本も隠し持っている劇団になりました。

私達の進んできた道はこれです!と堂々と言える作品に近づいております。

ぜひ、ココにいる私達から、何かを感じてほしいです。

 

なおかつ。

今回は初めて、客演の俳優さんを外部からお招きしております!!

つくづく感じているのは、

新しい出会いって良い意味で1+1じゃないんだよなーと。

そりゃそうです。

その人の歴史があって。いろんな彩りを抱えていて。

そのうちのどれを見せてもらっているかなんて、少ない期間に全部なんか知りえなくて。

なんというか。まざるわけでもないわけで。でも加わるっていうのもおこがましくて。

今、この時期に新しい方々と前方公演墳が出会えて関われている事が、

とてもとても私は嬉しいです。

 

せっかくなので、少しだけ勝手にご紹介を。

演技のことなんてまるで偉そうなので、そこはワクワク想像していただいて、

できるだけお人柄に触れるご紹介を心掛けますね。

 

谷口洋行さん。

この方はですねー、

実は、私がなんと15年前(←ひーー!!)に、

窪田あつこさんの劇団に客演した時に、ご一緒させていただいていた俳優さんで。

現在、知る人ぞ知る、NHK・Eテレ「ストレッチマンV」(毎週木曜・朝9時)という番組で、

ストレッチマングリーンというキャラクターで出演中!!

いい声してます。麒麟です、って言わせたい俳優さんです。

実は私がこの劇団前方公演墳に復帰した「宇宙人来る」という公演の時にですね、

たしか公演案内のダイレクトメールを谷口さんに送ったのですが、

あいにくお引越されていて、あて所なしで戻ってきまして。

メールも届かなくなりまして。

あら、私ったら何かやらかしたかしら、ダイレクトメールがうざくて、

そろそろもうアイツのお手紙いらねーわ、って意味で今がチャンスとばかりに連絡途絶えたのかしら、

と、かなり深く心を痛めていたところ。(←言うよね。)

本番を迎えたある日。

そそくさと楽屋に戻っていたら、

「あきほさん、ロビーでお客様がお待ちなんですが…」と声をかけられまして。

何?出待ち???いきなり?やーもーやーもー、と髪の毛を整えるフリをしながら

喜んでいそいそ出て行ったら、そう、そこにシュッとまっすぐ佇んでいたのは谷口さんでした。

本当に驚きまして。

「復帰、おめでとうございます。」

直角に頭を下げられまして。

あれは痺れましたー。

復帰作を、何で知ってくれていたのか伺うと、

まさに、これ、このブログだったそうな。

ネット社会、すげーなーーーって、感心感心、

…してる場合じゃなくて、

元々前方公演墳は何度も見に来てくださっていたので、

前方公演墳の何かの情報からこの私のブログを見つけてくださったのかもしれないです。

急に何の予告もなく、黙って見に来てくださっていた、との事でした。

嬉しかった。YouTubeに出てくる外国人の子供なみに泣いて喜ぶべきでした。

この復帰祝いは忘れません、ありがとうございました。

その律儀で誠実なお人柄がね、きっときっと、

今回の舞台でも伝わると思います。

でももしかしたら、見たことのない谷口さんが見れるのかもしれません。

前方公演墳ですからね、そこは、ちょっとおそろしい巣にハマったかもしれないですよ(笑)。

是非ぜひ、楽しみにしていただきたいです。

 

そしてそして。

津田恭佑さん。

彼は、映画「セブンガールズ」のオーディションで選ばれた若手の!若手の!

そう私達の欲しくてたまらない響き、「若手の!」俳優さんです。

もちろん映画の撮影でも一緒だったので、

もうすっかり劇団員とはなじみまくっておりまして。

彼がすごいのは、

何も足さない、何も引かない。キューピーマヨネーズ方式を貫く強靭なハート。

私は彼ぐらいの年齢のとき、

もっともっと、いろんな意味で飾ろうとしてた。

特に演じることに関して、重ね着どころか、その服の布地までもパッチワークしてツギハギしようとしてましたよ(笑)。

もっともっと自分に怯えていたし、もっともっと守ろうとして逆に外側に向かってギラギラしてた。

なのに彼は…彼って人は…。

前方公演墳が一部、見失いかけていた、いろんな意味での「マイウェイとは」みたいなもの、教えてもらえます。今~船出が~…♪

…って、この歌がわからないくらい若いです。

デビさんの台本が、まったく新しいものになる瞬間。

誰も変えられなかった波を持ってます。それは決して大きな波じゃないんだけど。

微妙なのに破壊力があるというか…。

マイウェイがないとできないよ、あれは。リスペクトです。

その発見を稽古場でとても大切にさせてもらってます。

強さって何?若さだけじゃないです、彼。

 

そしてそして。

最後のもう一人。

冨澤十万喜さん。お名前、「とまき」さんとお読みするそうです。

この方は、ご自身で劇団「BIG MOUTH CHICKEN」を主宰されてまして、脚本や演出をするばかりかもちろん俳優やアクション指導なんかもされていて、その多才っぷりたるや。

あのですねーー、この方も、何やらいろいろ実は私の共通の知り合いがつながっている俳優さんでした。

そのせいか、という訳ではないのですが。

何故か理由もなく懐かしい。今まで知っていた人のような気にさせてくれる俳優さんです。

それはね、とても演劇というステージや環境や稽古場を愛しているところが。

姿勢みたいなものとか、ソウルというか。

自分がすぐ近くの隣りの畑を耕して生きているような気になる。

汗ふきながら、「そちらの収穫、いかがですかね?」的な(笑)。

もちろん、持ってる肥料は全然違いますよ。技術も体力も、蒔いてる種の種類もたぶん違います。

でも、

もしかしたら、いろんな経験で、私が諦めたのか試行錯誤しすぎたのか、枯らしてしまったその何かの花や農作物をね、

そのまま大切に育ててくれてる人なんじゃないか、と畑を覗き見しながら、期待しそうになります。

そう、勝手に。こっそり。(いつか盗んでやろうか、と。)

それは単純に、武器として、高い身体能力を持っていらっしゃる事も含めて。

私、何か持ってるのか?演劇続けたいんだったら、長年やってるけど、おまえさん武器あんのかい、と、自分のお尻をバババーンと叩きたくなります。イテテテーと逃げたくなります。

なつかしくて新しい出会いです。ありがとうございます。

ここでもう一度自分の田植えから見直せたら、私、かっこいい。変わりたい。

 

と、このお三方、それぞれに、私は感謝の想いがやみませんのです。

ほんとに。

こんなの書くと責められそうですね。

プレッシャーかけないでくださいよ、と。

まあ、そのとおりなんで、宜しくお願いいたします(笑)。

 

この、味の濃い前方公演墳に、さらに味の濃いスパイス、喧嘩売ってんのか、ぐらい暴れてほしいです。

我々の歴史、浅そうに見えて、深いんだぜ。…って言葉で言っちゃう時点では浅いんだぜ(笑)。

この新しい試み、生まれ変わった作品。結果どのような物語に仕上がるのか。

前方公演墳を長年応援してくださる方も、今回が始めての方も、

皆様が楽しんで喜んで帰っていただける作品を。

どっぷり浸かりすぎず冷静な気持ちも持ちつつ、

作品の内部こそ繊細に繊細に磨いて本番を迎えたいです。

内側の磨き甲斐のある作品です。

大好きな作品です。

 

 

どうやら今年は私にとっては振り返る年です。

振り返って整頓して前を向く年です。

今あること、今まであったこと。からの、今ここからの自分はどうしたい??

…実は、「どうしたい?」って聞かれるのが、いつも苦手な私です。

「なんでもいいよ」って答えて生きることに、どこかきっと、ラクをしてここまで来ました。

でも演劇だけは、「やりたい」と、皆にウザいくらい意志表示して選んできたことなんだって、

しみじみ思っています。

 

唯一の自己主張。この道のりをこれからも信じます。

 

この勝手な自己主張が、いつか誰かのチカラになってしまいますように。

 

張り切って進みます。ゴー!私!

 

 

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劇団前方公演墳 次回公演:

レプリカベロニカ マークⅡ 

下北沢小劇場B1にて。

6月14日(水) 19:00
6月15日(木) 19:00
6月16日(金) 19:00
6月17日(土) 14:00/18:00
6月18日(日) 13:00/17:00

前売券:3500円 当日券:4000円(全席自由、日時指定)

チケット発売中!!

http://zenpou.net/modules/news/article.php?storyid=209