開票結果の本筋以外で振り回されたAKB48選抜総選挙が終わった。

開票イベントが荒天で中止になり、初の無観客総選挙と大々的に報道。
梅雨時期の野外開催だっただけに、これはある程度想定していたが、ド級はやはり、NMB48の須藤凛々花の結婚宣言だ。

哲学書を読みあさる彼女から発せられた「結婚します」との言葉。
最初は「また始まったか」くらいの気持ちで、何か意味のあるメッセージの前触れか、ファンと結婚したいくらい感謝しているという意味かと解釈したが、様子がおかしい。

よどみなくしゃべる彼女がいつになく動揺していた。
「相手がいます」。
瞬く間に会場がざわつき、メンバーからは「キャー!」と悲鳴が上がった。

現役アイドルから飛び出したまさかのワードにのけぞった。
関係者を取り囲んで事実確認に奔走し、予定した紙面構成も急きょ変わり、大わらわ。
想定外のことに対応するのは慣れているが、開票結果以外のことでこうなったのは珍しい。

さらに翌日、那覇空港で東京に向かう須藤を直撃すると、目に飛び込んできたのは「DAMN」(『くそったれ』などの意味)のTシャツの文字。
狙っているのか、そうでないのか、絶妙な服のチョイスに報道陣も苦笑した。
Tシャツの“正体”は、米ラッパー、ケンドリック・ラマーのグッズ。
もともと人気商品だったが、“須藤効果”でネット通販で在庫切れが続出しているそう。
もう、意味がわからない。

今年は柏木由紀や山本彩も出馬を辞退し、一般読者向けに新聞紙面で取り上げるべき注目メンバーがどんどん減り、ネタ切れだと思っていたが、蓋を開けてみればいくつもの大波乱。
“PR効果”は抜群だっただろう。

須藤に身銭を切って投票したファンは一体、何だったのか。
とはいえ、彼女はアイドルである前に人間だ。
商品ではあるが感情がある。
人を好きになることは不思議ではない。
結婚自体を否定するつもりはない。
ただ、自分の職業に一般的に求められている姿勢をどう考えているのだろうか。

今後、会見を開くという。
「結婚」とはいえ、本当に具体的な計画があるのか、実は願望だけを口走ったのか、今はまだわからない。
哲学者を目指す炎上キャラの彼女のことだから、その釈明も規格外かもしれない。
(R)