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子供のころ、宿題の計画表通りに宿題をしていた人はどれくらいいるのでしょうか?
真面目に宿題をこなすのは、1クラス30名だったら、2割~3割くらいだったかと思います。
大人になってから、税理士試験の際も、専門学校で学習計画表が配布され、宿題が出されました。
そのうち、宿題を真面目にきっちりこなすのは、やはり3割くらいでした。
計画を立てて実行するとそれだけで、人間の能力は120%引き出されます。
計画を作るのにも、負荷がかかり、実行するのには、さらに負荷がかかるからです。
計画は100%実行できなくても、目標達成にむけた努力が120%できれば、いつかは必ず結果がついてきます。
 
ただ、多くの会社では、こうした点が認識されていないようです。
経営計画というと、発表会の場で経営理念についてしゃべるだけで、聞く側になんのメリットももたらさないですとか、メイン銀行に融資のために仕方なく単年度と中期の事業計画を提出しなければならないですとか、そうした感じで受け止められているようです。
あるいは、経営計画は実績とずれるものだから、作っても意味がないですとか、
未来の数字は当たるわけがないですとか、といったお話しもよく耳にします。
 
それでも経営計画がこの世に存在するのは、なぜでしょうか?
 
その理由は、計画づくり、改善にあたり情報を総動員するからだと思います。
計画を作る段階で、自社の財務諸表から必要な情報をまずは読み取る必要があります。さらに、自社の置かれた外部環境の分析も必要です。
「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」(孫子)にも書かれているように、
自社を知り、ライバルや市場の動向を知ることで、課題を抽出し、解決に向けた努力をすることで、会社の力がアップします。
情報を総動員し、それを定期的に評価、改善することで、経営計画の発表は単に会社の経営理念を示すだけのものにとどまらず、社員の実行レベルまで浸透します。そうした社員の実行レベルまで浸透させるのが、MAS監査です。
 
 
 
 
 
では、経営計画を実行レベルまで浸透させるプロセスについて確認してみましょう。
流れは以下のような感じです。
①自社の財務諸表を読む目を養う。
②自社の強味を活かした戦略を立てる。
③自社の計画を立てる。
④自社の社員と共有する。
⑤毎月達成管理する。
 
①自社の財務諸表を読む目を養う。
 
決算書には、会社の財政状態を表す貸借対照表ともうけを表す損益計算書があります。
両方に共通するのは、複数年の比較をしてみることです。
税務調査の場合、売上は上昇しているが、利益は減っている会社に注目します。
金融機関も複数年の比較は行います。比較を通じて、変動の幅の大きなものの理由をしっかり説明できるようにしておくことが必要です。
複数年の比較をする項目としては、
(貸借対照表)
資産の部合計、負債の部合計、純資産の部合計
主要な勘定科目(現預金、売掛金、投資その他の資産、買掛金、借入金等)の金額
(損益計算書)
売上高、売上利益、営業利益、経常利益
売上原価(特に期末の在庫)、販売費及び一般管理費のうち主要な科目
といった項目があります。
また、こうしたやや専門的な視点ではなく、もっと直感的な視点で毎月の売上の推移をグラフで確認し、この月はどうして売上が伸びたのか、来月はどう推移するのかを検討するという経営者の方もいます。
 
 
②自社の強味を活かした戦略を立てる
名刺交換をしている際に、「あなたの会社の強味は何ですか?」とよく聞きます。
個人でWEBマーケティングのコンサルをやっている方だと、「対話力」という答えが返ってきたりします。工場でものを作っている方だと、「納期の正確さと製品の品質の高さ」という答えが返ってきたりします。
こうした自社の強味を振り返るツールとして、商品ライフサイクルというものがあります。
人の一生に誕生→成長→成熟→衰退があるように、商品にも、ライフサイクルがあります。そして市場も新興市場(ブルーオーシャン)と成熟市場(レッドオーシャン)があり、新規の商品を新興市場に投入するのか、成熟市場に投入するのか、成熟した商品を新興市場に投入するのか、成熟市場に投入するのか、を分析することで、自社の強味を活かした戦略が立てられるようになります。
 
③自社の計画を立てる。
計画には、単年度と中期の2つは欲しいところです。メイン銀行からもその二つを出してくれるように頼まれた経験を持つ方もこのブログをお読みの方のなかにはいるかもしれません。
ただ、銀行に頼まれる前に、計画をつくっておくことにこしたことはありません。
 
売上計画
財務諸表から過去の推移を把握し、自社の強味を分析したうえで、達成可能な目標を立てます。私の実務経験上、背伸びすれば届くらいがいいと思います。ジャンプして届くくらいの強気すぎる計画を立てると、実績との落差が大きくなり、計画の数字が重荷になりがちです。強きの計画を立てるにしても、背伸びして届くくらいなら、それを毎月、評価、改善し、具体的な行動計画に反映させることも可能です。現場では、常に仕事が掛け持ちだったりして計画を立てて目標を設定しても、目標値が高すぎると、負荷がかかりすぎてしまいかねません。
 
経費計画
 
本当に必要な経費なのか?無駄な経費はないのか?を問いかけることは、かなり勇気のいることだと思います。
経費が無駄かどうかは、過去の財務諸表の数字を追うだけではわかりません。
社内、社外での人間関係が影を落とすこともよくあるからです。社内であれば、経営者の親族が役員の場合、実力や勤務時間に見合わないと思われる高額な役員報酬を支払っている場合もあります。社外であれば、長年の付き合いから、高いとわかっていても他社より、高額な材料費を払っている場合もあります。
最近、売れている本に「嫌われる勇気」という本がありますが、経費計画をきっちり立てようと思ったら、まさにこうした勇気が必要となります。
 
投資計画
 
最近、ものづくり補助金の申請をされる方がよくいます。投資計画には、資金調達のための補助金や借入計画、定期・定積の計画とセットです。
ただ、怖いのは建物です。建物の場合、借入金の返済期間も長いですし、投資が回収されるまでの期間も長いです。その間に、業績を落とし資金繰りに苦しむ会社もあります。また役員借入金をもととして建物を購入し、借入金がそのまま相続財産として相続税の課税対象になることもあります。
財務諸表より資金繰りの状態を把握し、自社の強味を分析することに加え、投資回収にあたり、キャッシュフローの予測を立てることが必要となります。
 
④自社の社員と共有する。
①②③を通じて経営計画が出来たら、あとはそれをいかにみんなで共有するかです。
共有の仕方としては、経営計画の発表会や経営会議、個別の対応があります。
経営計画の発表会が経営方針や経営理念といった方向付けであるのに対し、
経営会議は具体的に会社の課題を解決する場として機能します。
経営計画が作戦だとすれば、経営会議は軍議の場です。
社長が将軍だとすれば、会計事務所は軍師、といった感じかもしれません。
実際に経営会議を開くと、「会社ができてはじめてこうした話(経営課題)ができた。」という声も聞き、非常に好評です。会議を自分たちでやっている会社もありますが、第3者である会計事務所が入ったほうが、議論が整理されやすく、課題解決に向けた方策がはっきりします。
会計事務所に会議の運営ができるのは、①②③のプロセスを踏み、数字が読め、会社の強味を把握し、計画作成までのサポートができるからです。
会議は開けばよいというものではありません。こうしたプロセスを踏み、PDSサイクルを回すという前提のもとで行ってはじめて意味のあるものとなります。
また計画を実行するには、最終的に個人の行動が伴うことが必要です。
そのためには、クレドカードを活用した経営理念の共有や、個別の面談なども行う必要があります。ある会社では、新人が入社した際、新人に頻繁に声をかける上司とかけない上司とでは、離職率や業績に大きな違いが出たそうです。経営者の方が頻繁に声をかけるだけでも、計画の実行の度合いは異なります。
 
 
 
 
⑤毎月達成管理する。
MAS監査の真価は、やはりここだと思います。毎月、数字と行動計画のずれを実績と対比させることで、目標達成に何が必要かを会社みづからに考え、改善策を実行していただきます。
そうすることで、情報を総動員してつくった計画が、会社の力を120%引き出すこととなります。
 
子供のころは宿題を真面目にしなくても進級できたものでした。
ただ、会社の経営計画の場合、社員の生活もかかっています。
いかに社員の生活を守るかは多くの経営者が常に問題意識をもっているところだと思います。
そのため、今、経営計画に真面目に取り組んでいます。
 
ここまでお読みくださり、どうもありがとうございます。
 
E-mail:tadao@tkcnf.or.jp
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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