銀二貫　あらすじネタバレ　第３話（３回）「ふたつの道」①

手代の松七と丁稚の竹吉が井川屋から夜逃げして、

残された、松吉（林遣都）と梅吉（尾上寛之）はてんてこ舞いの忙しさ。

その上、女衆のお里（いしのようこ）までも、義理の父が亡くなったので、暫く留守をする事となる。

だが、女衆を一人雇い入れるにも賃金がかかるのだが…番頭の善次郎（塩見三省）が、

「この中の誰かが、掃除、洗濯、料理が出来たら、メシ代一人分助かるんですけどなぁ～」と言い出して、

お里は「どこまでケチやねん！」と言い捨てる。

寒天は、浮舟との事があってからというもの売れにくくなり、これまで取り引きのあった店からまで、取り引きを断られるようになる始末。

善次郎は、倹約をますます極める。

そんな中でも井川屋の寒天の味をわかっている嘉平（ほっしゃん。）だけは、新しく始めた料理屋に、

井川屋の寒天を仕入れてくれていた。

しかし、その嘉平の店も味は良いのだが、開店して間もないせいか客足は乏しく、商売はまだまだ軌道には乗っていない。

松吉と梅吉は二人揃ってソロバンが苦手で、取引き先にお届けする寒天の数を間違えては、取引き先を怒らせ、

挙句には取り引きを断られるという不手際もあり、

二人とも「商人に向いていないのではないか？」と自信を無くしていた。

お月さんを掴んで見せてくれた松吉に、嘉平の一人娘の真帆（芦田愛菜）は、淡い気持ちを寄せており、

嘉平の店、真帆屋でいつも、松吉がやって来るのを心待ちにしていた。

嘉平はそんな真帆の気持ちを察して、松吉が来た時には天神橋のあたりまで送って行く事を許していた。

真帆は、松吉を送って行く時の会話で松吉が天涯孤独の身の上である事を知ると悲しくなって涙を零す。

そんなある日の夕方、松吉、梅吉、番頭の３人が井川屋へ帰って来ると、台所が荒れ果ててとんでもない事になっていた。

番頭と松吉、梅吉らは、それが新しい女衆の仕業と思うが、和助に聞いても、名前さえわからず、

数日たっても誰も姿を見た者はおらず、作る料理は寒天を使ったものばかりと、とても不思議な人だった。

松吉は未だに寒天が苦手で、どうにも食べられずにいた。

伏見に修業に出されていた時に嗅いだ鼻につく匂いが蘇ってくるからだ。

真帆屋で、松吉は、もう３日続けて食事に寒天が続いている事を話す。

「けど寒天やったら腹いっぱい食えるやろ。なんぼでもあるねんさかい」と嘉平は言うが、

寒天が食べられず、実のところは絶食状態が続いていた松吉は、この後、荷物を担いで引き揚げようとした時に、

倒れてしまう。

松吉は、嘉平に店の中に運ばれて布団に寝かされるが、

寝言で昔の夢を見て「松吉！」と呼びかける真帆に

「松吉ではない！私は鶴之助だ！」とうわ言で答える。

意識を取り戻した松吉に真帆は自分が作ったというお粥を持って来て食べさせてくれようとする。

「はい。あーん」と言いながら松吉の口にお粥を運ぼうとする真帆だが、

恥ずかしくて俯いたきりの松吉。

そこへ嘉平がやってきて

「松吉、食わんでええ。それな、こいつが作ったんや。わてが作ったる言うても、うちが作るんや言うて、いっこも聞かへん。

それがまあ味見したら塩辛い、塩辛い」

それを聞いて松吉は真帆の好意を無には出来ないと自分で手に取り食べる。

確かに嘉平の言うように塩辛かったが、松吉は全部たいらげた。

それを嬉しそうに見つめる真帆。

「ごちそうになりもうした」

「お粗末でありもうした」

嘉平が笑いながらお茶を取りに行ってくれた。

「よっぽどお腹すいてたんやな。寒天じゃ腹ふくらまんか」と言う真帆に、

「実は…寒天、食えんのです」と打ち明ける松吉。

「そやから思うんだす。私は商人に向いてないんやないかなって」

この時の会話から真帆は松吉が昔、鶴之助という名前のお侍の子供であった事を知る。

また嘉平も、この二人のやり取りを板場で聞いていた。

その日の夕方、番頭は天秤ばかりにお金を置きながら「いかん！このままやったら天神さんに銀二貫、寄進するどころか、

井川屋、潰れてしまう」と嘆いていた。

そこへ帰って来た松吉は番頭に

「うちは寒天問屋だす！油売っても一文にもなりまへんで！」と怒られる。

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