白夜行 (集英社文庫)/集英社
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久々のレビューですね。


最近ちょっとはまり気味の東野圭吾。

あんまりこういう、日本のベストセラー小説って好きじゃなかったけど、


さくっと読めるわけじゃないけど読みやすい、

ある程度の分量があって、

ハッピーエンドじゃない、・・・


ちょっと・・・というか、かなり落ち込むことがあったときにはちょうどいい。


19年前、大阪で起きた質屋殺し。迷宮入りし、その被害者の息子亮司 と一時容疑者と疑われた女の娘 雪穂の物語。


この2人の心情が一切語られることはない、ということが最大の特徴。

そういや、ガリレオシリーズにしたってそうですね。


それによって、読者がそれぞれ・・・勝手にその人物に思いを馳せる、というのがなかなか好き。


亮司と雪穂の関係は、なかなか明らかにされません。

本当に最後の最後、えっ、残り数十ページもありませんけど、というところになってからようやく。


誰が犯人だったのか、

それは大体の想像がつきますが


まさか、動機がこういうものだったとは・・・・・・・・・・。


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その次に読んだ、『手紙』。


手紙 (文春文庫)/文藝春秋
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完成度の高さからすれば、断然『白夜行』のほうが上です。


ただし、『手紙』の設定はかなりいいと思う。


まず、加害者家族にスポットを当てる、というところがね。


強盗殺人を犯した兄を持つ、弟の物語。

音楽も、恋人も、進学も就職も・・・・何もかもあきらめなくてはならない。


少なくとも救いは、この兄弟の親がすでに死んでいたこと?

いや、でも、生きていたら、こんな殺人起きなかったか・・・・


殺人の動機も、そもそも殺すつもりなんかなくて

どうしても弟を大学に行かせたかったから、そのお金が欲しくてというもの。


そんな理由で人を殺されちゃ、弟だって自分を責めるよね・・・・。


妙に現実味のある展開を迎え、

偶然自分も被害者になり、

成長していく弟の姿。


構成的にもよくできているんじゃないかと思うけど、最後の手紙の個所とかね

ちょっとやりすぎなんじゃないかな~~~というところだけ、気になりました。


もう、映像化したらどうなるのかが目に見えているというか

あまりにも、作者がこの場面で気合を入れすぎて

「はいはい、ここ、泣く場面ですよ~~~♪」

という匂いがぷんぷんしちゃう。


と言っても、結構好きでした。


ある意味、差別、されなきゃいけない、ってこともあるのかもね・・・・・・・。



幻夜 (集英社文庫 (ひ15-7))/集英社
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『白夜行』の続編的作品???らしい、この作品。

読んでみたいと思います。


私、きっと余韻が残る作品が好きなんですね。

タイプは違うけど、モーパッサンの『宝石』や『首飾り』、カズオ・イシグロの『日の名残り』『わたしを離さないで』、そして、松本清張『砂の器』あたり。


あ~分かる、という方がもしいらっしゃったら、お勧め教えてください^^ って、いるかな(笑)