2005-08-02 06:59:00

新・惨事郎 ’05 夏 (下) ~隠し球でアウト編~

テーマ:童貞力学特論

はー、書きます。

ペイペーイ。



・・・

いよいよ日曜です。

この日は、一日かけて琉球の風景についてのレポートをするつもりでしたが、まずこの課題に全くもって興味を抱く事ができなかったために、一向に進みません。そして気持ちの隙をついて、ふと例のエイドリアソさんの事を考えてしまいます。

そういえば昨日の、鴨川沿いを二人で歩いてる時の、

「何のレポート書いてるんですか?」
「琉球についてなんですけど、あんまし興味持てなくて、全然進まないです」
「へー、私、昔沖縄にしばらく住んでた事ありましたよ」

という会話をふと思い出しました。
澄んだ海辺と、ひたすらに青くぬけた空の間に立つエイドリアソの姿を想像し、一人、うむ、似合っとると感心しました。


今思えば、これも一つの重要な布石だったのですが、聞いた時にはそのような事は微塵も気付く術もありません。


さて、レポートもやる気しないし、立ったり座ったり、そわそわと家で過ごしていると、ケイタイがブルブルと震えました。
エイドリアソです。


・「今日ほんとにお願いしても良いんですか?すごい雨ですけど。。。一応5:50くらいに抜けようかと思ってます」


自分は快諾の旨を返信しました。普段使ってるような2ちゃんねらークサイ顔文字は勿論一切使わずに。

彼女の今日の予定はこうです。
本来ならば、6:10までのスクーリング@造形大ですが、香川の高松までの高速バスの出発時刻は6:50分。従って、電車とバスで京都駅まで向かう事を想定すると、せめて一時間弱くらい前には造形大を後にしなければなりません。車なら、30分くらいで着くと思いますが、この日は雨で、しかも時間帯も時間帯なので、余裕をもって六時前には出発しようという事になったのです。


以前自分がSAをした時のように、今回も講義を早ぬけして駆けてくる彼女を、今回は迎えに行く事ができるのです。


家でそわそわしている内に、5時になりました。
自分は若干焦りつつ、颯爽とブーブで出発しました。
車内BGMは、今日外との天気とは対照的に、gladstone and anderson 。ラウンジーなピアノとかが入っちゃってるオサレレゲエです。


約束の時間には絶対間に合うのですが、若干急ぎ目に車を走らせました。これには理由があります。
造形大の前には、GRANDIRというおいしいパン屋さんがあります。ここの菓子パンは本当においしいので、是非エイドリアソに食べてもらいたかったのです。しかも、午後からずっと講義を受けてそのまま帰る訳ですから、きっと疲れてるはずだし、お腹もすいている事でしょう。
自分は最大限紳士的思考を働かせました。普段は変態的思考が8割を占めるため、これにはかなりの精神的HP(ヒットポイント)を要しました。

5:30分にはもう造形大前に着いてしまったので、予定通り、甘いパンと、午後の紅茶を買って、しばらくあの時代錯誤の神殿校舎の階段に座りながら彼女が出てくるのを待ちました。

6:00前くらいになって、そろそろかな、と思って上を見ると、大きな荷物と今日作ったと思われる模型を持った彼女の姿を認める事ができました。自分は急いで階段を駆け上がって、華奢な体から提げた旅行カバンを奪いました。


「ありがとう、ほんと申し訳ないけど、宜しくお願いします。時間、大丈夫ですかね?」

「うん、意外と道も混んでなかったし、全然大丈夫ですよ。」



などと、およそ普段変態を常態としている自分はくさいくさいニセジェントルマソに変貌しました。

ここからは、比較的ゆっくりのんびり、ブーブの中での時間を過ごしました。先程買っておいたパンも、エイドリアソは喜んでくれたようで、自分の虚栄心も満たされました。駅までの途中の会話は、これまた自然な感じで、今日のスクーリングのこと、信号待ちの間にちらっと見えた京大石垣カフェのこと、鴨川の上流のほうの雰囲気の事、その他、何でもない事ばかりでしたが、自分にとってはそれがとても嬉しい事でありました。お互い、今から彼女が帰ってしまう事は敢えて口にしません。

運転中だったのでチラリとしか見れないエイドリアソでしたが、柔らかさに溢れたくちびると、その上にある小さなほくろ、大きいけどどこか眠そうな目元は、自分にとって強烈なアッピールで、いつ事故ってもおかしくはありませんでした。





さて、ここからがアレです。




「そういえば、前ふと思ったんですけど、どうして広島出身で今香川に住んでるんですか?」



勿論、この質問には、例えば就職の関係で、とか、家族の関係で、等の答えが軽く返ってくるものであると自分は予測していました。


今では、何でこんな質問してしまったのかと、ただ後悔の渦の中を漂うのみです。もう少し、数日後の自分に気を使って、こんな事聞かなけりゃ良かったのに。



彼女は、それまでの会話と同じように、自然かつ明るい口調で答えました。









「今、彼と住んでるんです。」










ブフォッ!!!キキィー、ガッシャーーーァン!!!!!!

三流ドラマだったらここで車を急停止、追突事故。
コントだったら口に含んだ牛乳を相手の顔に噴射。
言葉で28G(重力の28倍)くらいの衝撃を受けたのは初めてです。
スペースシャトルの乗組員ですら、これだけのGに遭遇するのは稀でしょう。一瞬圧死するかと思いました。否、実際心は圧死してました。それはもうピョン吉みたいにぺっしゃんこ。




エイドリアソの彼は、一時は沖縄で大工の修行して、今では香川で就職しているそうです。
彼氏いるってのは最初に言われたから知ってたけど、同棲してるとはね。



この時自分の頭の中では、
今まで彼女の口からでた話の断片が、一気にパズルよろしく一枚の情景とストーリーを描き出します。
沖縄に一、二年住んでいたというのはきっと彼と住んでいたのです。
自分が家で夢想した、澄んだ海辺とひたすらに青くぬけた空の間に立つエイドリアソの姿の隣には、ムキムキマッチョな(あくまで想像)一人のイケメソ男性も、立っていたのです。




ただ、それを聞いて露骨に態度を変え、怪訝な顔になれないのは、自分の欠点です。平静を装って、自分は言います。

「へー、そうなんですか。何だか、楽しそうでいいじゃないですか。やっぱり皆いろいろと頑張ってるんですねぇ。」(意味不明)



紳士気取りもいい加減にしろ!!!このとんだ間抜けな軟弱学生が!!おめー、ショボいよ、ああ、ショボいよ!!どんだけがんばっても結局エイドリアソには手が届かなかったんだよ!なのに何してんだ!しょうもない事でドキドキしたりして。変に自分を偽ってがんばってみたりして。
あーあ、恥ずかしい奴。
あーあ、惨めな奴。
あーあ、悲しい奴。


自分は自分をひたすら詰問し、攻撃しました。
そうしてすぐに、頭の中は、真っ白に埋め尽くされました。


信号の見え方が、ぼんやりと、そして二重に見えてきました。
そうやって涙腺がゆるんで、自分ははっと気がつきました。


ノリでエイドリアソの事好きって思い込んでたのかと思いきや、結構本気だったのかコン畜生めが。





その後、他愛もない会話を続ける内に、京都駅に到着しました。6:30にはもう、高速バスの乗り場の前に立っていました。

バスが来るまでの間、何だかそこでボーっとするのもぎこちなかったので、京都駅のてっぺんに行く事にしました。
エイドリアソは駅の構内に入るのは初めてだったそうです。
エスカレーターを上り、原広司ご自慢の大階段をかすめ、この京都駅コンペの経緯やウラ話をしている内に、屋上に着きました。



意外と眺め良くないなー



なんて言いながら、我々は最後の時間を過ごしました。この時自分は本当はもう半ば放心でした。

屋上庭園、といってもさして広くもないので、2,3分でひとまわり出来てしまいます。




さて、決してゆっくりしていた訳でもないのですが、
時間も迫ってきたので、すぐにまたエスカレーターを降り始めました。トラスの向こうから下を見ると、さっきはなかった高松行きのバスが見えます。





折角はやく着いたのに最後テンパらせてすいません

と言うと、

そう?全然大丈夫ですよ





と言ってくれました。

下に着いて、バスの前。



「akさん、本当にいろいろありがとう。
フランスから帰ってきたら、また連絡くださいね。
今度はご馳走しますよ。」




最後だというのに、自分はエイドリアソの真っ直ぐで綺麗な視線を、どうしてもかわしてしまいます。つくづく下品な野郎です。
それでもなお最大限爽やかぶって、また是非遊びましょうなんて言ってしまいます。



あっさりとした挨拶のあと、エイドリアソがバスに乗り込むか乗り込まないかの間に、自分は逃げ去るようにその場を後にしました。。


先程、いかにも駐禁とられそうな危険な場所においた車のところに戻ると、相変わらずハザードランプをチカチカやってます。うっとうしい人ごみの中、車を発進。

助手席には、さっきエイドリアソに買ったパンと、午後の紅茶。
彼女は遠慮して一個しか食べなかったので、何個かが寂しそうに残ってます。


何してんだろうねー、自分は。
本当あほやなあ。

と帰りの車の中では笑い泣きでしたとさ。




おしまい。





・・・

まあその後メールのやりとりもあった訳で。

エイドリアソに対して形式的な結果やかたちとしての応えが欲しかったわけじゃないけど、結局手の届かない存在なのに、自分は何してんだろーなんて思ってしまった女々しい気持ちも伝えてしまった訳で。

でも結局はまた友達みたいに遊んでくれると嬉しいとか心にもない事までも言っちゃってる訳で。

まあここからは流石に内容書けませんが。


大体そういう事です。


今後どうなるかはもう知らない。
どういうスタンスでエイドリアソと接して良いかも分からない。
しらんしらん。
おわったおわった。




読んだ人お疲れさまです。

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2005-08-01 03:31:42

新・惨事郎 ’05 夏 (中) ~連続ヒットで満塁篇~

テーマ:童貞力学特論

海行ってもサーフィンできないからといって、ネットサーフィンばっかしてる皆さん、お疲れさまです。



これまでしつこく引っ張ってきたエイドリアソネタですが、多分今回(と次回)で本当に最後です。

というかこの日記をもって、自分の中にある彼女に対する変な期待とか未練などを一切断ち切る事ための自戒としたいのです。



・・・


実は、先週からずっとエイドリアソとはメールのやり取りをしてました。一日に二、三通というスローペースは、お互いの忙しさを推測させ、自分もまあ社会人とのやり取りはこんなものだろうと思っておりました。


さて、彼女からのメールの内容の中には、今週、来週と再びスクーリングで京都に来るとの旨であったり、お寺の夜間拝観の時間を聞いてきたりと、思わせぶりな内容が多々発見できました。
それに対し、自分は物理的な距離に勇気づけられ、ダメもとで「一緒に行きます?」的な返事を送ってみました。

しかし、次のメールには当たり障りのない別の質問に対する答えだけだったりと、まるで暖簾に腕押しの如く、ひょいひょいと肝要な部分は避けた返信が返ってきます。

一時は、そうした彼女のメールの中の曖昧な表現に煩悶していた時期もありましたが、ある時、やっと彼女のメールに明確な意思表示が見られました。




・「私、京都行ったときはいつも宿に直帰りなので、akさんの都合のいい日に今度お茶でもして下さいね」




これはキター!キタキツネ!

この時、自分はついに月面着陸に成功したのです!


そうして、今週末にめでたく一緒に遊びに行く運びになったのです!


とはいえ、彼女は今回は一日限りのスクーリングだったため、土曜の夜に来て、日曜に再び帰るという強行日程でした。つまり、遊べるとしたら、着いた土曜の夜しか時間は許されておらず、後は日曜に京都駅まで送って行くぐらいしかできないのでした。


自分は恥ずかしながらもこれを研究室の同僚に打ち明け、コンペの案の作成やテスト勉強の合間をぬってデエトプランニングのカウンセリングを受けました。何しろ、何年も京都にいるにも関わらず、京都でデエトするのはほぼ初めてだったのです。


研究室の同僚には本当に感謝しなければなりません。
彼らは半分イジリついでではありますが、親身になって隠れナイススポッツやオサレなホットスポッツを教えてくれたのです。


さて、彼らに教えてもらった場所のチェック、近隣の駐車場の位置、更にはホットペッパーなど、考え得る限りの準備をして、その日に備えました。準備は慎重かつ入念を極めました。限られた時間内で楽しめるコースは限られているにも関わらず、当日はエイドリアソの言葉に応じて柔軟な対応が求められるのですから、自分は幾パターンものデエトコースをツリー状に暗記せねばならなかったのです。




そして土曜の夜。

決戦の火蓋は切って落とされました。




駅まで迎えに行き、どきどきしながら待っていると、

見覚えのある彼女が、

相変わらずのツボな雰囲気を醸し出す彼女が、

一時は妄想タイムマシンに乗ることでしか会えなかった彼女が、

向こうに見えます。


彼女は、華奢な体に、以前自分が教室で放心しつつ眺めた黒い大きなカバンと、模型材料が入った大きな袋を提げて、やってきました。


エドワード・T・ホールが提唱したプロクセミックス理論で言う個人距離まで近づいた時、自分は意外にも自然に挨拶をして、あの重そうなカバンを持ってあげるという紳士気取りな事をやってのけてました。


彼女も、普通の友達に話すように、自然と話してきてくれました。


お互い気恥ずかしく、ぎこちない雰囲気を必死で隠そうとしていたのでしょう。


自分達くらいの年齢は、良くも悪くも「社会」を意識し、それまでの責任とは一切無縁の「内面的社会」から決別しようともがく時期であります。

必死で背伸びして大人らしく振舞わなければならないという脅迫観念があるため、背景に泥臭い青春とか感情のぶつかりがあろうとも、さも平然としたように振舞ってしまうのです。



それはそうと、

そんな自然な雰囲気を保ったまま、ブーブに乗り、ご飯を食べに行く事になりました。



車内での何気ない会話の逐一は、内容はともかく、自分にとってはとても貴重で、繊細さに溢れていました。
木漏れ日みたいに、ともすると容易に消失してしまうのではないかという恐怖と、永続性が保障されないが故に楽しむことのできる陶酔が、同時に在ったのです。


ここからは、まあ普通のデエトだと思うので若干割愛します。

ちょろりと観光して、お洒落なお店でご飯食べて、軽く京都案内ドライブしただけです。
ただ、観光がてら歩いた先斗町と鴨川沿いで、西岡徳馬辰巳琢郎とすれ違って若干テンションが上がったのだけは特別でしたので、ここに特記しておきます。



そういう訳で、たったの二時間半くらいのデエトでしたが、会話も弾み(意外にも彼女も三島由紀夫が好きで、自分がちょっと前に読んだ不道徳教育講座を彼女もつい最近読んだところだったのです!)、なかなか楽しく過ごせたのです。



その日は彼女の宿まで上機嫌で送っていき、滅茶苦茶マメな紳士を演じきる事に成功しました。くーろマメー。



別れ際、彼女は視線も真っ直ぐに、


「akさん、今日はほんとにありがとう」


と言ってくれました。下品な自分は半ば目をそらさざるを得ません。

どのツラ下げて、その綺麗な眼差しを受けきれるというのか。


とはいえ、彼女の事を抱きしめたい衝動とともに、股間にあついものを感じてしまった事をここに告白し、懺悔します。



そうして、明日の彼女のスクーリングの後に、造形大から京都駅まで車で送る約束をして、自分達はその日は別れました。



・・・



今日は疲れたので、ここまでにしておきます。

ここまでは、タイトルにもあるように、連続ヒットで満塁の気分でした。


つまり、

後一本ヒットでれば点入っちゃうんじゃね?

という状態です。



しかし、

その甘い妄想の灯は、次の日に彼女を駅まで送っていく最中に、彼女自身の手によって、そっと消されることになるのです。


たった一つの、なにげない質問の応えによって。


以前自分がふと想像しつつも、まさかそれはないだろうと信じきっていた暗い事実が、無残にも自分にのしかかってきたのです。





続きは次回の


「新・惨事郎 ’05 夏 (中) ~隠し球でアウト編~」

で書きます。

というかもう今日はかなりへこんだので、これ以上は堪忍しておくれやす旦那はん。なのです。

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2005-08-01 03:29:22

新・惨事郎 ’05 夏 (上) ~本塁打篇~

テーマ:童貞力学特論
さっき、

エイドリアソから
変なメールきました。


差し支えない所(というかハイライト)を抜粋すると、





・akさん、夏休みはSA入ってないんですか?






キタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!!


キタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!!


キタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!!





と、あまり期待し過ぎると経験上あまりロクな事が起こった例がないので、今日はもう心を鎮めて寝ます。

ちなみに心のこもったメールを返信しておきました。

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