2012-02-16 10:01:37

どうしておんぶ紐なの?

テーマ:あかちゃんといっしょのめざすもの
どうして「おんぶ紐」を売りはじめたんだろう…。
そしてそれを6年も続けてるんだろう…。
と、ふと思うことがあります。

韓国から日本に戻ってきて、
初めて世田谷子育てネットさんの
イベントに出させていただいた時、
扱っていたのは、韓国式おんぶ紐ポデギ。

リュック型とベスト型。
ベスト型はおんぶ専用で、今も取り扱っています。

初めてあかちゃんをおんぶした時。
おんぶ紐お試し会で、初おんぶ!の方の感動を目の当たりにした時に
ふとオーバーラップすることがあります。

目の前の自由。
両手が動かせる!
立ち上がって、スッと動ける!

目の前の扉が開くような感じ。

それまでずっと抱っこやスリングで、
常に目の前にはわが子がいます。

それがね、いつもしあわせだと思っていました。
赤ちゃんが生まれるまでは。

いつもあかちゃんを抱っこして、ゆったり時間が流れて…。

でも、現実には産後、出産時に会陰が腫れ、授乳のときに乳首が切れ、
全く眠れない、これって、拷問?と思うような日々が続き、
そしていつもいつも目の前にあかちゃんがいる。

手首は腱鞘炎になり、痛いけど抱っこしないと泣き止まないし、寝てくれない。

あかちゃんといっしょの暮らしを望んでいたのに…
今は目の前にいる赤ちゃんがいなければ・・・と思うこともある。
そんな自分が許せなかったりもしました。

そんな時に、おんぶができるようになって、
目の前が開けたような気がしたんですよね。

目の前の自由。
両手が動かせる!
立ち上がってスッと動ける!

そして、人におんぶしてもらうと、
長時間お願いできる。。。
抱っこだと向かい合ってしまうので、ママじゃない!おっぱいがない!と泣かれてしまうことが多かったけれど、おんぶで人の背中を借りるのは、意外と大丈夫なことが多かった。。。

そのまま背中で寝てくれる確率が高い

おんぶで外に出るとおばちゃんたちから話しかけられて、
応援されることが多い。
(たぶん昔はベビーカーやスリングがなく、おんぶばかりだったから、
自分の頑張ってきた月日と重ねて応援したくなるのでしょう)

などなどおまけでさらに心身ともにラクになることが増えて、
それが高じておんぶ紐屋になったんだろうなぁと思います(笑)

子どもの発達より親のラクさ加減ばかりフォーカスしてますが、
子どもも親のぬくもりにずっと触れているので、
きっと心地いいんじゃないかと思います。

この、扉があいた感じ。
もっと言えば、あかちゃんができてうれしい!といったん開いた扉が、
産後の過酷な状況でパタンと閉じて、
それをまた開けたような感じ。

これを今までに味わったことがもう一回あります。
それは韓国で暮らし始めた時。

韓国の人を好きになって、
「愛があればなんとかなる!」と、そう若くもなかったのですが、
そう思って韓国へ行き、
いきなりのカルチャーショック。

とにかく文字が分からない。
韓国語勉強もしないで韓国行ったの?
というツッコミが入りそうですが、
はい。たいして勉強せずに行きました。

そして、韓国語を勉強しながら、日本語教師として日本語を教える毎日。
韓国で日本語を教える仕事が見つかって、1年間ここでやっていけそうだったら、彼と結婚しても大丈夫かも・・・と思って決めた渡韓。
・・・でしたが、何せ文字が分からない。

文字が分からないということは、半分目が見えないみたいな感じなんだな・・・とそのとき思いました。看板も標識も読めない。その店が何の店なのかよくわからない。

その前に台湾で1年間日本語を教えていた時は、あまり感じなかったのですが、それは漢字圏だったから。

この時も、韓国で日本語教師になって、好きな人の国で暮らしてみることができる!と新しい扉が開いたように思ったのですが、自分一人ではなにもできない。
そこに何が書いてあるかもわからない・・・会話が分からないからって、筆談もできないし、いつも蚊帳の外な感じ。
ここでまた扉がパタンとしまったような気がしました。

でも、ある日道を隔てた向こう側に書いてある文字が読めたのです。
読めたらすぐに意味が分かった!あっそうか!

その言葉は
「不動産」

韓国語は漢字語でできている言葉が多く、読み方も日本の音読みと似ているので、読めさえすればすぐにわかる言葉が多いのです。

この時、ヘレンケラーが水をさわってウォーターといった時の気持ちがちょっとわかったような、そんな感動がありました。

そうか、このへんてこな文字は不動産って書いてあったんだー!!!

言葉は道具です。
言葉が話せるようになっても、それですぐにコミュニケーションがスムーズにいくわけではないし、かえって言葉が分からない時の方がよかったなーと思うことも。でも、あの「不動産」が分かった時に、道がつながったようなそんな気持ちになったのでした。

自分で張り切ってあけた扉が閉ざされたように思った時、
つらくて悲しくて暗い気持ちになりますが、
でも閉じ込められたと思ったその中にも必ず新しい扉はあって、
新しい世界が開けるようなそんな気がします。

おんぶ紐屋さんと言葉を教えるオシゴト、どちらも続けたいと思っているのは、そんな気持ちからなのです。

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