【焼き手によってお好み焼の味は変わる?】文化を守るための意外な行動。 | 至高のソースを創る!! 千日前はつせ 三代目 長谷川明男

【焼き手によってお好み焼の味は変わる?】文化を守るための意外な行動。

こんにちは。お好み焼・焼きそばをより美味しく味わうための「至高のソース」作りに奮闘する毎日を送る、千日前はつせの長谷川明男です。


一年の大きなイベントのひとつであるゴールデンウィークが終わりました。みなさんはどのように過ごしましたか?今年は特にGWの過ごし方が多様化したようです。海外旅行・国内旅行、帰郷や散策、家でまったり・・・。中には溜まった仕事を片付けた方もおられるでしょう。


この時期は、当店にもよく他府県からのお客様が来られます。長旅でお疲れの中、少しでも当店の個室でゆっくりして頂ければこれ以上の幸せはありません。


当店はお客様に焼いて頂くスタイルなのですが、他府県から来られて、お好み焼を焼いた事のないお客様が「上手く焼けるかな?」と心配される時もあります。





お好み焼きは焼き手によって味が変わる?


このテーマは、お客様に焼いて頂く当店では永遠のテーマのように思えます。曖昧な体感でしかないのですが、関東方面からお越しの方とはそんな話題になる事が多く感じます。当店のお好み焼きの生地は、あまり経験のない方でもできるだけ上手に焼けるような工夫がしてあります。生地を練る粉を4種類使い、それぞれのデメリットが極力出ない配分で良い部分だけを引き出します。しかし焼いた時の味が必ずしも均一かというと・・・


正直に申し上げると、答えは「焼き手によって味が変わる」となります。


特に鉄板焼きの場合は調味料の種類や塩加減、焼き具合によって大きく変わると思いますが、当店でお好み焼を焼く上で一番大切な事は火加減です。始めは中火で、ひっくり返したら弱火でじっくり…。これがおすすめです。


この事をできるだけ多くのお客様に伝えるため、「千日前はつせ流 おいしいお好み焼の作り方」という動画を制作しました。youtubeにアップロードしていますので、これをQRコードにしてメニューに張り付ければリアルタイムで焼き方の見本を参照する事ができます。ただいま急ピッチで準備をしています。お好み焼の種類によって焼き方も異なるので、色々なバージョンを作っていって、より美味しくお好み焼を楽しんで頂きたいたいと願っております。これも大阪の郷土料理を守るための進歩だと思います。


http://www.youtube.com/watch?v=AgeDm_S-UEg



郷土料理といっても、常に進化する


GW中の出来事で、こんな事がありました。 九州から車で来られたお客様なのですが、当店のお好み焼を召し上がって「この味を地元の郷土料理に活かしたいと思った。大阪に来て良かった」とおっしゃいました。聞くとその郷土料理は海鮮料理だったので、大胆な発想をされる方だとビックリしました。多少大胆でも郷土料理を発展させて町興しを進め、地元の観光産業に寄与する事はとても大切で、そのために自分はその土地に生まれたんだ・・・という話を聞いて感動しました。本当はお客様に感動して頂くのが私どもの使命なのに…。


ご当地といえば、ラーメンは地方によってかなり違った特色がありますね。その土地の特産物が入っていたり、気候・風土や文化に合わせた味になっていたりします。特に最近感じるのが、色々な地方のラーメンが共鳴しあって、常にしかもすごく早いスピードで進化し続けている事です。新しいものが次々と頭角を現します。


でもお好み焼というものも負けてはいません。北海道にもありますし、東北の「どんどん焼き」や関東の「もんじゃ焼き」、東海地方の「遠州焼き」、そして有名な広島風・・・。数えればキリのないほどあります。関西だけでも一銭洋食やかしみん焼きなどの地域の特色があり、粉モン文化は全国にあります。こういった全国の粉モン文化を学び、良い部分を取り入れて進化させる事が、同時に文化を守る事にもなります。そしてその進化が早く確実なほど、より深く郷土に根付くのではないでしょうか。




旅をする事で地元に還元できる!?


このように考えてみると、ゴールデンウィークなどの連休で旅行をして、その土地の郷土料理を味わうという事は、自身の地元の郷土料理を進化させるチャンスにもなりうると思います。違う土地の文化に触れる事で自分の土地の文化が変わる。もしかすると、旅行をする事自体が、自分の住む土地を守るための本能から生まれているのかもしれません。


海外にも簡単に行く事が出来る今の時代、料理の進化のスピードはますます早くなる事は間違いないと確信した次第です。




至高のソースを創るためのヒント その2

離れてみる事で見える事もある!! 進化する要素はなんぼでもありまっせ!!





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