すごく大雑把な言い方をすると、

ゲームとは、主に「プログラム」「グラフィック」「サウンド」の

3つの構成要素から成り立っています。


そのため、ゲーム制作においてもこの3要素を

並行して作っていくことになるのですが、

「グラフィック」「サウンド」と比較して、

「プログラム」にはとある弱点的な特徴があります。


それは、

「他の2要素(特にグラフィック)ができていないと開発しづらい」

というものです。


もちろん、「グラフィック」「サウンド」とて、

それぞれ単独で最後まで開発できるかというと、そんなことはありません。

メモリの調整やら、色数の取り決めやら、

プログラム側と相談して決めなければいけないことは数多くあります。

しかしそれでも、「とりあえず素材だけ作っておく」ということは

十分に可能です。


一方の「プログラム」は、サウンド素材はともかくとして、

グラフィックの素材がない状態では、ほとんど開発することができません。

グラフィックがないということは、制御するモノがないということですから、

プログラムを書いても挙動を確かめることができないのです。


とはいうものの、

「それなら、絵素材ができあがってからプログラマーをアサインしよう」

というわけにもいきません。

それでは時間的にも予算的にも、効率が悪すぎるからです。



では、どうやってそこを解決しているかというと……


とりあえずパッパと作れるような適当なグラフィックを用意し、

それをダミー絵として入れ込んでしまう、ということをよくやります。


ダミー絵なので品質はいい加減ですが、

少なくとも挙動は確かめられるようになります。

そして、正式なグラフィックができてきたら

随時それに差し替えていくのです。


そのため、開発中の画面では、

(たとえば2Dゲームの場合)キャラが白黒だったり、

背景が実写そのままだったりということが日常茶飯事的にあります。

当然見栄えはしませんが、開発が止まるよりはずっとマシです。


もう一つ、ダミー絵のいいところとして、(モノにもよりますが)、

グラフィッカーでない人間にも作れてしまう点が挙げられます。


事実、私も社内ではよく「ダミー絵職人」として活躍しています。

私のPhotoshopスキルは基本操作+αくらいなものですが、

ダミー絵はそもそもクオリティを問われるものではないので、

非グラフィッカーでもバンバン量産していくことができるのです。


ちなみに私は、ダミー絵だけでなく、ダミームービーやら

ダミーサウンドも手がける「マルチダミークリエイター(笑)」です。


そして、私が頑張って作ったダミー素材は

開発が終わるころには全部駆逐されてしまうのです・・・…orz


尤も、駆逐されない素材があったらそれこそ大問題なのですが。