2012-01-24 22:39:11
2011.11.20 残波JAM@沖縄読谷 残波ビーチ
テーマ:ブログ
嵐の前日をやり過ごし、空けて20日。雨は上がっていた。
こんなことってあるんだ。
運営陣、演者たち、オーディエンスたちの残波JAMに寄せる想いが分厚く濁った雲を押し遣ったとしか云い様がない。
現場入りは11:OOくらいだったろうか。
白く薄い雲の間から青空が見え隠れするビーチにはフードや雑貨などの出店が立ち並び、多くのお客さんで賑わっていた。
ステージの脇では、DRAGON76,Michinori maru両画伯の共作ライブペイントが既にスタート。
更にその隣では紅一点Pokke104さんもペイントを開始する。
パチリパチリとシャッターを切りながら何にせよビール。みんなと乾杯しながらピースな空間を漂う。
時折強く吹く海風は僅かに冷たかったけれど、徐々に鮮やかさを増していく青空に目を細める。
レコーディング期間中にオーガニックランチを振舞ってくれたユカポンも出店で参戦。
彼女のお店であんかけ焼きそばを戴いて砂浜へ。
ペンキの剥げた白いベンチに腰掛けて軽い朝食を摂る。
静かに寄せる波に柔らかな陽がキラキラと反射していた。
ステージから届くGood Musicとキッズたちの屈託のない笑い声に包まれて小腹を満たす。
美味しかったー。そしてステージでは"ROOTS ALIVE"がライブをスタート。
Ras Takashi氏をフロントに、(仮)ALBATRUSの真樹、Pちゃんも参加するプロジェクト。
空間に円を描くように広がっていくサウンドが開放的なロケーションにシンクする。
2010年、師走の吉祥寺WARPで聴いて以来のRas氏のピアニカは優しかったし、真樹もPちゃんもにこにこしてて、こっちまで愉しかった。
オーディエンスの身体をゆらりゆらりと揺らしていれば、何時の間にか一面に広がる青空まで呼び込んで見せた。

"ROOTS ALIVE"は陽射しのよく似合うバンドだった。あちこち歩いてみんなと遊んで本格的に腹も減ってきた。
吸い寄せられるようにスタッフ用の賄いテントへ足を向けると、メニューはカレーライス!
独りテンションを上げつつカレーをよそっていれば同じく腹を空かせた真樹もやってきた。
何と優しく懐かしげな味わいか。
幼い僕に母が作ってカレーに特別な思い入れがある訳ではないが、あまりにノスタルジック過ぎて思わず瞼の裏にその顔を浮かべてしまった。
ウマいウマいと二人して頬張って、あっという間に完食。
食後はすっかり気に入ってしまった波打ち際ベンチに寝転がり一服つける。磊落な青空に吸い込まれていく煙を視線で追いかけながら、この旅に滔々と流れていた濃密な時間を思い返していた。
出会いと再会の中に浮かんだ幾つもの笑顔、妥協することなく注がれるアートへの情熱、そしてその営みの全てを受け入れるあまりにも大きな自然のエネルギー。
嗚呼、なんて幸せなんだろう、だからこそ僕らは…
などと独り言つ感謝と畏敬の時間。
海と空がくれた、光と風の時間。

残波ビーチは時間を追うごとに聴衆の密度を高めていく。少しずつ冷えてきてビビッた僕は一旦宿に戻り、上着を装備し宵の宴への準備を整える。
そして陽も水平線に落ちきった頃合、ステージに浮かび上がるトライアングル。
期待に胸を高鳴らせた聴衆の眼差しを一手に集めたREBEL7 withTがライブを開始する。
瞑目のシゲさんのスティックがタイトに奔っていく。
笑みを湛えたツヨシくんの指が弾いた弦から悦びが迸る。
鍵盤に掛かるタクちゃんの指と二人の呼吸が重なり合って溢れ出る旋律が胸に迫る。
聴衆のレスポンスも上々だ。僕としても待ち焦がれたステージだった。
夢中でシャッターを落としながら、いつか洋平がこぼした"奇跡のバランス"という言葉を思い出していた。
岬に轟いた逆襲のテーマを忘れない。
続くDACHAMBOも全開。
もう、撮っていたのか躍っていたのか曖昧で、正直に云うと細かいことはあまりよく憶えていない。
ただあの瞬間、僕の精神と身体が熱狂の坩堝の只中に在ったことだけが真実だ。
メビウスの帯を滑るような夢と現のループライディング。
聴衆はステージからダイブ、大木の枝から逆さにぶら下がり身を揺らす半裸ガイ。(仮)ALBATRUSの面々も存分に踊っていた。
集ったそれぞれがそれぞれの感性で自由に音楽を愉しんだ。
もう、本当にそれだけのこと。
因みに、DJ陣のトリを努めたDJ HIKARU氏のフォトは無い。
躍っていたので。
僕が僕に与えた夜の部の自由時間。
沖縄へのリスペクト、そして日の本への想いに満ちた彼の世界観に身を浸し、僕は最後の一仕事へ精神を整える。
幾つもの意味で、いい時間だった。




他のメンバーに先立って独り板についたのは洋平だった。DJ HIKARUのラストチューンを大きな手拍子で煽る。
洋平の登場に聴衆から大きな歓声が上がる。
みんなが一体となって作り上げた残波JAM大トリのステージに(仮)ALBATRUSがスタンバイ。
この夜のALBATRUSはsaxの元さんを欠く4人体制。
拘らずも勲し4本柱。
1曲目は"Gypsy Song"
洋平の噛み締めるようなボーカルに一つずつ音が重なり合っていく。
雲集した聴衆からはALBATRUSのブランニューメッセージに
真っ直ぐな視線が注がれていた。重厚な扉をゆっくりと押し開きながら、その隙間から眩く差し込む白い光の中心で、畢生を賭した新たな旅の始まりを力強く告げた。
続いて"Welcome To The ALBATRUS"
Pちゃんの流れるようなドラムにコーラスが心地よく乗り合わせ彼らは大きく翼を広げ始める。
その悠揚な羽ばたきの度にアホウドリたちの足はゆっくりと浮き始め、ステップを踏み始めた聴衆に融合を促した。
そして"ミエナイチカラ"
この辺りから彼らのテンションが一気に上昇していくのがはっ
きりと見て取れた。先程から沸々としていた輪郭がいよいよ毛羽立ち始め、4人を繋ぐエモーショナルなラインがが大きく脈を打つ。
横溢な聴衆のエネルギーが力強く浜を打ち、白い砂は弾けるように舞っていた。
迫り上げたグルーヴは既に会場中を一体にしていた。
転調を迎え一旦緩やかになった空気の中で僕はPちゃんを見つめていた。
感に堪えない面持ちの彼から目が離せなかった。
これはあくまでも僕の推察だが、彼は泣いていたのだと思う。
震災後、逸早くアクションを起こし沖縄に移り住んだ彼は、例
えば、己が信念を護るために幾つものステージを辞退した。やり場の無い悔しさも、仲間たちへの心痛の念も胸に秘めていたのではないか。
だからこそ彼は、こうしてライブ出来ていることへの悦びをひしと感じ、その胸の中で嬉し泣きしていたのだと、想う。
曲のクライマックスへ突入していく絶叫のドラミングに焦点を合わせた僕の頬には大粒の涙が伝っていた。
僕は悦びの爆発を写していたのだと思っている。
それにしても、実際は本人すら涙していないのに、僕が泣いてしまった…w
僕が独り感情への折り合いづけに手間取っている間にも彼
らのパフォーマンスは熱を帯びていく。"1/470 PARTY PEOPLE"
宵闇を切り裂くような竜太くんのギターにトバされて全身に鳥肌を立てた。
艶の化身のような男から滲む馥郁たる色香に圧倒される。
上半身を露にした洋平は一枚の手紙を携えていた。
かつてcro-magnonと作った"TOKYO TIMES"について、洋平は自分への手紙だと記していたと記憶するが、今回の手紙は列島に息衝く同志たちへ宛てたものだろう。
そしてそのメッセージが先ず、岬に集った友人たちにしかと届いたさまを僕は見た。


佳境を迎え沸き上がる浜辺を4人の手拍子が更に煽る。"Feel So Good"
最高潮に達した4人のフィーリングの波が間断なく聴衆へ浴びせかかる。
真樹は完全に覚醒していた。
猛る魂をそのままに前傾でこれでもかと押し込んでくる。
メンバーそれぞれとのせめぎ合いを心から愉しんでいる悪戯そうな笑顔に、撮っている僕まで釣られてしまう。
遊び心をふんだんに溶かし込んだ珠玉のアッパーチューンに持ち上げられ闇夜の白浜は恍惚のダンスフロアと化していた。
誰が一番自由なのかを競い合うような熱い時間に僕も存分に
酔いしれた。そして絶頂の興奮を残したままに面々が引き揚げていく。
しかし間髪入れずに響くアンコール。
僅かに喉を潤したメンバーが板の上に舞い戻る。
アンコールは"手芽口土"
ここへ来てのディープなレスポンスにまたしても浜が沸く。
ここで洋平の口を衝いて出た言葉は【You are the one】
今宵彼らから一貫して届けられたメッセージは、融合への誘(いざな)いと、個性へのリスペクト。
自己を尊重して隣人と向き合い手を繋ごう。愛を携えてその繋がりを広げていくその先に、本当に望むみんなの未来が見つ
かるはずだ。そして洋平は【これが音楽だ】と叫び、【全ての仲間たちにありがとう】と笑った。
テントに戻ってきたメンバーたちは実に清々しい面持ちで互いを労い合っていた。
主催者からの要請で聴衆に向けた〆の言葉を伝えに三度目のステージに立った洋平。
ふいにギターを手にした洋平の傍らに自然とメンバーたちが位置を取り、まさかのもう一曲。
"意識の大陸"の最後に【Everything's gonna be all right】と一言添えたこの瞬間が、波間のJAMの大団円であった。
















































