2005-11-09 01:48:25

蛇足

テーマ:ことば

芥川龍之介『羅生門』は、その結末の一文が蛇足の代表として知られている。


 「きっと、そうか。」
 老婆の話が完(おわ)ると、下人は嘲(あざけ)るような声で念を押した。そうして、一足前へ出ると、不意に右の手を面皰(にきび)から離して、老婆の襟上(えりがみ)をつかみながら、噛みつくようにこう云った。
「では、己が引剥(ひはぎ)をしようと恨むまいな。己もそうしなければ、饑死をする体なのだ。」
 下人は、すばやく、老婆の着物を剥ぎとった。それから、足にしがみつこうとする老婆を、手荒く死骸の上へ蹴倒した。梯子の口までは、僅に五歩を数えるばかりである。下人は、剥ぎとった檜皮色(ひわだいろ)の着物をわきにかかえて、またたく間に急な梯子を夜の底へかけ下りた。
 しばらく、死んだように倒れていた老婆が、死骸の中から、その裸の体を起したのは、それから間もなくの事である。老婆はつぶやくような、うめくような声を立てながら、まだ燃えている火の光をたよりに、梯子の口まで、這って行った。そうして、そこから、短い白髪(しらが)を倒(さかさま)にして、門の下を覗きこんだ。外には、ただ、黒洞々(こくとうとう)たる夜があるばかりである。
 下人の行方(ゆくえ)は、誰も知らない。」


最後の一文の瑕疵が、人間の暗黒部分にも比せられる「黒洞々たる闇」に目を凝らしていた読者を、卑小な下人の後姿に視線を引き戻すのだ。
芥川にしてこうなのだから、ちょっとぐらいは気にしないようにしよう。
それにしても、駄文は蛇足をひっくるめて駄文だったりすると、駄文の蛇足ってあるのだろうか。

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2005-10-08 02:10:29

雨降りに思う

テーマ:ことば
雨降って地固まる、っていうのはその地面の質にもよる。
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2005-08-22 02:56:30

おやすみの前に

テーマ:ことば
騙すより騙されるほうがいいなんてよく言うが、騙されているほうは何にも知らないで騙されているんだろうか。
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2005-06-28 00:12:00

カウント・ダウン

テーマ:ことば

よく聞く話だが、地球46億年の歴史を1年365日に置き換えてみる。

 2月末頃               生物の誕生 38~40億年前 
10月初旬              多細胞生物の誕生 10~12億年前
11月23日              魚類の誕生 5億年前 
12月13日              恐竜時代始まる 2億5千万年前
12月26日              恐竜の絶滅 6500万年前
12月31日午後11時37分     人類の誕生 500万年前
12月31日午後11時58分50秒 農業が始まる 1万年前 
12月31日午後11時59分58秒 産業革命が始まる A.D.1700年以降


それにしても、単細胞生物から多細胞生物になるまでに、30億年ほどかかっている。
生命が誕生してから30億年の間、細胞が海でゆらゆらしていることが多かったのだ。
というイメージを思い浮かべるが実際はそうでもないらしく、この30億年は地球の環境が激変した時だった。
地球環境の激変とは、隕石が衝突して海が干上がったり、地球が全部凍ったり、めちゃくちゃだったそうだ。
多細胞生物になっている暇がなかったのかもしれない。
人類は紅白歌合戦も終わろうかという、年の瀬も押し迫った時に生まれた。
12月が生命史も忙しいのには、笑ってしまう。
それにしても、この年表を見ていると、1月1日というリセットに向かって、カウント・ダウンしているみたいな気がしてきた。

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2005-06-15 00:20:29

メモメモ

テーマ:ことば
19世紀も中頃になると、憲法を有していることが近代国家としての体面をあらわすものになった。
18世紀末のアメリカやフランスの憲法の精神が形骸化していったともいえるし、反面普遍化していったともいえる。
その流れを汲んで近代化を急ぐ日本でも、1889年に大日本帝国憲法が発布された。
プロイセン憲法を参考にしたという。
もちろんプロイセン憲法は、19世紀中ごろにはやった近代国家の対面をつくろうためのものだ。
中身はプロイセンの国情に沿った国家主義的なもの。
それにしても、アメリカといい、フランスといい、よくも人間の理性にのみ信を置いて、国家の根本をきめたものだ。
そう批判したのは、憲法の祖国、イギリス。
バーグやバジェットは、人民などはまったく信頼に足らず、自国の歴史と伝統を絶対視し、王を最終的な権威とした寡頭政治を擁護した。
王は神秘的であり、政治には超越していなければならない。
なんと、これだけ見れば、大日本帝国憲法を想起せずにはいられないではないか。
大日本帝国憲法を起草した伊藤博文ほかの面々は憲法の研究のために渡欧したが、そのときに彼らイギリス人の論文を目にしていたのかもしれない。 
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2005-05-19 00:16:33

動的な平衡

テーマ:ことば
本日の朝日新聞の夕刊で見た言葉である。
動物の体を構成する物質は、常に入れ替わっているそうだ。
つまり、同一性は失わず常に変化している。
まるで行く川の流れの如しだともある。
そして、常に変化しつつ、全体として秩序を維持するため相互に関連性を保っている状態のことを「動的な平衡」と呼んでいる。
さらに、私の中を出た物質はまた別の動的な平衡につながっているという。
私は自分が思っているほど、しっかりした存在ではないのかもしれない。
私の中で物質が新しくなり続けることができる見えない機構が私なのだろうか。
命とは何かという問いには簡単に答えることはできないが、動的な平衡とは命の働きといえるかもしれない。
常に入れ替わっているのだと思うと、常に新しい自分が生まれているような気がして、なんだか元気になってきた。 
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2005-05-13 00:12:51

贋話

テーマ:ことば
思い出したけど、月の右側が膨らんでいる時は、満月へと満ちていってる時だ。
ということは、昨日の話は贋話である。
今日も月を見て気づいた。
なんだか昨日より月が太っていることに。
これから、月は空の光をどんどん吸収していって、夜の闇に明るく輝いていくのだった。 
 
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2005-05-12 01:05:14

夏至に向けて

テーマ:ことば
 今日も、昨日と同じ時間に駅を降りた。西の空は、まだ太陽が沈んだ余韻を残す藍色で、三日月が浮かんでいるのも昨日と同じだった。月は昨日よりやせていて、明日はつめの先みたいに細くなっているだろう。明日、月の光は空の色に少し溶けて、空は、今日より少し明るい藍色になるだろう。 
 
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2005-05-08 02:52:54

光と影

テーマ:ことば
昨日から降っていた雨がやんだ。
その日の午後、家の外に出た。
ひんやりした気持ちのいい風が吹いていた。
建物の影が長く伸び始めていた。
建物の間からは太陽の光が射していた。
影の部分から日なたに移ってみた。
まぶしい光がいっぺんにふってきた。
太陽は直視できなかった。
もう一度影に戻った。
地面の上の光と影をしばらく眺め続けた。 
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2005-04-20 00:32:38

寝て起きて

テーマ:ことば
パソコンつけて
また明日
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