2009年06月15日(月) 00時23分30秒 テーマ:財務諸表の読み方

財務諸表を読んでみよう その4

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★サンプル1(松屋フーズ:東証1 9887)

前回に引き続き松屋フーズを取り上げます。今回は貸借対照表(BS)について見ていくことにします。(データリンク先

P12・P13目にあります。(単位:千円)


貸借対照表とは左側(今回はP12)と右側(P13)が一致することからバランスシートとも呼ばれます。

大きく見ると 

資産の部=負債の部+純資産の部
の関係になっています。


右側(負債の部+純資産の部)はその会社が集めた資金の合計であり、左側(資産の部)はそのお金がどのように投資されているかを表しています。

負債の部は基本的に返済するお金であり、純資産の部は返済義務のないお金です。つまり、株主の視点で見ると『返済義務のないお金が多いほど財務安定性が高い』ともいえます。

さらに細かく見ていくと、純資産の部の中の株主資本は

株主資本=資本金+資本余剰金+利益余剰金+(自己株式)

で構成されています。資本金+資本余剰金は増資でもしない限り変わらない項目です。(通常は株式公開時に資金を調達して終わることが多いようです)そして、時間が経過するとともに順調に業績を伸ばしている会社は利益余剰金が貯まっていきます。

利益余剰金が資本金に対して何倍あるかを見るだけで、どの程度その会社がキャッシュを貯め込んでいるのかを判断することが出来ます。(中にはこの比率が100倍以上ある会社があり、どう考えても増資なんてありえない状態です。と言うよりも毎年儲かりすぎてお金を使い切れない会社がこのようになる傾向にあります)


では、具体的に見ていきましょう。

財務安定性:純資産の部÷負債純資産の合計=60.5%
キャッシュの余裕度:利益余剰金÷資本金=2.28倍
レバレッジ:負債純資産の合計÷純資産の部=1.65倍

この会社の場合は余剰金はあまり余裕がないもののレバレッジは1.65倍と低めに抑えています。現金商売と言うこともありますが、店舗展開を資金繰りの範囲内で行っていることが読めてきます。(負債を増やして店舗展開を早くすると利益もでますが、景気が悪くなって不採算店舗が急増すると目も当てられません)

左側は業種ごとにチェックポイントが異なるため、当ブログでは敢えて取り上げません。ヒントを1つだけ紹介すると、不動産業種の場合は不良在庫をいち早く見つける意味でも流動資産の部は詳細をチェックする必要があります。できれば、5期分のBSを並べると異常値に気づくこともあります。

基本的に在庫が急増した場合は、売れ残りの可能性がありますから、次の期あたりに在庫処分を行うことで、赤字転落とか利益急減などのお知らせを聞くことが多いようです。

決算を粉飾していない限りにおいては、手の内は開示している訳ですから、少なくとも自分の保有株の決算書くらいは読んだほうがいいでしょう。

2009年05月24日(日) 22時17分30秒 テーマ:財務諸表の読み方

財務諸表を読んでみよう その3

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★サンプル1(松屋フーズ:東証1 9887)


前回に引き続き松屋フーズを取り上げます。今回はキャッシュフロー計算書について見ていくことにします。(データリンク先

P16目にあります。(単位:千円)


・営業活動によるキャッシュフロー   △147539

・投資活動によるキャッシュフロー   △2243930

・財務活動によるキャッシュフロー   △174839


単純に合計すると △25億6630万8千円


実際の現金及び現金同等物との差が△2289分あるので、


現金及び現金同等物期首残高    5259436

現金及び現金同等物四半期末残高 2690837


と約半分程に減らしています。詳細を見ていくと営業活動によるキャッシュフローがマイナスなのはこの期に法人税の支払いがあったためであり(利幅が少ないのでこのような影響ですぐにマイナスとなってしまう)、財務活動によるキャッシュフローがマイナスなのは通常


・借金を返済している

・過大な配当を出している

・自社株買いをかなりの規模で行った(会社防衛のことが多い)


このようなケースが多いですが、この会社の場合には利息の支払い及び配当の支払いを賄うために差し引きで長短期の借入れを行っています。(利息の関係で借り換えを行ったのかもしれません)


キャッシュフローのお金の流れは


『営業活動によるキャッシュフロー』で稼いだ分で、残りの『投資活動によるキャッシュフロー』『財務活動によるキャッシュフロー』を賄いきれるのが理想です。

このようにキャッシュが貯まってくると、資本金の100倍程の余剰金が発生して、ファイナンスとは縁のない会社になります。キャッシュリッチな会社とはこのように長年に渡り貯め込んだ資金が使いきれない程ある会社のことを言います。これはBSの右側の資本の項目を見るだけですぐに分かることです。(左側を真面目に見るのは投資を検討する銘柄かその候補くらいにしています)

2009年03月28日(土) 15時20分45秒 テーマ:財務諸表の読み方

財務諸表を読んでみよう その2

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今回から実物を題材に話を進めていきます。特に銘柄の推奨とかではありませんので、最終的にはご自身で判断して下さい。


★サンプル1(松屋フーズ:東証1 9887)


資料の入手先はいくつかありますので先に紹介しておきます。

・EDINET(有価証券報告書等の開示書類の閲覧HP:リンク先
・企業のHP(リンク先
・MSNマネー(リンク先

この中で系列的に数字を追うにはMSNマネーの財務諸表が一番見やすいです。但し、最初なので企業HP内の四半期報告書を見ることから始めていきます。(サンプル先

説明はp14(損益計算書:PL)から始めます。

・売上(305億2665万)

・売上原価(101億3945万)
・販売費及び一般管理費(195億9556万)


この3つの数字から分かることは、


原価率(売上原価÷売上)が33.2%であり、営業利益(売上-売上原価-販売費及び一般管理費)が7億9164万であることです。(注:端数の処理の関係で必ずしも数字が一致する訳ではありません) 外食産業の原価率が30%前後なので、若干高い気もします。

因みに、売上高営業利益率は2.59%となりますが、あまり儲かる商売ではないようです。売上原価の大半を占める食材が高騰したりすると赤字に転落する可能性が高いです。黒字にするには販売費及び一般管理費を削減するくらいですが、外食産業の場合はほとんどが人件費で占める為、人員削減や不採算店舗の閉店が主な施策になります。

・経常利益=営業利益+営業外収益-営業外費用

この会社の場合は若干営業外費用の方が多いですが、営業利益≒経常利益の関係です。

・税引き前利益=経常利益+特別利益-特別損失

赤字にならない程度に減損損失をだしていますが、気にするほどでもなさそうです。


・純利益=税引き前利益-法人税等

この数字だけ見ていると法人税が多いようにも見えますが、年間では落ち着くところに落ち着きます。ちなみに売上高利益率は0.76%と燦燦たる状況で、投資対象としては敬遠したいです。

キャッシュフロー計算書に関しては次回に見ていくことにします。

2009年03月20日(金) 10時18分00秒 テーマ:財務諸表の読み方

財務諸表を読んでみよう その1

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『財務諸表を読んでみよう』と題して、不定期にUPすることにします。本格的に勉強するには街の本屋さんにでも行ってもらうことにして、ここでは投資家の観点から徒然に書き記すことにします。(どちらかと言うと落とし穴に落ちないこと・掘り出し物を見つけることに主眼があります)

初回なので、財務諸表について簡単に紹介しておきます。

企業が株主債権者・税務当局など利害関係者に対し、一定期間における経営成績および一定時点における財政状態などを報告するために作成する計算書類。貸借対照表(B/S)・損益計算書(P/L)・キャッシュフロー計算書(C/S)・利益金処分計算書・附属明細表などからなる。

みなさん、損益計算書(以下PLと略す)は見ると思いますが(基本的に簡単なので…)、貸借対照表(以下BSと略す)やキャッシュフロー計算書(以下CSと略す)は見ないと思います。投資対象を選別する段階では、全てを見る必要は無く(勿論じっくり見てもいいのですが)ポイントをチェックしてある一定の会社数まで絞れた段階から自分なりにじっくり見ることで時間の節約ができます。(4月下旬から5月中旬まで多くの企業が財務諸表を更新してきますので、あまり時間は無いと思います)

勿論、読む前に監査法人が承認しないだとか特記事項(特にゴーイングコンサーンに関して記載がある場合)がある時はそこから見る必要があります。と言うよりも投資対象として選定していいのか考える必要があります。(通常はゴーイングコンサーンに疑義が生じた場合は翌日から暴落します…)

あまり知られていませんが、あまり投資が必要でなくキャッシュが使い切れない会社も見受けられます。成長性に陰りが見えてきた場合には配当性向を高めにすることも多く、このような会社を探すことで安定した配当収入を得る事が可能になります。また、イメージは良くてもキャッシュが足りない会社は近いうちにファイナンス(社債を発行したり、新株を発行したりすること)がなされる可能性があります。

以上の情報はBSやCSを見ること(読むまでもなく)で予想できます。次回からは具体的な情報を元に読んでみます。



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