シドニーのボンダイジャンクションで、数ヶ月間ずっと、毎週同じ日本食レストランで夕ご飯を食べることにしていた。
値段も安いし、とっても早くでてくるし、気に入っていた。
毎週通っているので、当然店の人達も彼女のことは知っている。
要するにおなじみさんの一人。
先日、いつもと同じように夕食を食べて、精算をしようとして、5ドルしか財布に残っていないことに気づいた。
食べたラーメンは7ドル50セント。
彼女は、
「ごめんなさい、今日5ドルしかもっていないので、今度着たときに残りの2ドルを払ってもいいかしら?」
とレジを担当していた男の子に聞いた。
男の子は神妙な顔つきで、そばにいたウェイトレスの女の子に日本語で何か聞いた。
その女の子は慌ててキッチンに走り、キッチンの中にいる男の人に何か告げた。
キッチンの男の人はそばにいた他の男の人になにやら告げた。
店中を巻き込んだ大事件になっていく。
返事は返ってこない。
日本語もわからない彼女は、一体どうしてこんな大事になるのか?
もう何度も会っていて、まさか食い逃げなんてしないとわからないのか?
疑問だらけ。
後ろで支払いを待っていたオーストラリア人の女性が見かねて、
「私小銭あるから2ドル50セント、あげるよ。使って。」
と差し出してくれ、この大事件は終わった。
笑ったけど、笑えない話。
似たような目に何度も日本で遭遇した。
マニュアルどおり、規定どおり、何時もどおり、想定どおりは完璧にものごとは運ぶ。
そうでない場合、物事は大惨事、大事件、オーマイゴッド!!!なのだ。
笑ってはすまされない。
全ては深刻で、神妙で、真剣。
違ったり、イレギュラーだったり、ユニークだったりは許されない。
大変この店は、一人顧客を失った。












