「グローバル社会における学生の在り方」 西川様 インタビュー(3)

2012-02-23 21:29:02
テーマ:ブログ
西川さまご自身の学生との関わり、そして我々学生へのメッセージ。


西尾:西川さまは学生との関わりも多いとお聞きしたのですが。

西川:ESUJをご存知ですか。 English Speaking Union of Japan(日本英語交流連盟)です。1918年に英国で創立されたEnglish-Speaking Unionの関連団体で、英語を通じて、国際的な相互理解と世界の人々との友好を図ることを目的としています。そのESUJが毎年10月に「全国大学英語ディベートコンテスト」を開催しており、私は、ABIC(国際社会貢献センター)経由の依頼で、何度かチェア・パーソンをやりました。私も大学時代にESSで英語ディベートをやった経験はあったので、チェア・パーソンも面白いかなと思ったものです。

しかし、チェア・パーソンとして参加したディベート大会では、母校の後輩が全く参加していない事実を知り、昨年5月に母校に出向き、ESS部員に集まってもらい、別の総合商社に勤めているESSのOBと二人で、ディベートと英語コミュニケーションの必要性について6時間くらい講演とディスカッションをしました。これからのグローバル化した社会では、ディベートの力は大変役に立ち、それを英語でやれたら非常に大きな力になります。ESSで英語習得に励んでいるなら、ディベートをしないのは、本当にもったいない話です。全国大会に出るという明確な目的を持って練習すれば上達は格段に早くなります。その結果、ほんの数カ月の練習で、昨年10月のESUJの大会に母校ESSから1チームが参加し、初出場ながらなんとか1勝できました。一方で、上位チームとの実力差の大きさにも気づいてくれたと思います。

これが現在では、英語ディベートに興味を持った学生と、熱心なOBも加わり、スカイプを利用し「Skype Debaters」という電話会議式の「仮想クラブ活動」に発展しています。先日の週末の夜も7人がスカイプに集まり「企業が定期採用活動の開始時期を遅らせることの是非」について英語でディベートを行いました。この活動は、無論、学生達が主体となってやっていますが、先輩社会人が年の功で貢献できることもあると思っています。このスカイプ・デイベートの参加者は毎回増えてきており、将来が楽しみです。

このように私の学生との関わりは、英語ディベートが始まりでした。それをきっかけに、「若い人たちも前向きに頑張っているな」と思えるようになってきました。

またもう1つ、私が学生と関わっている大きな理由があります。

以前、仕事で中国陝西省に行く機会がありました。西安市で日本の団体が主催する日本語弁論大会があり、スポンサーとして参加しました。陝西省には日本語を専攻している大学生が6000人ほどいるとのことです。この日本語弁論大会で、私を含むスポンサー企業・団体の代表3名が、「日本の企業とは」などのトピックで一人約30分のプレゼンを行いましたが、驚くことに、会場は学生で埋め尽くされ、座席がなく通路に座って聞いている学生も多数おり、熱気にあふれていました。更に驚いたのは、プレゼンの後の質疑応答が延々と続き、いつまでも終わらないのです。遠方の大学からバスで来ている全寮制の学生の門限があるということで、途中で打ち切りましたが、終わった時には外は真っ暗でした。

その時「中国の学生のエネルギーはなんだ!」と思いました。多くの学生が1~2年程度で、片言ながら質疑ができる出来るレベルにまで日本語を身に付けているのです。また、実力不足で弁論大会に参加できなかった1~2年生の女子大生数名が、我々を西安の観光スポットに案内し、日本語できちんとガイドをしてくれましたが、その現実に「このままでは日本は危うい」と思った程です。
また日曜の早朝にキャンパスを訪れる機会があったのですが、午前9時頃には図書館は自習する学生であふれていました。勉強机が満席で、ロビーのソファーで勉強をしている学生もいました。多くの学生が、夜まで集中して勉強するそうです。

西尾:日本では想像しがたい光景ですね。

西川:日本の学生も頑張っているのだと思いますが、中国とは比較にならないと痛感したものです。

そんなこともあって、自分に何か出来ることがあるとすれば、商社の海外駐在経験などで必要性を痛感した英語ディベートかなと思い、母校の後輩に声を掛けたのです。

西尾:そうした形で学生と関わることで感じている魅力はありますか?

西川:学生達が育っていく姿を見ながら応援できるのはうれしいものです。今回もそうした気持ちから、アイセック慶應義塾大学委員会からの依頼を受けたものです。

アイセックの皆さんは、すごく頑張っていると思います。日本の学生が全員皆さんのレベルであれば、日本はとても強い国になると思うのですが、現状はまだまだです。

私の後輩や知人もアイセックのことを知っていましたが、アイセックに限りませんが、大学生は仲間同士での交流が中心のイメージがありました。そういった意味では、もっともっと外部に情報発信し、インパクトを与えた方がいいのではないでしょうか。

西尾:それでは最後となりましたが、我々学生へのメッセージをお願いできますでしょうか?

西川:とにかく、出来る限り外に出て世界を広く眺めて下さい。今は広げようと思えば幾らでも自分の世界を広げることの出来る時代になりました。その機会を上手く活用して、経験と視野を広げて欲しいと思います。さらに、アイセックの皆さんにはあまり関係はなさそうですが、内向きで弱気な日本の学生の一般的なイメージを是非とも払拭してほしいと思います。どんどん外部を巻き込んで、そのような機運を盛り上げていってほしいですね。どんどん仲間を増やしていって下さい。そして卒業しても活動を終わりにするのではなく、ずっとグローバルに連携を取りながら継続的に社会に影響を与え続けることができれば最高ですね。若い人がもっと動かないと日本も世界も良くなりません。

西尾、渡邊、稲垣: ありがとうございました。

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