【夕顔104-2】何の「しるし」?
源氏物語イラスト解釈です
【これまでのあらすじ】
天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光源氏は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下した。帝の後妻である藤壺宮(ふじつぼのみや)が亡き母に似ていると聞き、思い焦がれるようになる。
ただ今、「4.夕顔(ゆうがお)」の巻。中流階級の空蝉(うつせみ)との仮初めの恋を経て、現恋人の六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)にも、正妻の葵上(あおいのうえ)のもとにも心が向かないでいる光源氏は、惟光(これみつ)の実家の隣家にひっそり住まう、夕顔の君に心惹かれています。
【今回の源氏物語】
「…『君は、御直衣姿にて、御随身どももありし。なにがし、くれがし』と数へしは、頭中将の随身、その小舎人童をなむ、しるしに言ひはべりし」など聞こゆれば、
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☆ 本日の入試対策問題 ☆
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「…『君は、御直衣姿にて、御随身どももありし。なにがし、くれがし』と数へしは、頭中将の随身、その小舎人童をなむ、しるしに言ひはべりし」など聞こゆれば、
問)傍線部の説明として最も適当なものを選べ。
1.童女が頭中将の随身や小舎人童の名を呼んだことで、頭中将を待っていたのだと、惟光ははっきり確信した。
2.童女が頭中将の随身や小舎人童と顔なじみであったことから、牛車で来た人物が頭中将であると、惟光は考えた。
3.童女は、牛車の中に昔なじみの頭中将の直衣姿が見えたことで、それを目印に、頭中将がやって来たのだと考えた。
4.童女は、牛車の人物の直衣姿、随身や小舎人を引き連れていた様子などから、中の人物が頭中将であることが分かった。
5.童女は、昔見知った従者達の姿が見えたことで、それを目印に、牛車の主が頭中将だと分かったのだと、惟光は考えた。
…こういう問題が、
最も配点が高く、受験生の明暗を分けます。
(●・̆⍛・̆●)
こういう問題集をコツコツこなし、
マーク問題の力をつけていきましょうね!
(o´・ω・`o)ノ
ポイントは、
傍線部中の「しるし」です。
【しるし(印/証/標)】
【名詞】
①目じるし
②墓
③合図
④証拠
【しるし(徴/験)】
【名詞】
①前兆。兆し
②霊験。ご利益
③効果。かい
【しるし(著し)】
形容詞:ク活用】
①はっきりわかる。明白である
②(「~もしるし」の形で)まさにその通りだ。予想通りだ
*『Weblio古語辞典』より
「しるし」と見ると、
重要古語の形容詞「著し」が
まっさきに浮かびますが…
ここでは、「~をしるしに」というふうに
名詞として使われています。
なので、選択肢のなかに
「印」もしくは「徴」の意味が入ってるかを
確かめてみましょう。
(σ・∀・)σ
1.童女が頭中将の随身や小舎人童の名を呼んだことで、頭中将を待っていたのだと、惟光ははっきり(△意味ズレ)確信した。
2.童女が頭中将の随身や小舎人童と顔なじみであったことから、牛車で来た人物が頭中将であると、惟光は考えた。(△「しるし」ナシ)
3.童女は、牛車の中に昔なじみの頭中将の直衣姿が見えたことで、それを目印に、頭中将がやって来たのだと考えた。(△惟光の発言のはず)
4.童女は、牛車の人物の直衣姿、随身や小舎人を引き連れていた様子などから、中の人物が頭中将であることが分かった。(△「しるし」ナシ、惟光の発言のはず)
5.童女は、昔見知った従者達の姿が見えたことで、それを目印に、牛車の主が頭中将だと分かったのだと、惟光は考えた。
「しるし(=目印)」が含まれる選択肢は、
3か5です。
あとは、どちらが文脈に適しているかを
本文と照らし合わせて検討してみればOKです。
(▰˘◡˘▰)
正解…5