【桐壺75-①】「『参りては、いとど心苦しう、…
【原文】
「『参りては、いとど心苦しう、心肝も尽くるやうになむ』と、典侍の奏したまひしを、もの思うたまへ知らぬ心地にも、げにこそいと忍びがたうはべりけれ」
とて、ややためらひて、仰せ言伝へきこゆ。
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「『参りては、いとど 心苦しう、心肝も尽くるやうになむ』と、典侍の奏したまひしを、
訳)「『こちらに参りましたところ、いっそう お気の毒で、心も魂も消え入るようでした』と、典侍が帝に申し上げなさったが、
もの思うたまへ知らぬ心地にも、
訳)物の情趣を理解申し上げない者(=私)でも、
げにこそいと忍びがたうはべりけれ」
訳)本当にとても忍びがとうございますわぁ」
とて、ややためらひて、仰せ言伝へきこゆ。
訳)と言って、少し気持ちを鎮めてから、帝からの仰せ言をお伝え申し上げる。
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【原文】
「『参りては、いとど 心苦しう、心肝も尽くるやうになむ』と、典侍の奏したまひしを、もの思うたまへ知らぬ心地にも、げにこそいと忍びがたうはべりけれ」
とて、ややためらひて、仰せ言伝へきこゆ。
【口語訳】
「『こちらに参りましたところ、いっそう お気の毒で、心も魂も消え入るようでした』と、典侍が帝に申し上げなさったが、物の情趣を理解申し上げない者(=私)でも、本当にとても忍びがとうございますわぁ」
と言って、少し気持ちを鎮めてから、帝からの仰せ言をお伝え申し上げる。
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ようやく、本題に入ります。。
桐壺ママの寂しい言葉を受けて、
ためらいがちに、話し始める靫負命婦…
その共感を感じ入りながら…
今宵はお眠りなさいませ
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■【参る】
■【いとど】
■【心苦し】
■【なむ】
■【典侍(ないしのすけ)】
■【奏す】
■【たまふ(下二段)】
■【げに】
■【はべり】
■【けり(会話文中)】
■【ためらふ】
■【仰せ言】
■きこゆ】
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