アサド大統領、化学兵器疑惑は「100%でっちあげ」(4/14)

シリアのバッシャール・アサド大統領は12日、首都ダマスカスでAFPの独占インタビューに応じ、同政権が化学兵器攻撃を実施したとの嫌疑は米国の軍事攻撃を正当化するための「でっちあげ」だと述べた。

アサド01

アサド氏がインタビューに応じたのは、今月4日に同国で化学兵器が使用されたとの疑惑が浮上して以降初めて。同氏は、政府軍が保有していた化学兵器はすべて引き渡し済みだと主張した他、化学兵器使用の対抗措置として米軍が行った攻撃を受けた後もシリアの軍事力は影響を受けていないと述べた

アサド氏は化学兵器使用疑惑について「確実に、100%でっちあげだ」と断言。「欧米、特に米国が、テロリストと結託しているという印象だ。攻撃の口実を作るため、彼らが全部でっちあげた」と述べた。

アサド02

シリアの反体制派が掌握している町ハンシャイフンで起きた問題の攻撃では、多くの子どもを含む少なくとも87人が死亡した。もがき苦しむ被害者らを捉えた映像は、世界各国で怒りの声を生んだ。

ドナルド・トランプ米大統領を含む欧米諸国の首脳らは、化学兵器攻撃を実施したのはアサド政権だと主張している。一方のシリア側はこれを否定。ロシア政府は、多くの死者が出た原因は、「有毒物質」を保管していた反体制派の兵器庫に対する通常兵器を使った攻撃にあったとの見解を示している。

米軍がシリアにミサイル攻撃(4/7)
ミサイル04

アサド氏はインタビューで、ハンシャイフンで攻撃が実際に起きたかどうかは「はっきりしない」と強調。「偽物の映像が多く出回っている。あの子どもたちがハンシャイフンで死亡したのかどうかは分からない。そもそも、本当に死んでいたのだろうか?」と述べた。(引用終了)

トランプ政権 核実験と確信すれば先制攻撃(4/14)
USA47

アメリカ軍がアフガニスタンに最強の爆弾MOABを投下!初の実戦投入!トランプ大統領「誇りに思う」(4/13)
アフガン

シリアのアサド大統領がAFPの単独インタビューに答えました。アサド氏の疑問と否定はごもっともなことだと思います。

ロシアとシリア政府軍はすでに戦況が有利な状況でしたし、シリア和平交渉が上手くいきかけている中で、ここで化学兵器を使うメリットがありません。サリンかどうかは分かりませんが、世界中から非難を浴びるのは誰でもわかります。

では、ここで誰が得をするかとなりますと、オバマ政権時に中東から追い出された格好のアメリカとなります。トランプ大統領の当初の公約は実行できず、支持率低下、予算案が通らなければ政府機関閉鎖・・・ある意味「八方塞がり」の状況でした。

マイク・ポンペオ氏(2012年撮影)
CIA長官

ここで、イラクに大量破壊兵器があるとの偽情報を提出し、アメリカがイラクに介入するきっかけを作ったCIA(中央情報局)が、再び偽情報をトランプ大統領に提出したと仮定したら・・・?
(参考) イラク戦争(Wikipedia)

今回の「シリア攻撃」には、トランプ大統領と敵対していたCNNも、大統領選で敗戦したヒラリー・クリントン氏も支持したそうです。現在のCIA長官はマイク・ポンペオ氏といって反ロシアでもあり、イランの核合意にも反対、CIAによる拷問も支持しています。

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トランプ大統領は、CIAだけではなく、FBI(連邦捜査局)ともぎくしゃくいているとも言われており、今回の「シリア攻撃」の真相が明るみになれば、トランプ大統領の政治生命が危うくなります。それが、彼らの罠だった可能性も無きにしも非ず・・・。