食べて飲んで観て読んだコト+レストラン・カザマ

読んだ本の勝手な感想を中心に、日々の行動のあれこれを綴る。
フレンチレストラン・カザマのお料理ご紹介。


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第12回「日本ホラー小説大賞」受賞作(2005年)


デビュー作「夜市」と「風の古道」の二作を収めた作品集。


学校蝙蝠の噂で「夜市」が開かれると聞いた裕司は、友人のいずみを誘って岬の端の「夜市」を訪ねた。密かに買いたいものがあった。いや、買い戻したいものが。こどもの頃迷い込んだ「夜市」で、裕司は弟を売って野球の才能を買った。それきり弟はこの世にいないものになってしまっていたが、もしまだ「夜市」に弟がいたらなんとかして買い戻したかった。弟はいるだろうか。

 

この世のちょっとずれたところに、人でないものたちが住み、歩く古道がある。人間は知らない道だが、ふとしたはずみや稀に人以外のものの血をひいた人間が入り込んでしまうことがある。古道に入った人である母親から産まれたために、古道のものになり人の世界には出られなくなったレンが辿る古道と、自分が誰であるかの謎が解ける日。


どちらのお話も登場人物が自分の置かれたわけの分からない境遇の中で、それなりに努力したり戦ったりで手にする結末は腑に落ちて気持ちよいもの。


情緒とものの怪雰囲気たっぷりのロマンティックなホラーだなあ。ちょっと湿り気のあるまったりとした空気に包まれる夏の夜や、どことなくもの悲しい風がいつも吹く林の中やひっそりした民家の並ぶ裏道。実に日本人の郷愁感をくすぐる物語だ。

しかし、この世界観はとっても既視感あり。自分大ファンである、今市子・作の百鬼夜行抄の世界と酷似。もちろん人外の世界や人には見えない道の存在など、古来からある世界観であり特定の個人が創造したものではないが、二人の醸し出すその雰囲気はとても似ている。

百鬼夜行抄



夕食:家でのつもりがとても面倒になり、急遽歩いて行ける距離のレストランで外食。テッ・ド・ポールやホワイトアスパラの前菜、鶏もも肉のロースト、仔羊の詰め物、いずれも量がしっかりしていてビックリ。もちろん美味しい。ワインはとてもお手頃なピノ・ノワールを1本。可愛らしいサーヴィス担当のお嬢さんとのやり取りも楽しかった。ワインが好きで、仕事もワイン関係に、いいなあ若くて。これからもワインをたくさん飲めるわね(笑)

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