食べて飲んで観て読んだコト+レストラン・カザマ

読んだ本の勝手な感想を中心に、日々の行動のあれこれを綴る。
フレンチレストラン・カザマのお料理ご紹介。


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「舟を編む」や「木暮荘物語」などで好きな作家さんです。他の著作も読んでみたいと思いながらも未読のものが多いのですが、ちょっとこれに手を出してみました。

自分、恋愛小説が苦手です。恋愛をして、相手の事しか見えなくなっている状態の人のことを綿々と語られるのがイヤ。執着するということが、基本的に嫌いです。対象が人ではなくモノであれば、まだ違うこともありますが。世の中で何がイヤだと言って、ストーカーをしたあげくに殺人をしてしまうような事件。

恋愛とは、相手を自分だけのものにしたい、四六時中、一緒にいたい。自分の事だけを考えていて欲しい、というような欲求を持ってしまうことですよね。もちろん、もっと相手の事を尊重するステキな恋愛もあることは存じておりますが、利己的な感情の爆発がまた、恋愛の醍醐味でもありますしね。
恋愛自体を全否定するものではありませんが、小説ではあまり読みたいテーマではないということです。

ところが、この本書は「恋愛短編集」となっております。なのに、なぜ手に取ったのか。それはもう、三浦しをんさんの本だから、としか理由はありません。「舟を編む」を書いた方の恋愛小説とは、と興味を持ちました。

11編のお話があり、最初と最後のものは同じ登場人物のものですので、全部で10のそれぞれ異なる恋愛の形がありました。心の奥底にひっそりと隠してある恋や、ちょっと謎めいたもの、分かっているつもりで知らなかった気持ち、それぞれが納得のいくお話ばかりで自分にも楽しめる恋愛小説でした。

中でも、ただ一人の女性に無償の愛を捧げ、自分が逝った後も彼女が寂しくならないように思いやる「春太の毎日」は大好きな一篇ですね。ぜひ、お読みください(^-^)

また、中村うさぎさんの解説も大変素晴らしく、読み応えのあるものでした。解説をお勧めするというのも滅多にない事ではありますが、ぜひ読み落としなく。
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「キネマの神様」で知った原田マハさんの小説デヴュー作ということです。本作は「第一回日本ラブストーリー大賞」受賞作なんです。日本にそのような賞があったとは寡聞にして初めて知りましたが、すごいですよー、賞金500万円にして、作品の映画化も約束されていると。そういえば何年か前に同タイトルの映画があったような気がすると、思いだしました。


すると、ラブストーリーなんですね。これは。自分の苦手な。

ふんふん、しかし、読み始めてみるとこれは、舞台が沖縄ですな。これはラッキー!沖縄はじめ、台湾とかタイとかラオスとかマレーシアとか、いわゆる南の島での出来事となれば。作家さんが、あの熱いまったりした風を、たゆとう海を、心地よく描写してくれさえすれば、他人の恋愛話でも楽しめるというもんです。


カフーとはなんでしょうか。主人公の飼い犬の名前でもありますが、沖縄の方言で「幸せ」という意味だそうです。「良い知らせ」という意味もあります。「果報は寝て待て」の果報がなまったものなんでしょうか。南の島で寝ながら果報を待てたら、これはサイコーですね!


でまあ、お話はなかなか面白かったです。島で古臭い雑貨屋を営んでいる主人公の青年が、能登の神社に「嫁に来ないか」と書いた絵馬を奉納してくると、「お嫁さんにして下さい」という手紙が本当に来ます。そして、現れたのが美人。おろおろしながらも、その美人に当然ですが惹かれれていく青年。

主人公に感情移入もできますし、過疎地にリゾート開発という現代的なアイテムも入ってます。魅力的な「沖縄のおばあ」も登場しますし、南の島気分を存分に味わえます。ちょっとありえない設定だなあとはチラチラ思いますが、ドラマチックに盛り上がって、人間関係がはっきりするとなるほどね、と満足して読了いたしました。


ついでに、映画の方もレンタルして早速観てみましたよ。


美人がやみくもに来ても、もし青年がむちゃくちゃ不細工な変な男だったらどうしたでしょうね。小説を読んでる時は、そんなコトも考えてしまいましたが、映画では玉山鉄二さんが演じています。髪も伸ばしてむさくるしさを演出しておりますが、本来いいオトコですものね。美人(マイコさん)も安心して、いそうろう出来るというものです。「沖縄のおばあ」のセリフが外国語みたいなのには感心して観てましたが、あとはなんだかどうってことのない感じでしたー。たぶん自分、沖縄に行ったコトがないので、沖縄のイメージを過大に期待し過ぎたのでしょう。
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どうして、わたしたちってこんなふうに話があうのかな---。互いに性別を偽ったまま、千晶と秀紀は、ネット上で深く心を通わせるようになるが・・・・。年齢や性別といった現実の枠を取り払ったところに生まれる関係を鮮やかに描き出す、全く新しい恋愛小説。 (裏表紙より引用)


軽快にテンポ良く進む面白いストーリーと、ファッション業界・IT業界で活躍する男女、カッコ良かったり仕事ができたり、今風のトレンディ・ドラマって感じで、読み始めたら止まらなくなって夜更かし(^_^;

この小説のテーマは二人の性の逆転(といってもネット上だけのこと)と、ネットみたいなかりそめの世界での心に響くやりとりが本物の恋愛にになっていく、ということなのかも知れない。が、読んでいて面白いのは、現実における主人公の女性のサクセス・ストーリーの方だな。それともう一人の主人公の男性、仕事が忙しすぎるオタクっぽいもてなさそうな男なのに、同僚の女性に好かれたり妹の友達に好かれたり、急にモテ期到来な唐突さも可笑しくて。


設定が現代のネット社会のいびつな部分を取り上げたわりに、とてもハートフルな、主人公たちには良い方にばかり進むハッピーで爽やかな物語で、ふーん。という感じ。

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ちょっと興味を持つと、続けて読みたくなるけどそうすると飽きるのも早いのかも知れない。

この本は、面白かったけど自分の読みたかった雰囲気とは少し違ったかな。でも、川上弘美さんにはまだ飽きてはいないので、もう少しマイブームは続きそう。


ニシノユキヒコの人生の色々な時点で、関わった女性たちの目から見たニシノユキヒコの愛。中学生から死ぬまで、いや死後もニシノユキヒコは女性を愛し続けて、結婚を希望したりするが、その愛はついに全うすることは無かった。見目良く、性格も良く、仕事もできて、まことに申し分のないニシノユキヒコだのに。

西野君だったり、ユキヒコだったり、幸彦、ニシノさん、色々な女性から名前を呼ばれて好かれるのに、女性たちは本能的にかニシノユキヒコは自分を本当に愛する事はできないということを悟って、別れを告げる。


この小説のスタイルはとても面白い。一人の人間を色々な人の視点から描くお話は、たいがい面白い。ニシノユキヒコを取り巻く女性たちも多彩で、個性豊か。だからこれは、ニシノユキヒコの物語より女性たちの物語みたい。ニシノユキヒコはいつも同じでその愛と別れは同じことの繰り返しになっていて、そんなニシノユキヒコにちょっと飽きたかな(^_^;



賄い:ソーセージとトマトソースのパスタ。何も賄いメニューを思いつかない時は、有合せでパスタ。
パスタ

TV:今夜のトラベリックスⅢ(BS日テレ)は、パリだった。エッフェル塔が遠くに見える路地やモンマルトルの細い坂道など。美味しそうなバゲットやクロワッサンにタルト。うーん、目の毒かも(笑)

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「古道具 中野商店」で、すっかり気に入ってしまった川上弘美さんを何かもう一冊読もうと書店に行けば、やっぱり目についたのはこの「センセイの鞄」。小泉今日子主演で映画化されているので、タイトルに馴染みがあったのね。映画はみてはいないけど。


30代後半の月子さんは一人暮らしの会社員。行きつけの居酒屋さんで好みの肴でお酒を飲んでいると、隣り合わせたご老体に声を掛けられ、中学時代の国語の先生だったとわかる。それからも時々居酒屋で一緒になり、ぽつぽつ話しながら、お酒を飲んでいる内にいつしか心がかよい始めて、、、70代の男性との恋愛の行方は。


これもまた、とても好きな文体。静ひつな感じ。登場人物がみんな穏やかな人たちばかり、ということもあるけれど。そして、何がいいって、月子さんとセンセイのお酒の飲み方がいいね。居酒屋で頼む肴も趣味がいい。



夕食:スープカリーhiri hiri (←これクリックするとビックリな音が出るので注意してね(^_^;)にて、キーマ・ベジタヴォー。
ヒリヒリ 飲んだあとのの仕上げにスープ・カリーって、わりといいかな。

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唯川 恵
肩ごしの恋人

これまた、自分ではおよそ選ばないだろう本。M子さんが貸して下さったのだ。本屋さんや新聞の広告などで、よく見かける作家だし直木賞も受賞している本作である、実際読めば大変面白い。食わず嫌いはいけないな、とは思うけど相変わらず「恋愛小説」は自分からは手に取れない(^_^; なので、貸して下さるM子さんにはとても感謝。


本作の主人公は二人の女性だ。クールな早坂萌(独身)とセクシーな室野るり子(結婚3回)。二人は5歳の幼稚園児の時からの友達だが、性格は全く違う。しっかり者で頭のよさそうな萌だが、付き合う男と結婚の雰囲気が出てくると、腰がひけてしまう。対してるり子は、自分を幸せにしてくれる男と結婚するために女を磨く、同性に嫌われるタイプの女。そこに15歳の家出男子高校生が絡み、るり子の夫や元カレ、ゲイたちなど多彩な登場人物が話を面白くしてくれる。


ところで、この本を読んでいるとどうも既視感があり、思うのは敬愛する少女漫画界の大御所、一条ゆかり先生の世界である。登場人物といい、ストーリーといい、実に似ている。いや、もちろん全く同じ話というのでは無いけれど、ディテイル、キャラクター、エピソード、両作家ともご年齢もわりと近いようだし、もしかして仲良しなのか?と思うほどである。萌のようなしっかり者だけど、どこか脆いものを抱えているような女や、るり子のような女の武器で世の中を渡ってどんなに批判されようとも歯牙にもかけない女も、一条ゆかり先生のキャラにはいるように思う。それからゲイの男性も。アゴが青そうな男っぽいゲイも、美しいゲイも、おまかせ。一条先生もゲイ好きだ(きっと)。


そして、極めつけは可愛い男子高校生だ。若くて生意気だけど可愛げがあり、年上の女心をくすぐる癒し系少年。いっぱい、いるゾー(笑)。この少年崇が、部屋でるり子と二人っきりになった時に、るり子に迫られるのだけど、崇は「ぼくはるり子さんを抱けないけど、抱きしめることならできるよ」と言って自分の両腕でぎゅうっとるり子の身体を包み込んだ。うーん、現実こんな色っぽくて美人のお姉さんと二人きりになって迫られて、こんな風に癒してあげられる15歳男子なんているか?これは一条先生のマンガだったら、自然なんだなー、だってマンガだし。でも、小説だと。確かにこの小説でも読んでる時は、ああ、こんなに良い子が側にいて癒してくれるなんて良いなあ、なんて思うけど、すぐにこんなんあるハズないやんけーと突っ込みいれたくなるし(笑)


とにかく読んで面白いし、上手いなとも思うけど、この手のお話なら自分としては、一条ゆかり先生でいいな。というか、一条先生にも「直木賞」あげたいゾ(笑)


夕食:「幣舞」の冷やし野菜掻き揚げ蕎麦、ダンナは鍋焼きうどん。ABCマートのおにぎり。

晩酌:Meursault 1er cru La Piece-Sous le Bois Domaine du Chateau

反省:ここへ来て、逃げられた?!ひゃー、明日は我が身かも・・・コワイ(^_^;

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辻 仁成
サヨナライツカ

恋愛小説好きのM子さんお勧めの本。M子さんは、何度も読み返しているらしく、ちょっとばかりくたびれた様子の文庫本が「M子さんの愛読書です。」と主張しているかのようだ(^-^)


バンコクで、好青年の豊は婚約者との結婚を控えているのに、謎の美女沓子と恋に落ちる。仕事以外の時間はすべて沓子と一緒にいるほどに、のめり込むが結局は婚約者との結婚を選んだ。これだけのお話なら、どこにでもあるようなものだけど、それでも狂おしいまでに二人での時間を過ごし、こんなに好きなのに別れなければならないと涙を流す二人の描写は、相当濃密なもの。恋の舞台がバンコクであり、その高温多湿な空気が、恋愛をより濃ゆく、まったりしたしたものに感じさせるようだ。


そして、25年後、、、出世して貫禄のついた豊は沓子と再会する。もうすっかりおじさんだし、良き夫、良き父として立派な家庭を築いてきた豊なのに、その心のずっと奥の封印された場所には、まだ瑞々しい恋がちゃんと生きていたのだった。昔の恋人に会って、ぼろぼろ涙を流すおじさん。一途に昔の恋人を愛し続けて来たおばさん。読んでる自分もたまたま彼らと同世代みたいだけど、状況はあまりにもかけ離れている(笑)こんな情熱的な恋をした経験も残念ながら無いし、ずっと心に住まわせてきた昔の恋人もいないし、でも、それなのに、心が打ち震え貰い泣きをする自分(T-T) いやあ、泣けましたー(^_^; これは、電車の中では読めないなあ・・・。



夕食:鴨胸肉のステーキ、サラダ

飲物:Le Charme Labory 1997 St-Estephe

反省:時と場所を選んで読まないと、ダンナに仕事のことで話し掛けられ涙目・鼻声で返事することに(笑)


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この小説はミステリアスではあるけれど、いわゆるミステリーではないようだ。

「恋愛小説」というくくりに入れてもいいのかな? 「恋愛小説」というのは割と

苦手とする分野。読んで楽しめないという訳では無いけれどあまり積極的に

手に取るものではないなあ。自分の中で「恋愛」というものは既にあまり重要で

は無いモノになっている(笑)加齢ゆえ?(^_^;


「玉蘭」はしかし、桐野ワールドで不思議な感覚で遊ばせて貰った。広東、上海

での一組の男女の恋愛と別の時空での東京、上海のもう一組の恋愛が絡み合う。

主人公の有子、こういうキャラクターが良く分からないんだけど、恋愛小説が苦手

なのは、この辺り。作家の意図や作品の主題がさっぱり読み取れないのは、

読み手である自分の実力の無さ、不徳の致す所であろうが、こういう主人公に

感情移入できないのだから仕方ないか。

混乱の時代の広東で体を張って生き抜き、上海で胸を病み弱っていく浪子の方が

好き。

桐野 夏生 玉蘭


夜食:ピザハットのピザ・デラックス パクチキ(好物)

晩酌:Chambolle-Musigny 1er cru-Les Baudes 1990 Domaine Maurice Gavignet

    香りにくらくら、抜栓後1時間15分で味わいにもくらくら

反省:時間の読みを間違えると、食事抜きになる(T_T)

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