食べて飲んで観て読んだコト+レストラン・カザマ

読んだ本の勝手な感想を中心に、日々の行動のあれこれを綴る。
フレンチレストラン・カザマのお料理ご紹介。


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ゆれる

 

西川美和監督作品で、以前「永い言い訳」を面白く観てブログに記事を書いた時、コメント欄で本作をお勧めして下さった方があり、DVDレンタルしてみたもの。

オダギリジョー、香川照之という魅力的な俳優が出演していることもあり、観る前から期待大だ。

 

ところで、自分日本映画を自宅でDVD鑑賞する場合、どうしてもセリフが聞き取りにくい。つぶやくようなセリフは、時に登場人物の心情を吐露するようなシーンでもあり重要なものだったりするが、これが本当に聞こえない(^-^; 高齢になるとモスキート音が聞こえないと言われるが、その類なのかも知れない。

今回も、聞こえなかったセリフが幾つかあり、難儀した。聞こえないので再生を戻してみたり、音量を上げたりしている内に、普段上げない領域まで上げてしまい、それでも囁き声は聞こえないのだ(T-T) しかも、囁き声の次に、登場人物が大音声で怒鳴るシーン(警察の取り調べ室だったか?)が来て、ちょうどそこに帰宅してきたダンナに怒られてしまうという顛末(笑) ああ、日本映画にも字幕を入れて欲しい・・・。

 

という、苦難の道を歩みながらも、なかなか面白かったのだが、聞こえないセリフのために、ちゃんと理解できていない可能性はある。

お話しは、東京で成功しつつある新進気鋭のカメラマン(オダギリジョー)が母親の法事のため田舎に帰省する所から始まる。実家は、小さな町でガソリンスタンドを経営しており、老いた父親と跡継ぎの長男(香川照之)が仕事を引き受けている。経営もあまり楽ではないようで、小さな町の閉そく感が伝わって来る。次男であるカメラマンは奔放な振る舞いで、法事の席で父親ともめるが、温厚で人当たりの良い兄がなだめて場を収める。

さて、この兄弟には幼馴染の女友達がいて、彼女は美しく成長したが町から出ることも叶わずくすぶってこのガソリンスタンドで働いている。兄は、彼女に気があるふうで、このまま行けば結婚までこぎつけたかも知れない。しかし、ここで彼女が昔から憧れていたイケメン弟が売れっ子カメラマンとして、帰郷してきたのだ。でも、自分なんか相手にされないと思っていただろう彼女だが、イケメン弟はこの幼馴染に気が付きちょっとキレイなコじゃーんと認識した所に、兄と仲良くお喋りしている姿を見て、誘惑したくなっちゃうのねー(-"-) 

 

はいはい、この辺まで見て自分は、ヤなお話だなあー、こういうのキライだなあ、と思い始めてね。

彼女はあっさり誘惑されて、一夜を共にし、そしてこのカメラマンは自分を田舎から白馬に乗せて連れ出してくれる王子様だと思い込んでしまうのだわね。ああー、もう定番でしょ。やれやれ。

しかし、ここからお話は、がぜん面白くなる。

兄弟と彼女は、近くの峡谷にドライブに出掛け、川に掛かるゆれる吊り橋の上で事故が起きる。いや、事件だったのか。真相を巡って、当事者たちの心もゆれる。

 

それにしても、一番面白かったのは、やっぱり香川照之の演技である。

弟の活躍に兄として喜びもあるが、田舎で老いてゆく父を支えながら家業に縛られて、女手のいない家で家事もこなさねばならない自分。自由で女にもてる弟に密かな妬みもあるだろう。

深夜、薄暗い部屋で正座してひたすら丁寧に洗濯物を畳む兄。部屋の戸口に立つ弟と話しながら、畳み続けるその背中、座っている位置から振り返るその表情。ぞくっと来たね!

 

結末も、兄の気持ちはどうなのか、セリフは無く笑顔だけ。観る者の想像力に委ねられて、終わる。

本当にゆれる、心がざわざわする映画だった。

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