集中した守備 トッテナムvsマンU
雨に濡れるロンドン。
赤い悪魔の来日直前の試合はスコアレスドロー、アウェーで勝ち点1を獲得した。
トッテナムは主将であり、最終ラインの要であるウッドゲートを10分で失ったが、集中を失わずに無失点に抑えた。
■プレビュー
ホームのトッテナムは、ハリー・レドナップ体制に移行してからは5勝2敗1分。8試合で勝ち点16を挙げた。これはファン・デ・ラモス体制の、開幕8試合で勝ち点2からの大きな飛躍。
そのラモス監督は解任されたが、レアル・マドリードの監督に就任している。
GK ゴメス
DF ブノワ・アスー=エコト、ジョナサン・ウッドゲート、ヴェドラン・チョルルカ、マイケル・ドーソン
MF アーロン・レノン、ルカ・モドリッチ、ジャーメイン・ジェナス、デヴィッド・ベントリー、ディディエ・ゾコラ
FW ロマン・パヴリュチェンコ
アウェーのマンチェスター・ユナイテッド(以下、マンU)は、クラブ・ワールドカップを戦うため日本に向かう前の最後の試合。
ウェイン・ルーニー、パトリス・エヴラは出場停止だが、来日前に良い休養になっただろう。
GK エドウィン・ファン・デル・サール
DF ラファエウ、リオ・ファーディナンド、ネマニャ・ヴィディッチ、ジョン・オシェイ
MF 朴智星、マイケル・キャリック、ダレン・フレッチャー、クリスティアーノ・ロナウド
FW カルロス・テベス、ディミタール・ベルバトフ
■古巣を相手に
2004年-2006年と2シーズン在籍したキャリックもいるが、この日の注目はやはりベルバトフ。
2006-2008とこちらも2シーズン在籍したブルガリア代表FWがボールを持つたび、ホワイト・ハート・レーンの観客は大ブーイングを浴びせる。
ベルバトフは、左SBオシェイのクロスに2度合わせようとする場面があったりもしたが、決定的な仕事はできなかった。
■集中した守備
両クラブとも守備陣が集中しており安定していた。
トッテナムは4-4の激闘を演じたアーセナル戦 以外は、大崩れはしていない。得点を決めきれなく、ズルズル負けるのがシーズン序盤のパターンだった。
テベスと競りあって、腰か足かを痛めたトッテナムの主将ウッドゲート。10分と早い時間に、トム・ハドルストーンと交代することになった。しかしこの緊急事態にも、もう一人のCBドーソンが奮起。ユニフォームを汚すことを厭わず、最終ラインを引っ張る。
守備で最も健闘を見せたのはゾコラ。相手CKの時にはベルバトフを激しくマークし(この2人は試合後にユニフォーム交換をしていた)、SBが上がったケアもしっかりと行う。C・ロナウドのサイドからの1vs1にもしっかりと対応していた。
そして最後の砦となるGKもスキを見せない。
マンUはファン・デル・サールが、いつものように攻撃の組み立てに加わる。「バックパス禁止!!」とヒステリックに言う犬飼会長に、オランダ代表GKはどのように目に映るのか。
守っては8分のベントリーの遠目からのボレーシュート、62分同じくベントリーのゴール左上を狙った直接FKなどを見事にストップしてみせた。
トッテナムのゴメスは、今季の不安定さからエスパニョールのカメルーン代表GKカメニ などが後任にリストアップされている。この日は、さほど厳しいコースのシュートは少なかったが、それもゴメスのポジショニングの良さもあるかもしれない。
ハイライトは39分。ペナルティエリア左でC・ロナウドがテベスを使ってワンツーパスで飛び込む。そして中央のベルバトフを狙ったコースはドンピシャ――だったがゴメスの好判断、飛び出してパンチングクリア。
■幻のゴール
スコアレスドローに終わった中で、唯一ゴールネットを揺らしたのは52分。
マンUの右CKから、ボールが流れてPKスポットでフリーになったC・ロナウドの元へ。トラップからシュート、ゴールネットに突き刺したがハンドの判定でゴール取消。胸→右腕と当たっており、主審がこれよく見ていた。最近のプレミアリーグでは、かなり主審が批判されているが、こういう微妙な判定をしっかりとジャッジできた場合は称賛されるべきだろう。
トッテナムはダレン・ベントとジェイミー・オハラを。マンUはポール・スコールズとライアン・ギグスというベテラン2人を投入して、得点を狙う。
トッテナム側にはあまり効果は上がらず。ベントにまでボールが回らなかった。
マンUはパク・チソンからライアン・ギグスにコーナーキッカーが代わると、その精度が上がった。CKも試合終盤に何度もマンUが獲得し、得点の機運は高まっていた。しかしトッテナムもゴール前の集中を切らさず。
そしてマンUは、直接FKも2つ得た。
一回目はC・ロナウドが狙うも、壁に当たってゴール左へ外れる。
二回目はC・ロナウドと見せかけて、キッカーはギグス。ゴール右上ギリギリを狙う絶妙なキックだったが、GKゴメスが懸命に掻き出した。
スコアは動かずに、0-0で両者勝ち点1に終わった。
■総括
トッテナムはホームだっただけに勝ちたかったが、後半は組み立てがうまく行っていなかったので引き分けでも上々だろう。
豪快なダイビングヘッドやミドルシュートを見せていたモドリッチだが、放出の噂も出ている。ゼニトのアンドレイ・アルシャヴィンに加入の噂があり、その玉突きで出る可能性も低くはない。前述のGKゴメスも同様だ。
マンチェスター・ユナイテッドはこの試合終了後、日本へ旅立つ。
12月はカーリングカップも並行して行っており、かなりの過密スケジュールである。この日の動きの堅さも、コンディション不良によるところもあるだろう。先発ですら、負傷を抱えながらのプレーをする必要が出てきている。
日本では12/18(木)に準決勝、12/21(日)に決勝or3位決定戦を行うことになる。
南米勢、もしくは昨年のミランのように早めに来日して調整することを選択しなかったマンU。ミランは7日前に到着して、万全の体制を整えて優勝を果たしている。
余裕か、それともリガ・デ・キトという無名の南米代表を意識せずか、タイトルにこだわりはないか。
準決勝では主力を休ませてくるのか。ファーガソン監督のオーダーに注目が集まる。
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