こんにちは、AEGISの重松です。皆さん、春節はゆっくりされましたか?
「アメリカン•ビューティー」という、10年以上前のアメリカ映画をご存知ですか。アカデミー賞を複数部門で受賞したヒット作です。私もロードショーを劇場で観たのですが、昨年末にDVDを買って改めて観ました。この映画の主演男優のケヴィン•スペイシーがシェイクスピアの「リチャード3世」の舞台公演でシンガポールにやってきたので、懐かしくなって「復習」したのです。
舞台出身の俳優だけあって、シェイクスピア劇では「怪」演と呼ぶに相応しい演技でした。王の傲慢、猜疑、強欲、屈折、陰謀などネガティブな部分を迫力ある演技でぶつけてきました。人間の自然な心の動き(ネガティブなものでも)、感情の発露が伝達されてきて、観ていて心が苦しいというのは、ああいう状態のことを言うのだな、と思った次第。それだけ良い演技でありました。本当に表情が豊な俳優さんで、昔の英国の俳優のマイケル•ケインを思い出しました。コミカルな味も出すのも得意なところも共通しています。
スペイシーは、この「アメリカン•ビューティー」でアカデミー主演男優賞を受賞しましたが、それに相応しい「快」演がこの映画作品内ではみられます。
家庭生活と仕事に疲れた40過ぎの男性が、嫌な事を全て止めて好きなように生き始める、というストーリーなのですが、その転換の きっかけは娘の同級生(高校生)に対する一目惚れです。
下手をすると、自分の立場と年齢を顧みないエロおじさんの逆噴射話になってしまいそうなところですが、実際は大人達とティーンエイジャー達の 人生における様々な心の葛藤が複雑に組合わさった、精密な仕掛け時計のような作品です。
さて、その逆噴射オジさんのスペイシーさんですが、嫌々ながらも十数年間勤続した会社を辞めたのも家族には事後報告。十数年間、妻と娘の言いなりだったのが、突然、本音で話すようになり(嫌なモノは嫌、と )、食卓でうるさい彼女達を黙らせるために夕食のプレートを壁に投げつけるマッチョに大変身。
トヨタ・カリーナを売り払い、家のローンも残っているのに退職金でムスタング(もちろんクラシック)を買ってしまうあたりはもう、拍手喝采!早朝ランニングの後、生野菜ジュースを ジューサーから直に一気飲み。娘からのイタい視線も一切気にせず。午前中はガレージでベンチプレスやアームカールに勤しみ、午後からハンバーガーショップでパテを焼く(家計を維持する最低限の収入で結構、という割り切り様)。
ノー・ストレスで体も健康になり、自分に対する自信も蘇ってきて、娘の友人にも俄然、積極的に色目を使ってアピール(このあたりの眼の演技がスペイシーは素晴らしい)。「ダッド、キモい!」なんて娘に言われても、馬耳東風。
映画は最後に大変などんでん返しがあるのですが、会社のブログで映画の解説に終始するのも何なので、こじつけで繋げてみたいと思います。
大人になってからの時間の殆どを注ぎ込む、仕事というものに関わるお仕事を我々はさせて頂いている訳ですが、何を基準に仕事を探すのか、何を基準に人を選ぶのか、本当に皆さんそれぞれです。本当に色んな方、色んな会社さんが居られます。
「アメリカン・ビューティー」は、人生で大切なものの取捨選択、優先順位付けを「立ち止まって、自分の頭と心でやってみてはどうですか?」と改めて問いかけてくる映画です。「つまらない仕事なんて辞めて、ムスタング乗ろうぜ」という安直なメッセージではないのです。
忙しい、他人の目がある、家族の面子がある等々、色々有りますが、ふと我に返ったときに、「あれ私何やってるのかしら?」ということがあったとき、この映画を観てみると面白そうです。
「みんな、もっと好きなように生きようよ!」
ワガママ、というのではなくて、「心の欲するところに従いて矩を超えず」みたいな自然な作法で竹のようにしなやかに(竹は折れない!)生きて行けるようになりたいものです。ささやかな私の目標です。もちろん、最初からそんな人は存在しないので、多くの苦難や苦労を経験することも覚悟の上ですけど。
「アメリカン・ビューティー」のスペイシーさんは、かなり暴走気味でしたが、それでも痛快なので、個人的には見習いたいです。(笑)