マフィア国家「中国」1~中国の成り立ち | 中国問題でお困りの皆様へ~「迷惑な隣人である中国と如何に付き合うか」

中国問題でお困りの皆様へ~「迷惑な隣人である中国と如何に付き合うか」

孫子曰く、「知彼知己、百戦不殆。不知彼而知己、一勝一負。不知彼不知己、毎戦必敗」(敵を知り、己れを知れば、百戦あやうからず。
敵を知らずして、己れを知れば、一勝一負す。敵を知らず、己れを知らざれば、戦うごとに必ずあやうし。)

仕事関係でお世話になっている先輩のお薦めもあり、このAmebaでブログを始めることにしました。
私は純然たる日本人ですが(日本人とは何か?とは大きなテーマですが)、仕事関係で華僑の方々との交流の中から、華僑の発想であるとか中国の真の姿、海外から見た日本などについて思うところを書いてゆきたいと思います。少しでも皆様の情報源としてご利用いただけましたら幸いです。



記念すべき第1回として、「中国(現在の中華人民共和国を略して中国と呼ばせてもらいます)とは何か?」というテーマで話を進めて参ります。

現代中国は、憲法に「中華人民共和国は中国共産党が領導する」と規定されている通り、全人口の約5%の共産党員により動かされている国家です。皆さん意外に思われるかもしれませんが、中国にも共産党以外の政党(野党)は存在しています。しかしそれらの共産党以外の政党は、共産党からその存在理由を認められている政党であり、共産党に不都合な政党は存在し得ないのです。
因みに現在の国務院(政府)科学技術部の部長(日本で言う大臣)は唯一共産党員ではなく、「致公党」から出ています。この「致公党」というのは華僑が作った政党なのですが、それについてはいずれまた触れる機会があると思います。

実質的に中国共産党の一党独裁により運営されている国家である中国は、将に5%の支配階級が残りの95%の人民を管理することにより成り立っている国家なのです。

さて、その統治機構の問題なのですが、私も中国の内側を垣間見るまでは、中国にも北京大や精華台などの有名大学も存在するし、強固な官僚機構も備えているので、当然に公平な(?)競争試験を勝ち抜いた優秀な人材が国家を運営していると思っておりました。何と言っても中国は「科挙」の伝統の国ですから。


ところが現実に中国政府内部の様々な方々と交流をするうちに、どうやらその実態は随分と違うということが解ってきました。

先ず中国の官僚の話から始めますが、中国で「○○省人民政府書記」とか「○○市党委書記」などという「書記」という役職・肩書が中国の高級官僚です。彼らテクノクラートである書記は「中国共産党中央書記処」により集権的に管理され、「共産党=国家」の様々なレベルの日常業務を執行します。
この書記という役職が、実務者として「偉い人」であることが社会主義国のお約束なんでしょうが、中国全土の様々な単位=工場・学校・病院・市役所に必ず書記が存在して、その管理職である共産党員たちを指導しているです。そして、彼らには当然に数年単位で転勤・移動があり、そのたびに少しづつ地位が上昇(つまりより上部団体の書記に)して行くのです。

現在の中国の国家元首である胡錦涛さんも、その肩書は「中国共産党中央委員会総書記」であり、つまりは書記の親玉ということです。その書記(官僚)のトップが国家元首でもあるわけでから、中国は完全なる官僚支配国家・・・かと思うと実質はそうでもないのです。
(この胡錦涛さんをトップに仰ぐ派閥が「共青同派」または「団派」といいます)


中国の国権の最高機関は「全国人民代表大会(全人代)」ですが、その開催期間は短くて(2週間ほど?)日常的には、「中国共産党中央政治局」が国家行政全般を取り仕切ります。ところが、この中央委員(また委員候補)も数は増減するので今の人数は不明ですが、100名以上であることは間違いありません。それでは迅速な意思決定が出来ないために、「中央政治局委員」という25名の人間が選ばれています。さらにその中から、現在は9名の「中央政治局常務委員」という最高権力者たちが選ばれてその討議により中国の政治の方向が決定します。

つまり、 100⇒25⇒9 というカタチで最高権力のピラミッドが形成されている訳です。

ところがここからが本題なのですが、この25人とか9人という最高意思決定機関に入るためには「暗黙のルール」が存在します。そのルールとは、「基本的に中央政治局委員になるためには、1949年に中華人民共和国が成立した時点で、その成立に貢献のあった108家族を代表する者でなければならない。また、同じ家族からは同時期に中央政治局委員は一人しか出せない」
というものです。(これが所謂「太子党」という派閥の基礎となります)

何故かこの108という数が仏教で謂うところの「煩悩」の数と一致しているのは偶然でしょうか…。

まぁこれは日本で言えば、「明治政府が成立した時点で、明治維新に功績のあった者の子孫しか国会議員になれない」という感じのルールなんです。(笑

そして、この108家族が基本的に現代中国の社会システムの隅々まで支配しているのです。そして、その108家族間の団結は固く、それぞれが婚姻関係を結び複雑に絡み合っています。
そのために、お隣の韓国では大統領が代わる度に、辞めた大統領は逮捕か自殺する運命なのですが、中国では基本的に「前の政権が作った利権には、後の政権は手を出さない」というルールがあるために表面的にはスムーズな政権移譲が行われます。いざとなったら「同じ共産党」ということで大同団結するようです。


このように中国で仕事をするときには、先ず中国が少数のファミリーによって支配されているマフィア国家である現実を理解しなければなりません。そして誰が誰の親戚であるかという人間関係までを理解していないと本当の仕事はできないのです。




川のように長くゆるやかに