ANAのアンバランスな座席
テーマ:航空マニア日記
2012-01-14 09:10:12
この座席表を見てほしい。これは今のANAの国際線の座席表なのだが、実はエコノミーの面積が大変少ないということに気付かないだろうか。座席数で言えば確かにエコノミークラスが139席とビジネスの倍ぐらいあるのだが、面積で言えば全体の1/3ぐらい、機体によっては一番最後の1コンパートメントのみをエコノミーにあてていて、後はほとんどビジネスだ。
同じような路線を以前飛んでいた747-400、いわゆるジャンボにおいては、エコノミーはプレエコ含めて200席、一方でビジネスは今の機体は68席に対してジャンボでは73席、あまり変わってはいない。
JALもANAも昔はジャンボをバンバン飛ばしていたわけだが、今はそれより一回り小さい777を主力にしており、当然一機当たりの席数は減っているのだが、均等に減らしているのではなく、集中的にエコノミーを減らしているのだ。
まあバブルの時代や、海外ツアーの時代に比べて、エコノミーの需要が減っているのかもしれないが、それよりも、ANAの明確な戦略として、エコノミーよりビジネスのプライオリティを明確にしているためだと思う。つまり、エコノミーが満席になって、お客を断ることになっても構わないと思っているのだと思う。
元々民間航空の黎明期には、クラスという概念はなく、そもそも飛行機に乗れるだけで特権階級であるという時代があった。このころは海外出張といえば、親戚一同で羽田に見送りに行ったことだろう。しかし、747というそれまでの飛行機の倍近いキャパシティがある機体の搭乗によって、もっと気軽に海外旅行することが可能になり、クラスは細分化され、ファースト、ビジネス、エコノミーといった区分になっていった。成田のように、需要は高いのに、滑走路の整備が進まないので、乗り入れ便数に制限がある空港には、各社こぞってジャンボを飛ばし、さながらジャンボ銀座という状態になって、みな少しでもエコノミーを埋めようとしたわけだ。ジャンボという新商品が、それまで飛行機に乗っていなかった人を飛行機に乗せる新市場を作ったのだ。
しかし、時代は変わり、短距離を小型機、多頻度、低価格で結ぶLCCというビジネスモデルが生まれ、今まで長距離バスで移動していたような人も飛行機に乗るような新市場が生まれると、既存の航空会社はそれとは差別化するために、ビジネス需要にシフトした。結果的に今までのエコノミークラスという市場は、LCCと既存航空会社に細分化され、同時にLCCは今まで飛行機に乗らなかった顧客を獲得して市場を作り出した。これはLCCという新しいビジネスモデルが新市場を作ったのだと思う。
ただ、今の状況はまだ過渡期的であり、短距離についてはLCCと既存航空会社の区分が成立しているが、実は長距離のLCCというのは、まだ明確には成立していない。もちろんジェットスターやエアアジアXのようにチャレンジしている所はあるが、短距離であれば、少し座席が狭くても我慢できるものの、東京ーニューヨーク間を我慢しろというのはかなり厳しく、明確なビジネスモデルが成立していないと思う。
これを変えるかもしれないのが、今回就航した787やもうすぐ就航するA350XWBで、長距離でも低コストという解をどこかが出してくるかもしれない。(ただANAみたいな既存航空会社が先に受け取っているので、長距離LCCという解ではないかもしれないが)
結局飛行機の歴史を考えると、今まで飛行機に乗らなかった人を取り込んだり、それを細分化したりして新市場を作ってきたわけだが、同じような構図は、家電や自動車、飲食など他のどの産業でもある話だと思う。その一つの例がこの座席表に表れているのだと思う。







1 ■無題
確か、昔はファーストとエコノミーしかなかったところを、80年前後でしたっけ、企業戦士向けにビジネス席ができたんですよね。それが今は飛行機で一番面積を取っているとは。
夏休みにヨーロッパに行くときはLHの380ぐらいしかあいていないからなぁ。エコノミー席、足りないのかも。
でも、私としては、航空会社にいはビジネスでしっかり儲けてもらい、できるだけ安いエコノミー席を供給し続けてほしいです。そして、ビジネスへの押し出しアップグレードに期待!
めったにありませんが。