アドベンチャーゲームのシリーズ終焉・衰退のパターン
売れなくなったり終わってしまったシリーズは数あれど、
シリーズ衰退の原因については考えたことはあるまい。
ということで、今回はそれを考えてみる趣旨の記事。
【アドベンチャーゲームのシリーズ終焉・衰退のパターン】
+パターン1 「クリエイターの出世」


例…『探偵・癸生川凌介事件譚』『ファミコン探偵倶楽部』『小島秀夫ADVシリーズ』など
非常にまれなケースではあるが、クリエイターの出世によって衰退したシリーズもある。
代表的なのは『ファミコン探偵倶楽部』における※坂本賀勇(1)や、
最近ではメインライターが某社に引き抜かれた『探偵・癸生川凌介事件譚』など。
この二つはシリーズとしては続いたものの、統括者が居なくなったため
シリーズが迷走したり、現在では完全に終わったものとして扱われている。
逆に言えば、そのシリーズの作者となるクリエイターが居るということでもあるため、
アドベンチャーが非常に作家性の高いジャンルであるという証明ともいえる。
このパターンは成功者だけではなく、
出世して独立すると成りを潜めた菅野ひろゆきや、
『ゼロヨンチャンプ』で出世し『クロス探偵物語』でお星様となった神長豊など、
お世辞にも良い方向に進めなかったクリエイターも居ることは忘れてはならない。
いやむしろユーザーやシリーズファンには良いとばっちりではある。
『逆転裁判』の巧舟なんかも、その作家性の高さから
このパターンに入りそうだが、はたしてどっちに転ぶんでしょうか。
※須田剛一(2)…?あの人の作家性にはジャンルを卓越したものがあるんで。


※(1)坂本賀勇 任天堂企画開発本部企画開発部課長。つまり何か知らんが凄い偉い人。ディスクシステムで発売された『メトロイド』が代表作で、現在でもシリーズ統括を行っている。ほかにも『メイドインワリオ』も有名。『ファミコン探偵倶楽部』ではディスクシステムで発売された2作の原作を勤めた。
※(2)須田剛一 グラスホッパーマニファクチュア(株)代表取締役。別名「SUDA51(スダ・フィフティーワン)」。元葬儀屋。ゲーム界のパンク提言者であり、自身がパンクなゲームを作り続けた関係で業界では受けるもののゲームは全然売れない(特に国内)という困った袋小路に入り込んだ男。デビュー初期は(今もだけど)やってることが意味不明すぎて『ムーンライトシンドローム』ではシリーズファンから強烈なバッシングを受けていたが、グラスホッパーを設立後は『シルバー事件』などで信奉者を着々と増やし、現在ではコアなゲームファンなら誰でも知ってるクリエイターの一人となっている。
+パターン2 「ゲームデザインや設定が時代遅れに」

例…数多数。
シリーズが長く続くと入り込んでしまうジレンマ。
ゲームデザインが固定化したシリーズでは世代やトレンドが変化すると、
それ自体が時代においていかれ、新規層は取れず従来ファンも少なくなり
商業的にもゲーム的にも先細ってゆく…というパターンがメジャー。
具体的名例を挙げれば『J.B.ハロルド』シリーズなんかが最も解りやすいが、
他にも赤川サウンドノベルや『PSYCHIC DETECTIVE』など衰退例は枚挙に留まらない。
原因はこのジャンルは意外とトレンドの入れ替えが激しく、
そしてユーザーから評価される部分はシナリオライターに依存していることが多いため、
タイトルの回転率が高く、したがって時代遅れになるシリーズが出て来易いため。
※CiNG(3)の様に仕切りなおしで新シリーズを立ち上げた例もあるが、
やはり継続して活躍するシリーズとなるとかなり数が絞られて行き、
このジャンルで20年選手は※『探偵 神宮寺三郎』シリーズ(4)ぐらいしか見当たらない。


※(3)CiNG 福岡の老舗PCソフトメーカーであるリバーヒルソフトに所属していたクリエイターが独立して作られた開発会社。デビュー作はTOKIO松岡昌宏が主演することで有名な『玻璃ノ薔薇』…だが、やはりDSで展開された『アナザーコード』『ウィッシュルーム』の2作が最も有名だろう。
※(4)探偵神宮寺三郎シリーズ 今年でシリーズ23年目に入った、ハードボイルド探偵アドベンチャーゲーム。浮き沈みの激しいこのジャンルで、80年代から生き残っている国内シリーズといったら、これと『J.B.ハロルド』『藤堂龍之介』シリーズ(両方共に10年以上休眠している。)ぐらいしかないだろう。定期的に休眠することが有名なシリーズでもあり、FCからPSで発売されるまでで6年。PS2からDSへの移行では、3年ほど待たされることとなった。脚本は野島一成(代表作『FFⅦ』)や佐藤嗣麻子(代表作『鬼武者』『K-20 怪人二十面相・伝』)など後の有名人が勤めることが多かった。過去形。
+パターン3 「メーカーが倒産。」


例…『トワイライトシンドローム』『御神楽少女探偵団』など
これについては原因を言うまでもない気が。
このパターンが悪質なのは無名なシリーズだった場合は当然ながら消えてゆくのだが、
人気シリーズだと権利が切り売りされ、※アダルトゲーム業界へ
少なくなった固定客から、胡麻の油となんとやらで最後の需要を搾り取られたり(5)、
シリーズファンはろくな目にあわないのが通例であるため。
最近ではケータイアプリでの移植が発売されるというのもトレンドだが、
基本的には新作は出てこないし、出てきても良いことは滅多に無い。
当然ながらシリーズが継続するためしが殆ど無いので、ファンにはたまったものではない。
まあ、この問題については、アドベンチャーに限った話ではないか。


※(5)株式会社ヒューマンが権利を持っていた作品のこと 1999年までゲーム開発販売を行っていたメーカー。ゲームスクールを兼業していた関係なのか、須田剛一(グラスホッパーマニファクチュア)、志倉千代丸(5pb.)、河野一二三(ヌードメーカー)など出世頭が多く在籍していた。実験作がやたらと多く、今でもカルトなファンが多い。あと画像右は関係ない。ここが元の権利を持っていた作品は、深作欣司の遺作として有名な『クロックタワー3』や『新観神楽少女探偵団』など、ファンが深く傷つくケースがかなり多い。データイーストの権利化にあった作品もこの法則に当てはまる。
+パターン4 「過去シリーズのデキが良すぎて超えられない壁に。」


例…『サウンドノベルシリーズ』『infinityシリーズ』『逆転裁判』シリーズなど
衰退では最もメジャーなパターンではなかろうか。
過去に展開された作品の出来があまりにも良すぎるため、
新作が出てきても、高すぎる期待に応えきれなくなったというケース。
例を挙げれば『弟切草』から『街』からのチュンソフトサウンドノベルや、
『EVER17』以降のinfinityシリーズなどはこのドツボにはまっていた。
この過去作の高評価にはその当時の思い出やインパクトなど、
最早クリエイターにはコントロールできない要素もあるため非常に厄介で、
結局超えることなくひっそりと消えてゆく…というのが通例。
サウンドノベルにおける『428』での逆境を跳ね返す高評価は非常に稀なケースだが、
ただしセールスとしてはやはり回復することは無かったので、衰退傾向に変化は無い。
また、最高傑作と謳われる作品の次回作が決まって酷評を受けるという、
かなり嫌なジンクスも抱えているのが特徴でもある。
まあ原因はハードルが上がりすぎというのは間違いないが。
+パターン5 「ハードの移行に失敗」


例…『やるドラ』『アナザーコード;R』など
まあ要は需要が読めなかったのが仇になってしまったパターン。
例えば『やるドラ』のPS2移行に発売された『SCANDAL』は
ハード発売直後にリリースされたソフトだったのだが、
実績のあるシリーズ+中古の出易いゲームデザイン+普及しきれないPS2のコンボで、
完全に需要と供給のバランスが崩れた結果、急速な値崩れを体験。そしてイメージ悪化。
その後は正当な「やるドラ」が発売されなかったため、シリーズは終焉を迎える。
これはクオリティー(※『SCANDAL』がアレ(6)なのには突っ込み不要)よりも、
メーカーの戦略の問題が衰退の原因と見て間違いないだろう。
実際、『やるドラ』のSCEは他にも大量の自社タイトルが続々と弱体化してたりする。
もう一つの例に出している『アナザーコード;R』については、
携帯機から据置き機への以降が失敗したのが原因で、
根本の部分は違うがこちらも要は需要を読めなかった戦略ミス。
トレンドの変化もあって携帯機もこの不振に巻き込まれてる気がするのは、
ファンとしては非常に気がかりだが、まあこれについてはまだ様子見。

※(6)『SCANDAL』がアレ この作品はシナリオがベタだったり、分岐が単なる○×問題化しているだけだったため『やるドラ』ファンからはなかったこととして扱われることが多い。とはいえこのシリーズ、実際は『季節を抱きしめて』や『サンパギータ』のころから話としてはとてつもなくベタで、そしてとてつもなく下らなかった。なんせ『サンパギータ』プレイ当時は、ヒロインを演じた林原めぐみのイメージビデオ(時代はエヴァ全盛の不毛な声優ブーム真っ只中。そーいう趣旨のアニメが異常に多かった。)かと思ったぐらいつまんなかったもの。つまり最初からこのシリーズは当たり外れがかなり極端なのよ。
【コメント】
実家から帰るのに時間がかかったので、ちょっと更新時間が遅れた。
昭和タイムボカンの実質最終作である『イッパツマン』のED『シビビーン・ラプソディ』。
イッパツマン自体はヤッターマンや初代に続く人気タイトルではあるのだが、
平成も20年超えた今、果たして知っている人はどれだけいるんでしょーか。
いや『TATSUNOKO VS. CAPCOM』に参戦してはいたんだけどな。うん。
ということでこの曲である。名コミックソング揃いのタイムボカンでも、
かなり、すごく、哀愁を感じる楽曲。そして28年以上経過した今でも通用する歌詞。
でも何故かノリが良いのはタイムボカンではシリーズ通して楽曲を提供していた
山本正之節といったところか。『イタダキマン』はって?記憶に無いです…。










1 ■無題
パターン3 「メーカーが倒産。」
の補足部分の画像右は話の流れ的にDS版じゃなくてPSP版を上げた方が絶対いいと思いました(ユーザーを失望させたのはPSP版だったので)
過去シリーズの出来が良すぎたというのは思い出補正が年を追うごとに上がっていくせいもありますよね、期間空け過ぎると佳作~良作レベルでも駄作扱いされてしまうことがちょくちょく・・・AVGよりACT系の方が多いかもしれませんがw
後原因としてありそうなのは・・・単純に数を重ねることによる出来の低下(初期設定に縛られて、ネタが尽きてex.トムキャットの推理シリーズ)とか・・・厳しいというか範例すぎましたなorz