先日、高校の同級生4人で飲みました。
1次会、2次会と飲み歩き、さらに次に行こうと思ったのですが、
繁華街にあるお店はどこも人がいっぱいで入れません。
「お客様、ただいま満席でして・・。申し訳ございません。」
すると同級生の一人が言いました。
「う~ん、しょうがない。あそこに行くか・・・」
そして、彼は私たちを繁華街から少し離れた、しかも路地のひっそりとしたところにある一軒の小さなスナックに連れて行ってくれました。
店内を見渡すと5人ほど座ることができるカウンターとその奥に小さなテーブルが2つあるだけ。カウンターは常連さんで埋まっていたので、奥のテーブルでまた飲み始めたのですが、私はそのお店であることに気がつきました。それは・・・。
【異様にママの口が悪い! (T-T) 】
「え~っ!そんなことをお客さんに言っちゃうの??」
と思うほど、口が悪い。
しかし、不思議なことにバカだのハゲだのチビだのと言われている常連さんはニコニコしています。むしろそれを喜んでいるようにも見えます。
後から入ってきたお客さんを見るやいなや
『なんだおよぉ。どこ行ってたんだ。
しばらく来なかったじゃないか、このバカ!』
と言いながら、ママはそのお客さんの頭をバシバシ叩いています。
酔った頭で私は次のようなことを考えていました。
『これって差別化なのかぁ!?』
同級生に聞くと、このお店は彼がまだ新入社員だった頃から毎週のように上司と飲みに来ているお店だそうです。ということはこのお店は少なくとも30年以上続いているということですね。
繁華街にあるお店はどんどん入れ替わっているけれど、このお店はず~っとここで営業をしてきたわけです。つまり、経営がなりたっているということ。
お酒は他のお店で扱っているものと同じ。
おつまみもママお手製のはくさいの漬物だけ。
カラオケも他のお店となんら変わりはありません。
繁華街にある他のお店と違っているのはメインストリートから少し離れた路地にあると言うことと、【異様にママの口が悪い! (T-T) 】ということ。
たぶん、繁華街にあるナショナルチェーンの居酒屋ではお客に向かって
『バカ!ハゲ!チビ!』
とは絶対に言わないですよね。
でも、ママのお店は激戦の駅前エリアで30年以上も経営が続いていることも事実。
ママお手製のはくさいの漬物をポリポリとかじりながら水割りを飲み、
ますます酔った私は次のようなことを考えていました。
『ママはもしかしたら【客層で差別化】しているのかぁ・・??』
弱者の基本戦略は差別化。
事業領域で差別化する人もいる。
商品で差別化する人もいる。
サービスで差別化する人もいる。
価格で差別化する人もいる。
流通経路で差別化する人もいる。
立地で差別化する人もいる。
イメージや広告、販促で差別化する人もいる。
理念で差別化する人もいる。
そして、客層で差別化する人もいるのだ。
怒られて、叱られて、お酒を飲むのが好きな人も
一定数いるのかもしれません。
もしかするとそんな人にとっては
「お客様、いらっしゃいませ。いつもありがとうございます。」
と、どこにいっても同じ扱いを受けるお店は物足りないのかもしれない・・。
日本中、どこに行っても同じような店ばかり。
だから、
「どこの店でもいいよ。安いとこに行こ!」
となる。
テーブルに山のように盛られた漬物をポリポリとかじりながら、もう一杯水割りを飲んでいると、お店のドアが開いて3人組の男性が入ってきました。
ママがすかさず挨拶します。
『なんだおよぉ。
今頃来ても入れないよ。
このアホー!』
商売は奥が深い・・・。
PS.
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