大河原立ちの極意・ザクBOOK〈その2〉/大河原ザクを求めて(41) | アディクトリポート

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4ヶ月前の6月1日に、

ザクBOOK・誰のものでもないザク〈その1〉


というのを書いておきながら、〈その2〉以降がなかったので、今日はようやく、それです

これは宇宙戦艦ヤマトでもそうだが、
「そもそもアニメの設定画や劇中の画には、二次元ならではのウソがあって、そっくりそのままの立体化は不可能」
というのが、長年プラモ等の商品が、ファンのイメージと異なることの方便(言い訳)に使われていた。

それはあながちウソでもないが、近年は2Dと3Dのイメージギャップは、極限まで縮められている。

toresu

↑同じMS(モビルスーツ)でも、画力の確かな安彦良和の描いたガンダムの方は、立体でのトレースがほぼ完了の域に達している。
右は全高35センチのプライズソフビ。

大河原邦男の設定画のザクについても同様で、カトキ処理されてしまった近年のガンプラ小顔ザクは論外でも、

にてねえ

↑(左)ガンプラMGの1/100ザクVer.2.0。
右の設定画と並べると、頭身や各部形状に相当開きがあるのがわかる。

同じバンダイの別セクションからの製品には、ホネのあるものが増えている。

くじ

↑(左)上記35センチガンダムとほぼ同大の、一番くじ景品一等のソフビフィギュア。右の設定画のイメージに極力近づけて造形されているが、描き手が安彦良和でないため、現実の立体での忠実再現は、きわめて困難なのが見て取れる。


またメーカーでなくモデラーでも、プロの提案に刺激されて、

岡プロの「モナカキット」ガンプラ改造講座/著者不明
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MSVモデリングカタログ―1/144+α/月刊モデルグラフィックス
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個人モデラーでも、おなじみの設定画の立体再現にこそ心血を注ぐ人もいて、その代表が、ざく太郎さん(カズ@zakuさんから改称)のブログ、

ジオン驚異のメカニズム

だということには、このブログでも、前に二度ほど触れたことがある。

1回目




しかし、さしものざく太郎氏でも、設定画どおりにできないところがあって、

どーですか

それは、両脚の開き加減と、隙間にできる空間だった。

どうだっ

しかしこれは、設定画が歪んで描いてるだけのことにすぎず、


めいさい

↑Jタイプの迷彩

その歪んだ絵の通りにならないから、即刻ダメな立体というわけではないし、他の立体でもここをクリアしたものを目にした覚えはないんで、

kyuuzaku

↑MS-05旧ザク

ないものねだりというか、これ以上を望むのは酷じゃないかと思ってた。

ぐっふ

↑MS-07Bグフ。


ところが、ザクBOOKを眺めていたら、

モビルスーツ全集3 ザクBOOK (双葉社MOOK)/著者不明
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脚の開きが、ほぼ設定画どおりの画像があるではないか!
このように。

600

↓実際には、ファースト当時の設定画(左)よりも、

プラモMG(1995年発売)用の設定を流用した、『第08MS小隊』の陸戦型ザクⅡ(MS-06JC・右)

以降のスタイルに準じている。

ishi

これらは実際の立体でなくCGとはいえ、三次元データで可能なことは、現実の三次元空間でも可能なはず。

sennyou

↓左から、MSV(モビルスーツバリエーション)のMS-06Sシャア専用機、MS-06J指揮官機、MSV-RのMS-06S黒い三連星ガイア機。

sannrenn

どうなってるのかをよく見ると、脚を左右均等に八の字に大きく広げる仁王立ちではなく、

hyuyuy 

↓機種はMS-06K。通称ザクキャノン。

kyanonn

↓上述のMSVモデリングカタログでも、脚の開き具合までは再現されていない。

右足を若干引き気味に、左足を少しだけ前に踏み出しているらしい。


なるほどね。

この左右非対称のポーズこそが、大河原立ちの秘密だったのか!


すると、ざく太郎さんのブログで、

7/27から、HGUC(ハイグレードユニバーサルセンチュリー)ザクの製作が始まって、


HGUC 1/144 MS-06 量産型ザク (機動戦士ガンダム)/バンダイ
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↓素組みだとこういうザクが、

HGUC

各所を修正され、パイプをスプリングに置き換えたり、

supurionngu


そのパイプにメタルパーツをかぶせたりして、

↓サフを吹いた状態の時には、

paipu

しっかり大河原立ちをしているではないか!

zurari

ここまでザクにこだわっている人を、私は他に知らない……。

sannrei

↑左から素組みのHGUCザク、ザク太郎氏の徹底改修版、MSVのMS-06F画稿。

<復刻版>機動戦士ガンダムモビルスーツバリエーション(1)ザク編 (KCデラックス)/著者不明
¥840
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ざく太郎氏の快進撃は止まらず、全てのMSが見違えるような迫力の完成品に仕上がっているので、

harawo

↑現時点で最新完成作のアッグガイ。オリジナルの滑稽さが後退して、毒蛇のようなおどろおどろしさが増している。

ぜひぜひ、サイト「ジオン驚異のメカニズム」をご覧ください。


今日はこんなところで。


本ブログでのガンダムネタも、まだまだ続きま~す。