2006年04月30日 23時33分00秒

MOTHER3クリア。(愛とは何か、MOTHER3は名作か、駄作か)

テーマ:MOTHER3

 愛、なんて言葉を振りかざす奴はキチガイだ。


 2時間映画のラストでお決まりの様に出てくる「I love you」というセリフ(洋画に多い)。


 毎週決まった曜日、決まった時間に放送される連続ドラマにおいて、美男美女が演じる男女において交わされる「好き」という言葉と同義であろう「愛」。


 お決まりのJポップミュージックに合わせて、さも当然のように出てくる「愛してる」という単語。


 僕にはそれら「愛」を使って表現されるもの全てが薄っぺらく陳腐なものに聞こえてくる。愛なんてものを気楽に振りかざす連中は、そしてそれに感応する奴等とは関わり合いになりたくない、とまで思う事もある。そもそも愛ってなんだ?


 愛とは何か、わからない。とりあえず机に常時置いてある広辞苑(第五版)を引っ張ってみた。


あい【愛】

1.親兄弟のいくしみ合う心。

2.男女間の、相手を慕う情。恋。

3.かわいがること。大切にすること。(伽、七草草紙の引用)

4.このむこと。めでること。(醒睡笑の引用)

5.愛嬌、愛想。(二代男の引用)

6.おしむこと。

7.[仏]愛欲。愛着。渇愛。

8.キリスト教で、神が、自らを犠牲にして、人間をあまねく限りなくいつくしむこと。

9.愛蘭(アイルランドの略)


 辞書引く前より「愛」とは何か意味がわからなくなった。なんだよ、アイルランドの略って。そんなこと知りたくて広辞苑なんて重くて高いものを買ったわけじゃない。というか、広辞苑の使い方を間違えてますね、僕。


 とりあえず、愛なんてものは僕にはわからないものなんだな、という事を再確認はできました。人から「愛ってなに?」と聞かれたら今の僕だったら「え?卓球の愛ちゃん?17歳でオリンピックだって!3歳から卓球を始めて、夢を実現するなんてすごいよね!」って答えてしまうほど今の僕は愛というものから縁遠いところにいる。


 また世間一般の「愛」といものに対する認識はどうか?と考えると、僕も経験があるのですが、思春期になってくると「愛と恋はどう違うの?」という議論をすると思います。ラジオとかでもそういったリスナーからの質問葉書をDJが読んでいて、愛と恋の違いについて葉書を募集して読んでいる、そんな光景は昔も今も同じだと思う。最近ラジオ聞いてないなー。


 そこでは「恋は自分勝手な独り善がり、愛は相手の事を考えているもの」みたいな青臭い葉書が色々と送られてくるんですけど結局、「これ!」といった結論は出ずにコーナーは終わる。日本の大人だって明確に「愛」なんてものを説明できる人はいない。質問されたら答えに詰まる人か、適当にはぐらかす人ばかりだと思います。つまり現状日本で出回ってる範囲で言えば「愛」なんてものを、万人に定性的に説明出来る奴なんて誰もいないんだと思います。


 ちなみに「愛とは相手の事を考えているもの」という恐らく一番ステレオタイプな答えは、広辞苑によるとキリスト教起因みたいですね。かといってキリスト教圏の人々が「愛」というものを明確に認識しているとは思えませんけど。恐らく、「愛」というものに対する認識は日本とどっこいどっこいなのではないでしょうか。


 また、上の広辞苑引用における3~5はそれぞれ日本文学にそういったシーンがあって、近代の人がそれを「愛」と定義付けただけでしょう。特にこだわるところじゃないですね。


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ここからMOTHERの話に入ります。直接的なネタバレはしてませんが、クリアしてない人は見ない方が絶対にいいと思います

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 さて、タイトルが「MOTHER3クリア。(愛とは何か、MOTHER3は名作か、駄作か)」なのに、よくわからない導入で始まってしまいましたが、さきほどMOTHER3クリアしました。25時間くらいかかったかな?いやー、面白かったです。ここ数年でトップクラスに入る出来だと思います。見事にハマりました。1と2を両方遊んだ人にはぜひともやって欲しい。

 感想としてはもの凄く丁寧に、しかも計算的に作ってあるなと思いました。

 1つ例を出すとラスト前に「フェノメノ」っていう雑魚敵が出てくるんですけど、こいつは電の全体攻撃をしてくる。この雷の全体攻撃で主人公だけはフランクリンバッチで雷をはね返す事が出来るのだけども、他の3人は雷の攻撃を受けてしまう。

 注意しないとこれは「他と変わりない普通の雑魚戦で、敵が雷全体攻撃してきた」。という受け止めをするだけなんですけど、実はこれには制作側の「主人公だけは雷の攻撃を受けない」という「事実」をプレイヤーに植えつけるペテンだと思うんです。このペテンを行う事により、後のイベントで主人公以外は雷攻撃で戦闘に参加できない、という理不尽を感じない説得力を心理的に植えつけてるんだと思います。

 20時間以上かかるMOTHER3で雷の全体攻撃をしてくる敵なんてラスト直前のここで初めて遭遇したのでとても印象的でした。これは計算的だな、とも思いました(違うかも)。

 あと僕は犬が使える「匂いを嗅ぐ」というコマンドが大好きで、新しい敵に遭うと必ず行ってました。今回の犬はとても活躍しました。匂いを嗅ぐと「氷に弱い匂いがする!」と表示され、相手の弱点がわかります。相手の弱点を突いて戦う方が楽に戦闘を運べるし、何より弱点を突いた戦いというのはそれだけ面白い。今回、3になってから犬がメインパーティに加わったのですが、恐らくこの「匂いを嗅ぐ」というコマンドを使いたかったという点もあると思う。 「匂い」というのは例え臭かろうと、それだけで人の暖かい部分の個性を示すものですから。

 ある戦闘で匂いがない敵がいるんです。その時表示されるメッセージが

「しかし においを かぎとることが できなかった」

と出ます。

 僕にはその相手に匂いがないという事に、どうしようもなくかわいそうに感じてしまいまって、なんとか相手の匂いを探してやろうと、何度もこのコマンドを選んでしまいました。しかし匂いを嗅ぐというコマンドに対して出る結果はいつも同じ。結局最後まで匂いは嗅ぎ取る事はできなかった。

「しかし においを かぎとることが できなかった」

ではなく、

「しかし においが なかった」

 というメッセージ表示だったら僕は無駄だとわかってるコマンドを何度も選んでいなかった。この戦闘で、ちょっとだけ切なくなりました。間違いなくこれは制作側の計算ずくのメッセージだったと思いました。

 で、MOTHER3のストーリー部分の話なんですけど、7章クリアしたところでは、ここからタツマイリ村の変化の話の終点が始まるんだな、と思ってました。最初はお金という概念すらなかった村から、最終的には一般家庭にプラズマテレビが並んでいて、その先に村がどうなるのか、という話だと思ったんですけど、クリアしてみると的外れでした。村の連中の後日談が語られてなかった。もしかしたら最後の選択で語られていない方に分岐したのかもしれません。


 まぁ、それはそれとして、ラスト付近はジーンがきた。正直、7章まではで「奇妙で、おもしろい。そして、せつない」というキャッチコピーの意味が実感出来なかったのですが、8章ラストのお話はせつなかった。ちょっと泣いてしまいましたもの。面白いのは全編ずっとでした。特に大きな中だるみもなかった。


 8章の感想としては、映画ニューシネマパラダイスの登場人物が出てきたりして「くすっ・・・」と笑いました。けれども工事現場でのダッシュ体当たりで道を作っていくところは、とても怖くて、とてもMOTHERっぽいと思います。現実に置き換えるととんでもなく怖い。というか、ゲームでも怖いです。

 クリア直後の感想としてまず思ったのはMOTHER3」は愛の話だった、ということ。気づいてみればメインテーマは「愛のテーマ」。MOTHER3はこの記事の冒頭で触れていた、「よくわからない愛」がテーマなんだと思うんです。

 以前、Dの食卓、リアルサウンド 風のリグレットで有名な飯野賢治さんのラジオ番組「ナイトワープ」で糸井重里さんがゲストで来た際(1997年くらい、64版MOTHER3制作中)、なぜ自分がゲームで作っているか、という事に関して語っていました。この回で糸井さんと飯野さんは、ゲームの作り方について熱く語っていました。ゲームクリエイターを目指す方はためになる回かもしれません。ゲームにプレイヤーを引き込むように作るのが如何に難しいか語っている時の糸井さんの発言の引用です。


糸井「(プレイヤーを)短い時間振り向かせるのは色んなやり方があるんですよ。反射的にこっち向かせるやり方っていうのはそれはもう釣りと同じで、、餌で食わせるか、おどかして食わせるかで違うわけですから。手法はいっぱいあるんですよ。それをあの(長い)時間、付き合わせるゲームっていう。これは映画にも出来ないんですね。ただ、一旦(ゲームに)入っちゃってくれると、凄い陳腐な言葉をその人なりにとらえて、素晴らしい深みのある言葉に変えてくれたりするんですよね。お客さんが。だからゲームがやりたくなったのはそれなんですよ。は君を愛してる、っていうセリフが書けるんですよ、ゲームは。小説で書いたらバカらしいんですけどね。・・・・


 この記事の冒頭で、

>2時間映画のラストでお決まりの様に

>出てくる「I love you」というセリフ(洋画に多い)。

>

>毎週決まった曜日、決まった時間に放送される

>連続ドラマにおいて、美男美女が演じる男女において

>交わされる「好き」という言葉と同義であろう「愛」。

>

>お決まりのJポップミュージックに合わせて、

>さも当然のように出てくる「愛してる」という単語。

で「愛」という言葉は陳腐だと、批判しました。

 つまりたった2時間程度しか時間観ているだけの産業映画や、1週間に1時間しか見ないだろう話ブツ切りテレビドラマで出てくる「愛」と、20時間というクソ長い時間、主人公を操らせてゲームに感情移入させる事が出来るゲームによって語られる「愛」とではその重みが全く違ってくるのではないでしょうか。

 僕が思うに愛というものは実に不確定で、「愛」という言葉はそれを受け取る人によってぼんやり違うものに、人によっては全く違うものになると思います。「愛」というものを一つに定めようとして人と話し合っても定まらないもの、定まったと思ってもきっと二人が思ってる愛には大きな隔たりがあると思います。そんな愛を軽々しく使うと

限りなく陳腐に聞こえてしまう。しかし20時間という時間をかけてゲームに没頭してくれれば、愛という言葉はとても深みがある言葉になる。ゲームにはそれが出来る。


  しかし、MOTHER3クリアした感想でまさか愛を語る事になるとは思わなかった。まがいものでも愛なんて語る自分がキモイし、恥ずかしい。


 とは言っても、上で糸井さんが述べているゲームの利点を生かしているゲームは僕の知る限り、MOTHERくらいしか思いつきません。市場に出回っているほとんどのゲームは、RPGだったらこう作るよね、アクションだったらこう作るよね、続編だからこうだよね、とルール通りに作ってて出来た規格通りのゲームばかりと思う。

 ゲームは技術的には進化しているんでしょうけど、歪(いびつ)な進化をしていると思います。最近の風潮として、受け取り側に関しても2週目特典はあるの?というのを気にしたり、アイテムコンプリートするのが目的のゲーマーが増えている。最強データ作ったら満足、コンプリートデータ作ったらこのゲームおしまい。そういうゲームの目的はデータ作り、という人が増えている気がする。最近までやっていたファイナルファンタジー12の最強の矛の取得条件とかひどすぎる。あと俺みたいなゲーマーのためにアーシェとパンネロのケツをあんなにエロくしたのか。

 映画やテレビドラマ、漫画などを見ていても思うんですが「テレビから出て来い!」「紙から出て来い!」と思うんです。テレビ画面から、漫画雑誌の紙の上から出てきて僕の心をわし掴みにするものがあまりにも少ない。今出回ってるほとんどのものが、テレビ内だけで完結しているもの、紙の中で完結しているただ消費されるだけのものが多すぎる。デビルマンを初めて読んだ時に感じたあの恐怖感大脱走を見た後に感じた、自分も穴を掘りたい!といった感情を揺さぶられる事はもうないんでしょうか?最近遊んだファイナルファンタジー12なんて何も感じない、どうでもいい話でした。ファイナルファンタジー10は面白かったですが、所詮ゲーム内話にとどまってました。化け物を召還してる世界のファイナルファンタジーがで、ゲームの外に出てくるのは難しいかもしれません。その点、ドラクエ5は親子3世代にわたる冒険のお話で、よく出来てました。ドラクエ5では本当に感情移入させられてしまって、奴隷にされたり石にされた時は本当にどうしようと思いましたし、親の仇や妻の仇(死んでない)と戦うときももの凄く感情移入できました。

 何の話をしていたか忘れました。MOTHER3はよくわからない「愛」がテーマだった、という話ですね。で、ゲームは各自自分なりの「愛」を作っていくという話。

 ラストバトルの演出は、相変わらずMOTHERなんですけどこのラストバトルの演出でジーンと来てしまうか、陳腐と感じるかはどれだけMOTHER3の世界に自分なりに没頭できたかにかかってくるのだと思います。20数時間かけて、ゲームに入ってしまえればあの演出で泣けるし、逆にそれが出来なかったら陳腐なものと写ってしまうかもしれません。

 MOTHER3が名作か、駄作か当然合う、合わないもあるでしょうが、ゲーム内世界にどれだけ没頭できたかで決まるのではないでしょうか。その没頭度によって最後の最後の、ラストバトルよりもさらに陳腐な演出で、テレビ画面から心をわし掴みされるかどうか、というところでしょうか。(僕は最後で「いいえ」を選んだので、気が気でなくて没頭が解けてしまいました。)



愛、なんて言葉を簡単に振りかざす奴はキチガイだと思う。

でも、そんな僕でも「愛らしきもの」を実感させてくれ、

世界を救うまではいかないけど、自分もちょっと頑張ろうかな、

と思わせてくれるゲーム。それが僕のMOTEHR3。


 次にMOTHER3をやる時は結婚して、子供が出来て、自分が父親になってからやりたいですね。きっと違う感じ方が出来ると思います。


 思った事を書いてたらクソ長い文章になったな、と思って文字数を数えたら6065文字もありました。400字詰めで15枚。読書感想文が丸々3つ入る。

 そういえば僕が小学生の頃は読書感想文は鉛筆で書いてましたが、パソコン使うようになると鉛筆で文章なんてありえないですね、文の入れ替えとかできないじゃないですか。最近の小中学生はパソコンで読書感想文書いて、メールで提出してるんでしょうか。それともやっぱり編集できない鉛筆でしょうか。



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