隠の王（なばりのおう） 第16話「遠来の客」
だが、それはただの演技であり、本心は彼らが全て集めたならばそれを纏めて横取りする算段だった。 これで４つが灰狼衆に渡り、残すところは萬天の『円月輪』のみとなった。 だが『円月輪』はその存在すらも謎に包まれた禁術だった。 森羅万象によって宵風の致命傷は完全に癒されていた。 天立和穂が宵風に出来るのは、せいぜい痛み止めを渡す事だけだった。 
それは彼が死ねない身体、不老不死の人間だからだった。 ３００年前の森羅万象の使い手が研究した実験体の生き残り、それが彼ともう一体。 彼らは森羅万象で身体を元の状態に戻すため、森羅万象の噂を聞きつけては流れ歩いていた。 10年前にもその場へと向かっていたが、当時の記憶は彼らも消えている。 
宵風のためにも森羅万象を早く使いたくなりたい壬晴は、服部柊十郎に禁術の研究は進んでいるのかと問いかけるが、芳しい答えは得られない。 
帷は森羅万象を使わせるつもりが無い事、それは虹一の望みも叶わないことになると告げる。 だが虹一はそれを理解していながら、自分の望みに反して森羅万象を封じる道を選んでいた。 虹一は帷が当時の事と、森羅万象について何かを知っていた事を見抜いていた。 『円月輪』の秘術書の在り処もまた知っているという虹一。 
萬天に向かった壬晴と宵風。 帷から情報が引き出せないのを承知の壬晴は、彼の同棲相手である関英から情報を得ようと考える。宵風は表の世の彼女を巻き込むのを嫌いながらも、灰狼衆が強硬手段に出る可能性も考えて壬晴の提案に乗る。 壬晴と宵風を歓迎する英。 
壬晴は宵風に催促されて、英に円月輪について問いかけるが、英は陰の世の事は一切干渉しないというのが彼女と帷のルールだと告げる。 
大好きだった母親からナイフで切りつけられた記憶の邂逅、宵風は激しく同様する。 
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やはり一番黒い人は風魔小太郎。しかしどうやって灰狼衆の手にある禁術書を奪い取るつもりなんだろうか。
既に誰かが灰狼衆の中枢に潜り込んでいるとかなのだろうか。
黒岡野しじまの正体は壬晴が飼っていた白猫？
もう一「体」とか表現しているので、猫が本当の姿なんだろうな。
和彦が英を人質にしようとしたりするのだろうか？ そうなったら宵風たちと対立しそうな気もするけど。
和彦が普段はやる気を見せていないくせに、禁術書を集める事を自分が成し遂げる、と強く主張するのには、何か設定があるのか？
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