中山貴弘センター長のブログ

不妊治療にたずさわる生殖医療専門医が、体外受精をはじめとする不妊治療について日々考えていることを、自らの体験談をまじえながら話していきます。 


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私は週に1~2回ですがダイエットのためジムに泳ぎに行っております。

 

泳ぐのはとても心地よくて楽しく、良い雰囲気のジムなのですが、

 

ただ一つ不満あり。

 

それは、

 

・・・・・

 

お風呂のお湯が熱すぎる!

 

一応表示には42度ですと書いてありますが、

 

「これ絶対ちゃうやろ!」というくらい熱い。

 

「絶対43度、ヘタしたら43.5度あるわ。これ。」とかなり疑いの目をもって、いつも浴槽を横目で見ながら、

 

水温40度のシャワーを浴びています(熱くて入れない)。

 

そして水風呂、

 

これがむちゃくちゃ冷たい! 入っている人見たことない。

 

「絶対、水道水そのまま入れてるやろ!」

 

「大寒波きて水道管凍結した日の水温はほとんど0度やろ!」 

 

風呂でむちゃくちゃ熱くて、次、水風呂でむちゃくちゃ冷たい、、、

 

「どっちも入られへんやろ!これ拷問かい?!」

 

・・・・・・

 

え~

 

とまあ、

 

そうゆうわけでこのような急激な温度変化は、絶対、体(心臓)に良くないと思います。

 

人間、体調を崩しやすいのは日々の寒暖の差が大きい時なんですね。

 

毎日、斎場の前を通って出勤しますが、急に暑くなったり、急に寒くなったりした後は葬儀がどうも多くなるような印象があります。

 

なので、長生きしようと思ったら気温が暑かろうが寒かろうが、年間を通じて気温の変化が少ないところがお勧めです。

 

 

ここで本題ですが、実は、精子や卵子も同じことが言えます。

 

精子を採取後保温して早めに持ってきてくださいと申しておりますのはやはり、冷えると傷がついて弱ってしまうからなんです。

 

もう少し具体的に申しますと、温度変化により精子のDNAが切断されます。これと同じことが卵子や胚にも起こります。

 

例えば室温で顕微授精操作や日々の胚発育の観察などを漫然と行っておりますと、知らないうちにDNAに少しずつ傷がついて弱ってきます。この弱り(ダメージ)は肉眼ではわからない(見かけは同じ胚のグレード)ことも多いのです。

 

ですから、これらの温度変化による潜在的な精子や胚のDNAの劣化を防ぐためには、それを取り扱う胚培養士にスピード感が求められます。

 

特に顕微授精操作はいちばん胚培養士の技術が要求される手技です。早くて丁寧でないとダメです。世間では遅くて丁寧でもOKという風潮がありますが、それは間違っています。

 

一般的に件数をたくさん行っている施設(胚培養士)の方が顕微授精の成績が良いといわれておりますが、それもこのような理由によるものだと思います。

 

当院の経験豊富な胚培養士達は、抜群のスピード感を持った丁寧な顕微授精を行い、その他この温度変化に対応するために胚の取り扱いにおいて様々な工夫をいたしておりますのでご安心いただけたらと思います。

 

このように精子(卵子や胚も)は、熱い環境だけではなくて冷えすぎても良くないんですね。非常にナイーブです。

 

おそらく精子は細胞質が卵細胞に比べてほとんどないので、核にあるDNAが外部温度変化の影響をモロに受けやすいのでしょう。痩せてる人が脂肪が少ないため寒がり暑がりであると似ていますね。

 

ということは、ヒトもある程度脂肪がついていた方が、温度変化を受けにくいという点で健康に良いのかも知れません。

 

そう考えると、

 

・・・・・・

 

私もダイエットの必要がないということか!???

 

精子の話(完)

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精子の中の大切な配線、それは遺伝情報が刷り込まれているコード、DNAです。カセットテープのテープに例えると解り易いですかね。

 

えっ? カセットテープ使ったことない? 

 

今は昔の話ですが、

 

音楽鑑賞用のカセットテープを車の中に置いたままにしておくと、夏の高温によりテープが伸びて音質が変わったり聞けなくなったりしました。

実は精子のDNAでもそれが起こります。精子が高温にさらされるとDNAの劣化(断裂)が起こり、遺伝情報が正しく伝わらない事態となります。そしてその後の胚の発育にも多大な影響を及ぼしてしまいます。カセットテープの再生音が変になって変な音楽ができてしまうのと同じです。

 

実際の臨床の場では、精子を取り巻く環境が高温になる代表的な疾患として精索静脈瘤が挙げられます。精索静脈瘤では睾丸表面の静脈の流れが滞ることによって睾丸の温度が体温と同じ37度に温められる状態となります。

 

ちょうど湯たんぽで睾丸を温めている状態ですね。

 

一見、37度は体温と同じですから普通の温度のようですが、精子たちにとっては私のワーゲンの電気配線が切れてしまうくらいの高温なんですね。

 

ただし精索静脈瘤で温められて弱った精子でも、顕微授精で強制的に卵子内に注入すると、難なく受精し妊娠も成立します。

 

が、しかし、

 

最近ではそれでも精索静脈瘤の手術をあえて行い精子の状態を改善したうえで顕微授精を行うという選択肢もあるようです。顕微授精を行っても良質の胚ができない場合は、精子の質の改善を図るという意味でこの精索静脈瘤の手術は選択肢のひとつかもしれません。

 

職場環境によって精子が悪くなるケースもあります。昔からよく言われているのが日常的に高温にさらされている製鉄所勤務の方です。また暑い日でも一日中戸外で働いている方、このような方も精子が常に高温の環境に置かれ続けているといってよいでしょう。

 

「あつい」環境といえば夏の暑さはどうでしょうか?

 

実はこれも精子に影響を及ぼしているらしいことが解ってきています。

 

「夏は精子の状態が悪くなる」?

 

いえ、実は一年のうちで精液所見が悪くなるのは秋のようです。一見不思議ですが...

 

ただ、皆さまご存知ですよね、精子は二か月半かかって丁寧に作られていることを。

 

なので、その製造過程である過去二か月半の間に起った睾丸の高温状態は、精子に何らかの影響を及ぼしているといっても過言ではないでしょう。例えば3月に行った精液検査がすごく悪くて、よく考えたら新年早々にインフルエンザにかかっていたとかよくある話です。

 

同じように8月の暑さの影響は10月、11月に完成品となる精子の品質に現れてくるというわけです。

 

では、さらなる疑問がわきます。

 

暑い気候の国の人は男性不妊症が多いのか? 例えばアフリカの人とか。

 

残念ながら、これはデータ不足でわからないようです。 

 

しかし、どう考えてもアフリカ男子と比べて、日本男児の妊孕力が勝っているとは思えません(これは完全に個人的な見解です)。

 

暑い気候の国の男性は、暑さというハンディを凌駕する妊孕性増強ファクターを持っているのかも知れませんね。

 

暇があったら研究してみたい興味あるテーマです。               

 

よく考えますと、日本の夏もアフリカなみに温度が上がりますので男性の方はこれからの季節、注意しましょう!

 

精子の話(6)熱と精子 続く

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ようやく店じまいしている近くの土産物屋から電話をかけさせてもらって、修理工場と連絡がついた時は本当にホッとしました。何せ日曜日の夕方6時ごろですからね。
夕闇を催促しているような蜩の声のシャワーの中で、電話口での修理工場のおじさんの声が神様の声に聞こえました。

おじさん「今、クルマ動かないのね?」

中山「いや~。一応動きますけれど、低速で止まったり動いたり止まったり動いたりしてます。」

おじさん「??」「そんなん、聞いたことないなあ~」「車、大分古いの?」

中山「いや~。中古ですが買って間もないんですぅ~」

おじさん「とにかく、ここまで2キロ程だけど来れる?」

中山「ガタガタしながらなんとか行ってみます。」

そして、止まったり動いたりガタガタしながらようやく目的の修理工場へ着きました。 
ボンネットを開け、おじさんといっしょにエンジンの点火プラグの辺をのぞき込んだその時、おじさんが叫びました。

「危ない!」「手を持ってきちゃダメ!」

中山「はいぃ~!?」「??」

おじさん「こりゃ、すごいことになっとるな。」「見てみい。熱で点火プラグの配線が融けて断線しとる。」
「けれど、空中放電しながらなんとか点火プラグへ電流は伝わってるわ。」「こんなん見たことない。」

確かに断線した線の端と端の間を青白い稲妻のような電流が放電されているのが見えます。この空中放電で何とか電流が伝わりエンジンがガタガタと動いていたのです。まさに雷が落ちるのと同じです。

おじさん「この放電にさわったら間違いなく心臓止まるから。」「大体、このクルマ欠陥車やからもうドイツでは作られてないんや。」「エンジンがごつすぎてラジエターが冷やしきれないんや。」

中山「...」

おじさん「一応、配線取り換えといたけどまた熱で切れるかもしれん。」
「ええか!」

「放電に触れると心臓止まるで!」

中山「...」

その夜、極度の疲労と落胆の下、何とか大阪までたどり着きました。

そして次の日からです、

私が頼まれた産直バイトは一切断らず新たな車購入のため馬車馬のように働きはじめたのは。

先輩Dr「中山クン、そんな産直バイトしまくって身体大丈夫か?」 

中山「いや、何せ、命かかってるんで。」

先輩Dr「??」

と、このように熱で車の配線も融けることがあるんだということが分かり、なかなかクルマ屋さんでも経験できない経験ができたわけです。

実は、精子も車と同じで、精子が熱でやられるのも、その内部で断線が起こるからなんです。


精子の話(5)熱と精子 続く
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精子は熱に弱いと言われています。ご存知の方も多いと思います。
実際に、体温は37℃でも睾丸の温度は32℃程度に保たれています。これは睾丸が体腔外に出ていて、表皮を通して数ミリ先の大気温で冷やされていることと、表皮が身体の中で唯一、シワシワとなっていて熱の放散を助けていることによります。そう考えると男性はぴちぃとした下着よりもトランクスの方がベターということがお分かりいただけると思います。
とにかく、神様は何としてもあらゆる手を使って睾丸を冷やしたかったみたいですね。

私は、20年以上続けている医学部生の講義で、このシワシワを車やバイクのラジエターに例えて解説してきました。

ところがです、

数年ほど前よりある異変に気付くようになりました。

それは、

ここ近年、学生さんに「ラジエターのような構造」と言っても通じないのです。 
昔の学生さんは「あ~!なるほど!」と反応がよかったのですが、今では「それ、何ですか?」という感じです。
「ここは大きく相槌を打つところですよ~」と思わず突っ込みたくなります。
 
ある日、不思議に思って聞きました。
「君達、車のボンネットの中見たことあるよね?」

ほとんど全員「ありません。」の返事。

「ラジエター知ってる?」

「知らない」あるいは「知ってるけど見たことない」の返事。

「そうか~!」「今の車は故障しないんだ~!」と思わず絶句。

(そうだよな。今のクルマは完成度高いからな~)

(今どき、道の真ん中でエンストしまくるってうちの畑山院長の新車ぐらいか......) 
 
その時、講義中にもかかわらずラジエターにまつわる昔の苦い記憶がフツフツと浮かんできたのでした。

そう、

それは、忘れもしません。大阪で非常勤の研修医をしていた頃のことです。月十数万円のなけなしの給料と産直バイト(他院のお産の当直)で貯めたお金で、中古ですが念願の愛車を手に入れました。フォルクスワーゲンのサンタナです。スタイルにほれ込んで買いましたが、これがまたとんでもない車だったのです。ビートルやゴルフは素晴らしい車なのに何故?どうして?といった感じです。 

買った当初から異常には気付いていましたが、2時間ほど走行するとエンジンルームからの熱が伝わってきてオーディオなどの基板が触れることができないほど熱くなります。冬は、この熱でエアコンいらないぐらいです。ラジエター液やバッテリー液の減少もハイペースで、小まめに補充しないとすぐ危険水位になってしまします。エンジンルームは異常な高温になっていることが容易に想像つきました。

そしてある日、石川県と福井県まで長距離ドライブにでかけた帰り道、車がガタガタと振動を始めました。エンスト直前の状態です。

「何とかもってくれ」

と祈るような気持ちで運転していましたが、永平寺の駐車場を閉門時間で追い出された後、ついに走行不能となってしまったのです。
 
今日のような暑い夏の日の夕暮でした。当時は携帯電話もありません。土産物店も閉店し、周囲にはもう車も人影もありません。

日が暮れていくにつれ、途方に暮れた私の心細さを増幅させるように蜩の声もどんどん増していって木々の間で共鳴していました。

精子の話(4)熱と精子 続く
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また高校野球の季節がやってきましたね~。

ところで、
とても突然な話ですが、

子供の頃、好きなテレビ番組の中にウルトラセブンとバビル2世がありました。特にウルトラセブンはウルトラマンシリーズの中でも最高傑作だと思います。
そして、奇しくもこの二つの作品に共通点があるのです。

何だと思いますか?

と言っても、皆様ご覧なったことないから分からないですよね。

それでは正解を申し上げますと、

共通点は両作品とも主人公にシモベがいることです!

「えっ? ウルトラマンにシモベいたの?」と思われた方、

ちがいます。ウルトラセブンです。

それでも不審に思われる方はYou Tubeで確認してください。カプセル怪獣のウインダムとミクラスです。今リバイバルのポケモンもこれをヒントにして作られたのではないかと思っているのですが、ふだんはカプセルの中に収納されていて主人公のダン隊員が身につけてます。そしてダン隊員がピンチになるとウルトラセブンに変身するまでの時間かせぎに投入されます。 

ダン隊員が「行け!ウインダム!」「頼んだぞ!ミクラス!」と掛け声をかけてカプセルを投げるとシモベが出てきます。
でも、100%、1分ほどでやられてしましますが、

バビル2世のシモベはロデム(黒ヒョウ)、ロプロス(巨大鳥型ロボット)、ポセイドン(巨大ヒト型ロボット)です。
脱線しますが、「この中で一つ君にあげるよ」と言われたら何をもらうかです。

子供の頃からずっと自問自答を続けておりましたが、...

...これは断然、ロデムでしょう。

大きな黒ヒョウを犬みたいに従えているのってうれしいですよね!(??)また実用的で背中に乗って高速で走ることもできます。そして、元々スライム状なので何にでも変身でき、普段は横山光輝定番のきれいなお姉さん姿です!! ...

...

えー

...が多くなって話が行き詰ってきましたので、今回の本題に話を戻しますと、

世の男性もシモベと言ってよいものを持っていますね。
そう、精子です。

シモベというより自分の分身と言った方が正確かもしれません。自分の体の中で作られ、自分と同じ遺伝子を持っています。

そして子孫を残すという男性の最大の使命の一つをご主人さまに託されるわけですから、ある意味お姉さん姿のロデムより上、1分もたないミクラスより断然りっぱなシモベだと思います。

ご主人の命を受けて、卵子に向かって進んでいくのです。

そして、ここでご主人に対するアドバイスですが、

タイミングを取る時です。自分がガンバルというというよりも「俺の精子がんばってくれ!」という気持ちで送り出してみたらどうでしょうか。実際、頑張らないといけないのは、ご主人自身よりも精子たちなのですから。念を込めるのです。

そう!高校野球で言うなら、

一球入魂!私の好きな言葉です。

「行け!俺のシモベ達」、「頼んだぞ!俺のシモベ達」と心の中で念じてみてください。より卵子に届きやすいと思いますよ。

「そんなあほな!」と思われるかもしれません。

しかし、結構、この念というものは男女問わず、妊活には重要なんです。(またいずれ詳しく書きますね)


精子の話(3)一球入魂 完
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