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前回の「社会貢献について考える vol.3」の最後で、日本における社会起業家が意外と見落としがちな、きれいごとでないことが2点あると言いました。

それは、
(1)利益をあげなければならない
(2)参加企業は社会貢献していることをアピールしたい

ということ。
社会起業家の「成功のカギ」はここにあると考えます。


今回は「社会貢献について考える」の最終回。
この「成功のカギ」について考えたいと思います。


社会起業の大切なところは、「持続的に」社会に貢献できなければならないところだと思います。
一時的に施すのではなく、持続的に「WIN-WIN」な関係性の中で社会に役立つことです。

そこで大切なのが、当たり前ですが企業として儲ける(儲け続ける)こと


「当たり前じゃん」と思われると思うのですが、社会起業家は純粋で一途な思いがあるのですが、意外とこの(1)「利益をあげなければならない」意識が弱いのです。

ルーム・トゥ・リードのジョン・ウッド氏も自著の中で
・「お金を下さい」と言えなければダメだ
・儲けなければダメだ

という内容のことを言っています。
マイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になった


当たり前だ
と思うかもしれませんが、それがなかなかできていない社会貢献企業が多いから、またそれほど社会貢献企業の基本中の基本だからこそ、ジョン・ウッドは繰り返し訴えるのでしょう。


次に、2番目に書いた「参加企業は社会貢献していることをアピールしたい」というのは、社会起業家の会社が何かしら「B to B」でビジネスをする場合に特に大切になってきます。

社会貢献企業が一般企業と取引をする際には、直接的にしろ間接的にしろ相手先企業の「CSR部門」が取引窓口になります。

この日本企業のCSR部門の特徴について知っておく必要があります。
これを知らずに「同じ社会貢献を考える人達」と捉えるのは間違いである場合があります。

日本の企業のCSR(社会貢献)に携わる部門は、全てではありませんが次の特徴を持つことが多いです。

それは、CSR活動というと
・コンプライアンス(法令順守)や利害関係者への説明責任
・環境、労働、文化への貢献
とあるのですが、どうも後者として捉えるところが多いような気がします。

「コンプライアンスは当たり前、寄付や環境をやってこそ企業イメージがあがる!
といったニュアンスが正しいかもしれません。

Wikipediaに
「しばしば企業の社会的責任は企業の社会的貢献や企業イメージの向上を図る諸活動(いわゆる寄付、フィランソロピー、メセナのこと)のように考えられ、このため企業収益を実現した後の活動のみを指すものと誤解されることが多かった。
実際、多くの大企業では、寄付、フィランソロピー、メセナを担当していた部署が、そのままCSRを冠する部署になったケースが多い。」
とありますが、事実その傾向は強いと思います。

そこで、先に申し上げた「(2)参加企業は社会貢献していることをアピールしたい」となるのです。

つまり、
CSR活動 = 広報活動の一環
に近いのです。

乱暴な言い方をすれば、社会起業家が考えるほど企業のCSR部門は「純粋ではない」のです。

ただ、そのことを、「純粋な気持ち」で社会的風土が変わるまで批判しても仕方ありません。
それでは、いつまでも変わらない。



では、どうすればいいか?

社会起業家はボランティアではなくて、「ビジネスの力を利用して」社会貢献をするのだから、この企業の“広告したい気持ち”“自社をPRしたい気持ち”「企業の広告欲」を利用してしまうのです。

それくらいのビジネス的したたかさが必要なのではないでしょうか。

例えば、社会貢献企業のホームページを見ると活動に協力してくれている一般企業のリスト(社名やロゴ)が載っていることが多いです。

いわゆる参加企業欄というものです。

私は、これでは弱いと思います。

よほど真似しにくいシステムでない限り、大手企業などはその社会貢献手法を直接やり始めて、その活動報告を自社のホームページで掲載するくらいやれるからです。

こうした場合、ある基準(金額や回数など)を満たした企業には、その活動に協力している証拠となるロゴの使用権を与えてはどうでしょうか。

つまり、ある社会貢献企業を通じてその活動に協力している企業は、ISO認定や個人情報保護マーク、くるみん認定マークのような特別な(認定)ロゴを名刺や会社案内に載せることができるようにするということです。
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そうして、そのマークを取得していないことが特定の業界では恥ずかしいくらいにするのです。

例えば、紙や水を多く使う企業では「植林活動認定マーク」のようなものがあって、それを取得していなければ大手量販店から相手にされないといったものを想像してみて下さい。

やや空想に近いものですが、言いたいことは社会貢献企業の活動がある程度の規模になったら、それくらい一般企業の広告欲を利用して、その活動をメジャーにするくらいの気概が必要ということです。


言葉を少し変えてまとめると

・儲ける(儲け続ける)こと
・企業の広告欲を利用すること


これが日本における社会起業家の成功のカギだと思います。

ボランティアでなく、ビジネスなので当たり前といえば当たり前です。
ただ社会起業家の方は、この視点で自社のビジネスをもう一度見直してみて下さい。

4回に分けてお届けした「社会貢献を考える」はひとまず終了です。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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3月14日(日)24:50~日本テレビ『NNNドキュメント』
「救え!メタボと貧困 - 社会起業家たちのミッション」を見ました。
TABLE FOR TWO と農業支援の2つを題材に社会起業家について特集したものでした。

TABLE FOR TWOって何だろう?
と思う方は多いと思います。

創立者である小暮真久さんは、メタボを気にする日本のビジネスパーソンと、食糧難で飢餓にあえぐアフリカの子供たちという2つの社会問題を同時に解決しようと考えました。

そこで、まず企業の社員食堂などにヘルシーメニューを導入します。
そして、その代金の中から20円を寄付することで、アフリカの子供たちの学校給食の1食になるというシステムを作りました。これが「TABLE FOR TWO」です。
http://www.tablefor2.org/


これまで「社会貢献について考える」と称して、CSRを始めようとしている企業や個人でできる活動について考えてきた、その3回目。

今回からは、前回お伝えしたように「社会起業家が日本で成功するために」というテーマで考えてみようと思います。


まずは、社会企業についてご紹介したいと思います。
今、若者の間で「社会起業家」という生き方に注目が集まっています。

ボランティアとの大きな違いは、世の中にある様々な問題を「ビジネスの力」で解決しようとする点です。

日本人で有名なところでは・・

◆枋迫篤昌(とちさこ あつまさ)さん
私も講演を聞いたことがあるのですが、元東京三菱銀行ワシントン事務所長で、マイクロファイナンス・インターナショナル・コーポレーション(以下MFI)を設立された方です。
http://www.mfi-corp.jpn.com

この会社は、出稼ぎ移民や途上国貧困層など、通常の金融サービスにアクセスすることができない人達と、その送金に頼って生きるその家族、両方が適正な金融サービスを利用できる仕組みを作ることをされています。

通常の金融サービスだけでなく、信用履歴のない人達に無担保で融資をすることで信用履歴を作るなど、従来の金融機関がやっていない(ほんとはやらなければいけない?)ことに取り組んでいます。


◆山口絵理子さん
株式会社マザーハウスを設立されました。
http://www.mother-house.jp/

この会社では、バングラディッシュでジュートを使ったバッグを現地人の手により作成し、日本で販売しています。
決して「施し」ではない現地の自立・雇用。そして、環境への配慮が持続的にうまく回っています。

ビジネスモデルもさることながら、彼女が出演した「情熱大陸」を見て、何よりもその逆境にめげない精神力に敬服しました。

詳しくは、ホームページの「マザーハウス・ストーリー」をご覧ください。
また、著書「裸でも生きる」もご一読下さい。

裸でも生きる――25歳女性起業家の号泣戦記 (講談社BIZ)
山口 絵理子
講談社
売り上げランキング: 1488
おすすめ度の平均: 4.5
5 光と影
5 想像以上でした
5 素直に応援したくなる本
5 つよさ
4 本当に懸命な気持ちは、人を動かす。



ビジネスの力を使って、社会の問題を解決するということが何となくお分かり頂けたのではないでしょうか?


さて、そんな社会起業ですが、私の周りでNPO設立して社会起業家として活動を始めている方々をみると、とても素直で人間的にも素晴らしい方が多いように思います。

ただ、彼らが意外と見落としがちな、きれいごとでないことが2点あると思います。

これが、今回お話しする社会起業家の「成功のカギ」だと思います。

それは、

(1)利益をあげなければならない
(2)参加企業は社会貢献していることをアピールしたい


ということ。

ブログとしては、かなり長くなりますので今回はここまでにします。
読むのに疲れちゃいますよね?

次回は、この「成功のカギ」について解説していきます。


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前回のブログの冒頭にも書いたとおり、社会貢献やボランティアというと、募金をしたり、ゴミ拾いをしたりというイメージが強くありませんか?

私もそうでした。

どうしても「資金」や「物品」、そしてどちらかというと汚れたり辛い思いをする「労力」の提供をイメージしてしまうのです。


実は決してそんなことはなく、楽しみながらできたり、
みなさんの特技を活かしたりしながらできることなど、やり方・方法は多岐にわたるのです。


例えば

・子供や高齢者の話し相手や遊び相手になる。
・地域イベントに参加する。
・広報力を持たないNPOをホームページやブログで紹介する。
・海外協力のNGOが活動できる場所を提供する。

など個人から企業までできることはたくさんあります。


企業がCSR活動としてどんなことをしているのか。
テレビCMにあるように大規模な植林をしたりといったことではなく、
身近で簡単にできことから始めている
そんな事例をいくつかご紹介します。

前回のブログで紹介した「絵本を届ける活動」は、
ホームページにあるだけでアイエヌジー生命、伊藤忠、花王などが参加されています。


◆「布チョッキン」
比較的きれいな不要布を持ち寄り、用意された人形やボールの型に合わせて切る活動。
それをカンボジアに送ると現地でぬいぐるみなどに加工されます。

子供たちの「玩具」だけでなく、届けられた布を加工する「仕事」が現地に生まれます。
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(幼い難民を考える会ホームページよりhttp://www.cyr.or.jp/cyrblog/cate_4.html


現場を見たわけではないので、詳しくは知りませんが、
私だったらグループ分けして「時間内にきれいにどれだけ切ることができるか」といったお題を与えて
(組織の)「役割発見研修」や「カイゼン(改善)研修」にしてしまうと思います。

あるいは、社内レクと合わせて家族参加の楽しいイベントにしてみるのもいいかもしれません。

◆厚生労働省「認知症のサポーター(100万人キャラバン)」
(参考)http://www.caravanmate.com/
劇団がみなさんの会社に実際に来て、認知症の対応方法・サポートについて学ぶ。
2時間程度の学習を経験すると、認知症サポーターとしてオレンジのリストバンドがもらえます。

◆「引っ越しでできる国際協力キャンペーン」
http://www.shaplaneer.org/
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新春の引っ越しや事務所移転などの際に使わなくなった本やCDを集めて換金し、南アジアの家事使用人として働く少女たちへの支援などに役立てる活動。

もうそろそろシーズンですね?

◆エコキャップ運動
http://ecocap007.com/
ペットボトルのキャップ800個(を売却した代金を寄付すること)で1人分のポリオワクチンを寄付できるもの。
JCV(世界の子どもにワクチンを日本委員会)に寄付をしています。
多くの学校や企業、スーパーなどが参加しているので有名ですね。


まだまだいっぱいあります。

自分のできることから始めればいいのです。
自分たちの会社にちなんだことから始めればいいのです。



そういえば、TBSのテレビ番組「ワンステップ」(http://www.tbs.co.jp/onestep/)は、自分の出来ることでする社会貢献、そしてその中で自身も成長していく姿をとらえていく番組ですね。


とはいえ・・まったくリスクのない活動はありません。

NPO法人は無数にあります。
ましてや街頭募金詐欺などもある時代。

いったいどうやって自分に合った活動を見つければいいのか?
どういう団体がある程度信頼できる活動をしてきているのか?
自社に合う活動はどうやって探したらいいのか?


不安ですよね?

そこでお勧めなのが、情報センターです。

全国各地に「ボランティア・市民活動センター」があります。
例えば、東京なら東京ボランティア・市民活動センター(http://www.tvac.or.jp/)があります。
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全国各地のボランティア・市民活動センターでは、企業やそこで働く人々と、NPOや地域をつなぐための活動をしています。

各団体の情報誌や活動報告があるだけでなく、ボランティア体験や各種イベントの案内、ボランティア活動中の事故・怪我に備える保険の入会手続き、また企業の担当者に対してその企業にあった活動についての相談にも乗ってもらえます。

初めてCSR活動に取り組む企業担当者には、相談など含めて積極的に利用することをお勧めします。

また、いろいろなWebサイトもあります。
(こちらは、自身でしっかり判断する必要もあるでしょう)

・NHKボランティアネット http://www.nhk.or.jp/nhkvnet/top.html
・日本NPOセンター http://www.jnpoc.ne.jp/
・Yahooボランティア http://volunteer.yahoo.co.jp/
・Viva! http://www.viva.ne.jp/


◆企業のCSR活動のポイント
いろいろ書いてしまいましたので、ここで簡単にポイントをまとめたいとおもいます。
基本的には企業も個人も一緒です。

・できることは何でもあるので、つらい奉仕のイメージを持つ必要はない。
・いきなりハードルを上げずに社員の関心のあることからやることが大切。
・自分の会社にちなんだ活動から始めると始めやすい



ここまで読んで下さった方は、もうお気づきですね?

そう。
今、読んで下さっている私のブログも、前回と今回で絵本の活動や他の活動を世の中に紹介するという広報タイプの小さなCSRになっているというわけです。


次回は、企業の社会貢献からもう少し発展して、「社会貢献について考える vol.3/社会起業家成功のカギ」と題して、昨今話題の社会起業家が日本で成功するためのポイントについて話をしたいと思います。

社会起業家は利益をあげなければいけません。

また、社会起業家の多くが相手にする日本企業のCSRを担当する部門は、広報の一部であったり、かつてのメセナを担当していた人がそのイメージのまま活動していたりします。

そこで、社会起業家は何を意識すればいいのか?
そういった内容でお話ししたいと思います。


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私はこの冬、ひとつのボランティアに参加してきました。

社会貢献やボランティアというと、募金をしたり、ゴミ拾いをしたりというイメージが強くありませんか?

私の参加したものは、絵本にシールを貼るというもの
たったそれだけです。

私が参加したこの活動は、社団法人シャンティ国際ボランティア会http://www.sva.or.jp/(以下SVA)による「絵本を届ける運動」です。

SVAでは、子どもの図書がほとんど出版されていないカンボジア、ラオス、ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ、アフガニスタンへ絵本を送る活動を行っています。

先にも書いたように、参加者は日本の絵本に、カンボジアやラオスといった国の言葉で書かれた訳語シールを切り抜いて貼るのです。

たったそれだけ。

もちろん作業中に絵本を読んで楽しんでも構わないし、むしろそうして楽しみながら参加してほしいとSVAの担当者は話していました。

そうして、その国の言葉で読むことができるようになった絵本は、やがて子供たちの手に渡ります。
昨年は2万冊の絵本が届けられました。

SVAには「ぼろぼろの本」という名前の絵本があります。

それは、絵本を贈られた国の子どもたちがボロボロになるまで繰り返し読んだ本のことでした。
こんなになるまで繰り返し読んでくれるのか。

また担当者に話を聞いたところ、SVAではただ絵本を配るということはしていないようです。

絵本の配布先である国の図書館の開設にタイミングを合わせたり、小学校の先生や図書館員に絵本の意義を伝え、読み聞かせのトレーニングをしてから配布するそうです。

(SVAのホームページより)
・アジアでは8人に1人が小学校に行っていません。
・カンボジアでは5人で1冊の教科書
・ラオスでは小学生の43%が卒業前に辞めてしまいます。

次回以降、ご紹介しようと思いますが、ジョン・ウッド(著)「マイクロソフトでは出会えなかった天職」は、こうした学ぶことのできない子供をどうにかしようと社会起業家になった話が書かれており、多くの日本人社会起業家にも影響を与えた一冊です。

SVAの活動も近いものがあります。

ところで、私は絵本の活動に楽しみながら参加することができました。
普通に絵本を読みながら、仲間と話しながら参加しました。

社会貢献というのは、お金を出したり、汚れたり辛い思いをしたりするような労力を提供することばかりじゃないのです。

家族と一緒に絵本を読みながら、楽しみながらできるようなもの。
自分の特技を活かしながらできるもの。
そういうものも数多くあります。


自社のCSR(企業の社会的責任)をどうしたらいいかと悩まれている経営者やご担当者の方がいらっしゃいます。

比較的新しい会社で設立当初からCSRの軸をはっきりされている会社は稀です。
その他の会社は、設立以来必死に働いてきて、なんとか会社が軌道に乗り、やっとそういうステージになられたことを喜ばしく思って下さい。

次回は、「社会貢献について考えるvol.2」として、企業の社会貢献について、そしてまたこのブログを読んで下さっている個人でもできる社会貢献、そのヒントをご紹介しながらいろいろと考えてみたいと思います。


(参考図書)
マイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になった
ジョン ウッド
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おすすめ度の平均: 5.0
5 心を奮いたたせる
5 余談だが、ジョンウッドのお父さんがいい味を出していた
4 身近なところから初めてみる
4 社会企業家に求められる能力とは?
5 苦悩しながら非営利活動に励む、甘くない現実が知れる良書



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