61th...

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61ヶ月。

ただ過ぎて行く時間の流れではない。

必ず色々な事、そう、途方も無い何かが起こりうる、そんな時の流れ。


それでも確かに、あの出会いから61ヶ月が過ぎている。

とても…早いものだ。


当時は時間など普通に過ぎ去って行くものだと思っていた。

過ぎ去っても思い出し、その場に帰る事が出来る、と。

それが思い出というものだと、思っていた。

それが、記憶という宝物なのだと。


しかし、現実は。

早々甘いものになってくれはしなかった。

思い出があっても、それを思い出しても。

記憶が残っていても、その時間に触れる事が出来ても、戻れても。

作り変える事が出来ない、創り返る事も。

いつまで経っても同じその場面と空気と、雰囲気と言葉。

それらは今の自分にとって、悲しみという涙で心を潤す。


…それは

幸せなのでしょうか?

幸せな事なのでしょうか?


その時の記憶は存在している。

決して忘れる事はないだろう。

だけれども忘れないからこそ、時に悲しく…寂しくなる。

何故、忘れないんだろう、って。


何度も壊そうとした事はある、その本人に伝えた事もある。

直接語りかける手段は失っているので、間接的に。

しかしながらきっと、あの人は私の言葉を受け取っている。

初めて出会った時から変わらない、彼方だけが気付いていた。

我が侭な言葉を。




思い出すだけの記憶。

何度も繰り返されるあの場面、あの時の空気、あの時の雰囲気。

あの時だけの大切な言葉、その時流した涙。

受け取ってくれた心、誰にも渡せなかった辛さ、痛さ、そして─


初めて同じ人間からの 温もり


私は私を人間と思えなかった。

私は人間を殺す方と思っていた、助ける事はないだろうと。

そんな私がその人を助けたくてしょうがなくて必死になって近づいて。

そして気付いたら、私の方が助けられていた。

泣きながら蹲りたかった、しがみ付きたかった、抱き締めてほしかった。

抱き締めてあげたかった。




記憶はただ思い出せるだけ、しかしその場面には永遠に戻れない。

触れる事は出来ても、繰り返す事は無い、ずっとそれはそのままであり続ける。

例え今が、あの時とは違っていても。


それが苦しい。

苦しい時がある。


でももう、乗り越えたかな、とか、和らいだかなって、思っていた。

でも駄目ね、忘れていないみたい。

自分らの仲をそのまま歌にしている様な曲を聴くと、

気付いたら涙が零れていた。


…知っているよ。

知っているけれども、苦しいと思って良いよね。

たまには、弱くなっても良いよね。

じゃないと、忘れてしまいそうだから、消し去ってしまいそうだから。

人はそうやって、思い出と共に強くなるんだから。

だからたまには。


素直に泣いても、大丈夫だよね?




61ヶ月。


これからもこの月の数は増えてゆく、刻まれてゆく。

この先この数字の意味すら失ってしまっても、きっと続いてゆく。

彼方が忘れてしまっても、ずっと。


あの頃の記憶と思い出、確かに、一緒にあの時間の中を過ごしていた。

確かな、宝物だから。




それはきっと 永遠に 私の心の中で 生き続けて行く

私と共に

同じ世界に確かに存在する 彼方と





" ダーリンダーリン いろんな角度から君を見てきた
共に生きれない日が来たって どうせ愛してしまうと思うんだ "





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