前回は固有振動数とはなんぞやというところであんまりヨーヨー事体の問題には触れていませんでした。
今回は具体的な要素を考えてみます。

まずは回転を伴わないブレ、単純に振動といっても良いかもしれません。
実際は上下だけではないですが、ほぼ全が同じ方向に動くものがこれです。
この場合、左右のボディのバランスが同じようにずれたり、ベアリングの振動をひろうとこうなりやすそうです。


そしてもう一つ、回転が入ったブレですね。見た目にわかるのでかなり問題とされます。
この場合、左右のボディバランスのずれやアクセル周囲の剛性不足が考えられます。

もう一つねじれ振動もありますが今回はちょっとおいときます。

アクセル、軸回りの剛性が足りないといくら精度を上げたところで投げた衝撃などで上の矢印のようなたわみなどが生じます。するとセンターのわずかなずれがそのまま、ブレとなりさらに剛性が低いと固有振動数は下がる傾向にあるため、ブレの影響を受けやすくなります。



実際には回転運動になるので中心がずれるようなブレ方ですが、ある1点を追うと回転によって一定の上下をします。それがこのグラフのようになります。もしこれが固有振動数と重なるとどんどんブレが増幅するという話です。

これを考えるといかにセンターをきっちり出すのかが大事ということが分かります。
(いくらセンター出てても材料内の密度差とかどうしようもない要素もありますが…)
ベアリングロックはいくら精度を出してもベアリングで擦れて削れたり変形を伴うのですがその変化でブレが変わるということはあまりないです。(とはいえガタがあるのは振動がそのままガタにですのでダメです)
ということはベアリングロックのきつい緩い等も関係はありますがそれほどのことでもなくじっさいに全ての部品をつなぐのは一本のアクセルになります。
となると、ベアリングはガタが出ない程度にまっすぐはまってくれれば言い訳でして、本当にまっすぐ向かい合わなくてはならないのは左右のボディ同士です。
いかに正確に向い合せるかはねじとねじ山の精度が重要になってきます。ベアリングロックだけ精度が良くてもなんかブレが出たりするのこれに関係がありそうです。ねじが短いとブレやすいことがあるのはこの要素が関係してそうです。とはいえ一定量ねじ山が噛み合えばしっかり十分固定が出来るのでこのねじ山にガタが無いそしてきれいにねじが切られていることが必要になってきます。
これが出来ていないと、組み直す度にブレ具合が変わるという怪現象になる可能性があります。
ベアリングロックがちゃんとすればと思いますが、ベアリングそのものの誤差や微妙なハマり具合の差等を考えるとあまり当てにしない方が良いのではと考えています。
こういったブレの要素を踏まえてそれでもわずかな振動、ブレは出現します。
その振動が大きく出るのが共振ということです。折角精度を上げてもなかなかうまくいかないという時はいよいよ、固有振動数まで考えなくてはとなります。

回転数によって振動の条件は変わるのですが次はちょっと色々な数字を踏まえて考えてみます。
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Twitterで言ってしまいましたのでリムの種明かしを。

ただ、みなさんの頭の中で想像して楽しんでほしいので今回は文章のみでちょっと書いていきます。

皆さんがお持ちのバイメタル機種がお手元にあったらちょっと見てみてください。

大体の機種がアウターリムだとボディの形状に合わせているのが多いですし、インナーリムですと
ほぼ円筒型のものがほとんどです。はめ合いの簡単さと、慣性モーメントを重視していくとこうなります(いくつか分解したというのもあります、ジ○ムの金リムは何度か壊してますしw)

そこでトリックモーションでは、もっと積極的にリムで重量配分をコントロールしたいと考えて
見た目はミッドシップですが、慣性モーメントを確保しつつ、幅広機種に出やすいと考えられるブレ対策と見た目に反する操作感を得るために重量配分をコントロールするために、勘合面が階段状に設計されています。フェイス面から見ると外周にある段差部分が概ねそうなのですが、更に勘合時に回転中心が出しやすいよう、テーパー面を作りつつ少々複雑な形状になっております。
細かいことは企業秘密というか公表できないので


でたらめですがこんな感じで接合面が階段状になっています。
実際にはフェイス面から見える段差ともまた違う形に形状を作成しているため、外からでは全く見えないようになっています(説明しようと思うと図面出すしかないですねw)



恐らく、今後各メーカー見えない部分に手を入れたものが出てくるかもしれません。
バイメタル然りですが、複雑になるほど見た目ではわからない部分が増えてきます(その分苦労しまうすけどw)
これを想像しながらヨーヨーを振ってみるのも面白いですよ。偶然壊れないと流石に中身見るのははもったいないですけど…




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前回の動画にあった440Hzって文字。
これが音叉でいう
「固有振動数」
といいます。

固有振動数は音叉のように一発叩けばそれで揺れるともいえるのですが
もしこのタイミングに合わせて叩けばどうなるでしょう。
その例が
「ブランコ」です
タイミングを合わせていくとどんどん大きく揺れることが出来ます
これもちょっと動画で




タイミングって大事です。
もしもヨーヨーの揺れやすさと回転による振動が重なったら…
まぁお察しくださいということで。

この固有振動数にタイミング良く振動を与えると大きく振れることを
「強制振動」
と言います。
ただ、ヨーヨーの場合投げ出してからどんどんと回転数は下がっていきますのでこんな風にはなりにくいです。
とはいっても個有振動数ピッタリにならなくても近い状態でもこの影響が出てきますので多少回転数が落ちてもブレが続く状態にはなりそうです。
設計段階で出来るだけ固有振動数を回転数の振動から遠ざけてあげることが重要です。(ずれが出てくると今度はうなり現象も考慮する必要もありそうですがちょっと置いときます)

では固有振動数ってどんな感じになっているかというと困ったことに一つじゃないのがつらいところです。

固有振動のグラフが上手く書けないので文章だけにしますが、大体1番低い固有振動数の2倍、3倍といった具合に固有振動数があります(これを2次、3次モードと言います)。そして各材料に対して固有振動数があるので解析をかけるとそれぞれの材料を合わせたよう特性のグラフが出ます。ヨーヨーの場合ベアリング、アクセル、ボディとどれも影響するのでしょう。特にボディが大きいと言えるので他を差し引くとしても注意が必要かもしれません。

話をボディだけに戻すとして、もし固有振動数が50Hzとしたら、2倍すると100Hzとなります。
そうすると6000回転で回っていたら2次モードの固有振動数に当り結局ブレるとなります。
慣性モーメントの兼ね合いもありますがあんまり低い固有振動数になるのは要注意なのかなと思います。

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ずっとこれがヨーヨー力学のテーマと言っても過言ではないのですが

「ブレ」

です。

実際「ブレ」とはと考えると

「ブレたらダメ」

「高性能機種はブレとの戦い」

「ブレてもブレ無くても使えれば…(略)」

といった具合にネタにされます。

そこで色々考えると

ブレには一定の条件があるのではと考えが及びます。

簡単に並べると

1.回転の中心がずれている
2.重心が回転軸上からずれている
3.回転による振動に影響されやすい

1,2は工場のがんばりどころだったり、材料の段階での密度差等からも来るので致し方ないのと、ここを良くすればするほどコストがとなってきます。

そして3つ目、回転による振動ですね。


ちょっとこの動画を。
同じ周波数を発生する物はその影響を受けて振動してしまいます。
もしこれがヨーヨーで起きてしまったらどうなるでしょうか。
これがブレにつながるのではないでしょうか。

この時の振動というとヨーヨーの場合
「回転運動」
そして
「回転数」
となります。

ということで
ヨーヨーの振動数いわゆるヘルツですが
実際のところヨーヨーって何回転ぐらいで回っているのでしょうか。
ざっくりハイパー○キャナーの時から考えて
慣性モーメントが大きいものほど回転数が小さくなるので
普通に投げると4500~6000rpmぐらいと言えます。
これは1分間の回転数なので周波数は1秒間で計算するため60で割ると
大体70~100Hzとなります。
もしこの周波数にヨーヨーが音叉のように影響されやすいとブレやすいとなりそうです。
ただそんな簡単には済まないのが難しいところです。

その先はちょっと次に。

ずっと慣性モーメントや、角運動量といった回転に関して書いてましたけど
普通、物理の教科書じゃ相当後半の話なんですよね。モーさっぱりなんていう方もいそうなんで
ちょっとまとめを。
あくまでヨーヨーに関してですのでそこを踏まえていきます。

・いわゆるスリープ力はどれだけ角運動量を増やせるかにかかっている。
・角運動量が大きいほど「ジャイロ効果」がしっかり働いて傾きにくい。
・角運動量はザックリ考えると各速度つまり回転数とヨーヨーの慣性モーメントをかけたもの
・慣性モーメントが大きいほど回りにくいので、投げ出し直後の回転数が下がる
・結局投げた直後の角運動量はヨーヨーであまり差は出ない。(ベアリングサイズの差はでます)
・慣性モーメントが大きいほどスリープ力があるように感じるのは摩擦の影響
・慣性モーメントが小さいと回転数が上がる、ベアリングやストリングスヒットの摩擦の影響が増え るのでスリープが短くなる。
・慣性モーメントはヨーヨーの場合、傾き方向と、回転方向に大別できる。

ここまでスリープ力に関してですね。

操作感関しては

・慣性モーメントが大きいとヨーヨーを回す操作にもコレが影響するため動かす時に重さを感じやす い
・慣性モーメントが小さいほど、動きだしが軽いので早く動かしやすい
・慣性モーメントが大きくなると傾き方向の慣性モーメントも大きくなりやすいので傾き初めの踏ん 張りが効きやすい→安定傾向になりやすい。
・傾き方向の慣性モーメントは縦横両方の長さが影響する。

って感じでしょうか。

とりあえずここまでで一旦区切り。
次は重さそのものの影響を考えてみます。