東京ポゼマン

東京ポゼマンです


テーマ:

亀「痛い!痛いやめて!」


子供達「うら!うらうら!」


主婦「こぅぅぅらああああ!」


子供達「わー!鬼ババアだぁ!逃げろー!」


主婦「誰が鬼ババアだい!あれは吉崎さんとこのだねぇ!?全くもう、ちょっとあんた大丈夫だったかい?」


亀「えぇ、おかげで助かりました」


主婦「あらやだっ!あんた喋れるの!?まぁ~!これ、アメちゃんあげるわ」


亀「はぁ、ありがとうございます」


主婦「…」


亀「…」


これはあれか?


俺は今からこのババアを竜宮城へ連れていかなければならないのか?


だってその流れだよな、はい亀いじめられてます、はい亀助けてもらいます、はい竜宮城へ行きましょう


じゃーん、絶対そうじゃーん


じゃんじゃーん


ハッキリ言いたい、無理


色々理由があるが根本的なことを言う


俺は竜宮城を知らない


知らないタイプの亀だ


これは参ったぞ、これならまだ子供達に棒でいじめられていた方が良かった、当たり所によっては気持ちよかったし


亀「あの~お名前を教えてもらってもよろしいですか?」


主婦「あーいいわよいいわよそういうのは、あたし泳げないし」


熟知っぷりよ


展開を把握しきっている


亀「あの~…竜宮…」


主婦「まぁ、そこまで言うならお言葉に甘えちゃおうかしら、余った料理を持って帰るのにタッパは向こうにあるかしら?飯山さんと笹口さんの奥さんも誘っちゃってもいいわよね?」


い、いかん、産卵時ではないのに泣きそうだ


いやいや、俺は男だっつーの


主婦「あぁそうよそうよ、さっきも言ったけどあたし泳げないわよ?濡れるのは嫌だわ~」


亀「そこは大丈夫です、バリアみたいなもので守ってくれるので」


なぜこんな機能が俺にはあるというのだ、浦島を助けた亀の末裔なのか?


亀「でも、体重制限があるので乗せられるのは一人だけですので…」


主婦「あら残念ね~、あたしは軽いから安心よ?うふふふふ!」


そういうの無理


亀「では行きましょう、甲羅の上に乗ってください」


主婦「どっこらしょ、やだ!どっこらしょですって!おばさんね~」


これはこれは、笑えないタイプの重さですこと


どでけえ尻しやがって、まるで巨大桃


(ざっぷーん!)


主婦「いやぁぁぁ!海の中に入っているわ~!どんどん奥へ進んでいくこと~!」


お題「観光ガイドさんに聞いた、こんな観光客は嫌だ」というお題があったら答えられそうな気がする


主婦「はぁ~あ、あたし寝るから着いたら起こして」


あ~


あ~


一瞬バリアを解きたい


このババアの慌てふためく姿を見たい


マジでやってやろうかな


なんだなんだ?わくわくしてきたぞ?


よっしゃ…一瞬だけ、一瞬だけバリアを解いてやろう


(ブワン!)


主婦「がばはじゃばはばがじゃがばばば!」


(ブワン!)


やっべぇぇぇぇぇ!


アンコールタイム


(ブワン!)


主婦「がばじゃじゃばばがじゃがじゃばじゃがばば!」


(ブワン!)


あ~~~最高、最高すぎこれ


主婦「…」


やばい


やばいやばいやばいやばいやばい!


ババア意識ないじゃん!


どうしようどうしよう


とりあえずどこか陸に行こう


(スーッ)


亀「おーい、おーい」


(ペチペチペチ)


亀「ババア、ババア」


(ペチペチペチ)


生きてはいるか


だがどうしよう



仕方がない、そこの川に流すとするか


誰か拾ってくれるだろう




婆「ただいま爺さん」


爺「おかえり婆さん、ん?その人は?」


婆「川上から桃が流れてきての、よく見たら桃みたい尻をした人じゃったんじゃ。思わず連れて帰ってのぉ」


おいおい婆さんや


わしはあれか?今からこの女の尻を切らなければいけないのか?


罪じゃ、罪じゃないか


婆「尻太郎になりますかの?」


婆さんや!


正気か婆さんや!


名前に「尻」がつくのはどうかと思うぞい


いやいや、そういう問題じゃないぞい!


爺「…ここで切るのは色々大変じゃから、山奥で切ってくるぞい」


(スタスタスタ)


爺「…やっぱり切れん。この小屋で寝かしといたら誰か帰ってくるだろう」




小人達「ほらほら、王子!この中です!」


王子「あ~なるほど」


何、キスしなければならない系?


ないわぁ、マジないわぁ


毒リンゴ食ったの?


食ってないだろ?


でもなぁ、小人達いるし動物集まってるし


何より俺王子だし


そういう流れだよなぁ


(ムクッ)


王子「うわぁ!起き上がったぁ!逃げろー!」


小人達「わぁぁぁぁ!」


主婦「はぁ~あ、よく寝たわ~」


(辺りを見渡す)


主婦「えぇぇぇ!思っていた竜宮城と全然違ぁぁぁう!」


テーマ:

茂「も、もうダメじゃあ」


バタン


守「じいじ!まだいけるの~!立って!次は腕立て300回!」


茂「無理じゃあ守、わしゃあもう力がはいらん」


守「じいじ~!このままじゃまた健君のおじいちゃんに負けちゃうの!負けるじいじカッコ悪い!立ってじいじ!」


茂「ハァハァハァ…はっ、ばあさんが呼んでるわい、今行くぞ、ぐえっ!」


杖で茂の頭を思いっきり殴る守


守「天国行っちゃダメェ!」


茂「守、頼むから休ませておくれ」


守「もぉ~、ちょっとだけだよ~?」


茂「ふぅ~」


守「はい休憩終わり!立ってじいじ~!」


茂「ひぃぃぃぃ」




Gファイト…それはおじいさんがリングの中で戦う、いわばシニアの格闘技。70歳級~90歳級まで存在し、勝者にはチャンピオンオムツが贈呈される。近年では死者が出てしまい一部では問題になっている




「まずは青コーナー!チャレンジャー、バリアフリー茂の登場だぁぁぁ!」


うぉぉぉぉぉ!


「セコンドの守くんを背中に乗せてお馬さんでの登場だぁ!」


茂ー!茂ー!


「さぁ赤コーナー!チャンピオン、ライフマスター涼作の登場だぁぁぁ!」


ブー!ブー!


「おぉっとチャンピオン!観客の一人を杖で殴る殴る!今日もヒールおじいさんっぷりは絶好調だぁ!」


帰れ帰れー!


涼作「ほぉ、前回の戦いで戦意を喪失させたと思ったのじゃが、しぶとい奴じゃの~」


健「やっちゃえ良作じい!守君のおじいさんをボッコボコだーい!」


茂「今日でチャンピオンオムツを外してもらうぞい」


涼作「ほっほっほ、やってごらんなさい」


うぉぉぉ!


「出たぁぁぁチャンピオン!杖の上で座禅を組んだぁ!驚異のバランス力!驚異の精神力!驚異の杖の耐久力だぁぁぁ!」


カポッ


カポッ


「さぁ両者入れ歯ピースをはめました!いよいよ試合開始です!」


カーン


「さぁ今戦いの火蓋がおとされました!最後に立っているのは、最後に笑っているのは、最後にオムツをかえてもらっているのは一体どちらなんでしょうかぁぁぁ!」


涼作「いざ」


「さぁチャンピオン、セコンドからゲートボールの球を受け取ったぁ!早速必殺技を浴びせるのであろうかぁ!」


涼作「ゲートボール…ショット!」


「ゲートボールショットだぁぁぁ!手のひらに乗せた球をビリヤードのように杖でショット!チャレンジャーめがけ狙い撃ちぃぃぃ!」


茂「甘いわ!」


「なんとチャレンジャー!杖で球を華麗にいなしたぁぁぁ!前回敗れた技対策はバッチリだぁぁぁ!」


うぉぉぉ!


茂「守!タオルをわしに!」


守「はいじいじ!」


茂「うぉぉぉぉぉ!」


「乾布摩擦!乾布摩擦です!」


ボォォォ!


「燃えています!なんとタオルが燃え始めましたぁぁぁ!」


茂「炎毛ヌンチャク!あちゃぁぁぁ!」


「攻める攻めるチャレンジャー!攻撃の手を緩めません!」


いいぞー!やれー!


涼作「フゥゥゥゥ!」


「なんとチャンピオン!炎を一息で吹き消しましたぁ!その肺活量は一体どうなっているのであろうかぁぁぁ!」


涼作「なかなかやるのう、よろしい、ならばわしも本気を出すとするかの」


「おぉっとここでチャンピオン!背中に貼っていた湿布を剥がし始めました!なぜこのタイミングででしょうかぁ!」


スッ


ドスンッ!


「な、なんということだぁぁぁ!湿布を落とした地面がへこんだぁぁぁ!その湿布は一体何キロあるというのだぁぁぁ!」


うぉぉぉ!


涼作「ほっほっほ、もっと面白いものを見せてやるとするかの」


スー


「うぉぉぉぉ!私は今幻を見ているのでありましょうか!浮いています!チャンピオンの足が地を離れ浮いています!」


うぉぉぉ!


茂「な、なに!?」


涼作「幽体離脱を極めるとのう、離脱せず身体を幽体についてこさせることが出来るのじゃ」


守「そ、そんなのありかよ!?」


「すごい!すごいぞチャンピオン!もはやおじいさんを超越しているぅぅぅ!」


涼作「いくぞい、ステッキスロー!」


「槍投げのように杖を投げる!この高低差で威力は抜群にアップしているぅぅぅ!」


茂「ぐわぁぁぁ!」


「あぁぁぁ!まともにくらったぁぁぁ!チャレンジャー倒れましたぁぁぁ!」


うぉぉぉ!


「今レフェリーのカウントダウンが始まりましたぁぁぁ!チャレンジャー立てるのでありましょうかぁぁぁ!」


守「じいじーーー!」




ぬっ…いま守の声が聞こえたわい


それになんだこの周りの声援は、全く騒がしいわい


ふぅ~、わしは何をしていたんだったかのう


「じいじーーー!」


また守の声じゃ、今いくぞい、待っておれ


「これは決まったも同然じゃのう」


ん?この声は、新垣さんとこの良作さんじゃったかな


「またチャレンジャーが破れてしまうのかぁぁぁ!」


うるさい男じゃのう、む?チャレンジャー?


そうじゃ…そうじゃそうじゃそうじゃそうじゃそうじゃ!


わしはGファイトの途中じゃった!


涼作さんに倒されてたんじゃ!


「じいじーーー!」


待っておれ守!じいじが今いくからなぁぁぁ!




「うぉぉぉ!立ち上がった!立ち上がりましたぁぁぁ!残り1カウントで立ち上がりましたぁぁぁ!」


うぉぉぉぉぉ!いけぇぇぇ!やれぇぇぇ!


涼作「本当にしぶとい奴じゃのう、だがそのボロボロの体で戦えるのかの?ほっほっほ」


「さぁ、反撃ののろしを上げることが出来るのでありましょうかぁぁぁ!」


茂「最終奥義を見せるわい!守!わしの入れ歯を!」


守「えっ!?でもあれは一度も成功したこ…」


茂「わしの入れ歯を!」


守「わ、分かったじいじ!はいっ!」


「さぁ入れ歯を受け取ったチャレンジャー!むぅぅぅ!?左の手のひらに入れ歯をのせ右手で被せ、ゆっくりと体の方へ引き始めました!」


涼作「ほっほっほ、まさかビームでも出すつもりかの?」


茂「その…まさかじゃ!」


涼作「なに!?」


茂「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ歯波!」


ビィィィィィ!


「なんとなんとなぁぁぁんとっ!ビームです!チャレンジャー歯波を繰り出したぁぁぁ!」


うぉぉぉ!


涼作「くっ、食い止めてみせるわい!」


「チャンピオン!手の平バリアでガードをし始めました!どちらが勝つのでしょうかぁぁぁ!」


茂「うぉぉぉぉぉ!」


涼作「うぉぉぉぉぉ!」


守「いけぇぇぇぇぇ!」


健「耐えろぉぉぉぉぉ!」


「おぉっと!これはチャンピオンのバリアが優勢といったところでしょうか!歯波の威力も段々と弱まってきたぁぁぁ!」


守「じいじ!」


茂「い、いかん…!このままでは…!」




「じいさん」


ん?


「じいさんや」


だ、誰じゃわしの心に話しかけてくる奴は!


「あたしじゃ」


ま、まさか…ばあさんか!?ばあさんなのか!?


「そうじゃ、あたしじゃ」


ばあさん!


「こんな所で負けちゃ守が悲しみますよ、もう一踏ん張りですぞ」


あぁ分かっておる、じゃがこのままでは…!


「じいさん前に言ったじゃないですか、わしらは二人で一人じゃ、と。一緒に戦いましょう」


ば、ばあさん!


「それじゃあ、いきますよじいさん」


(じいさんの手を支える)


お、おう!




茂「うぉぉぉぉぉ!」


「なんということでしょうか!ここで威力が元に戻…いや!それ以上に上がっています!」


うぉぉぉぉぉ!


茂「うぉぉぉぉぉ!」


涼作「な、なぜじゃ!ここへきて何故威力が上がるというのじゃ!」


守「いっけぇじいじー!」


茂「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉばあさぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」


涼作「くっ!こ、このままでは!ま、まさか!まさかわしが!そんな、わしが負けるじゃなんて!くっ!くぅぅぅぅぅううううわああああああ!」


「バリアが!バリアが破れましたぁぁぁ!地面に吹き飛ばされたチャンピオン!さぁ今カウントダウンが始まりましたぁぁぁ!」


1!


2!


3!


4!


5!


6!


7!


8!


9!


守「お願い!」


健「立って良作じい!」


茂「た、頼む…!」


10!


カンカンカーン!


「立ち上がらなぁぁぁい!決まった!決まりました!チャンピオンを倒しました!勝者!バリアフリー茂ーーー!」


うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!


健「良作じい!良作じい!」


守「やった…やったやったやったやった!じいじやったよ!チャンピオンを倒したよ!やったやったやったやった!今日からじいじがチャンピオ…じいじ?」


「ん?一体どうしたというのでしょうか。チャレンジャーピクリとも動きません。あまりの嬉しさに気を失ったのでありましょうか」


守「違う、そんなのじゃない。じいじ…じいじ…目を開けてよ…じいじ!勝ったんだよ?じいじ勝ったんだよ?どうしてさ、じいじ、じいじ!勝利のお馬さんやってよ!ねぇじいじってば!じいじ!じいじじいじじいじじいじ!やだよ…僕やだよ!じいじ…じいじってばぁぁぁ!」




ぬっ…いま守の声が聞こえたわい


それになんだこの周りの声は、全く騒がしいわい


ふぅ~、わしは何をしていたんだったかのう


前にもこんなことがあったのう


「じいじーーー!」


また守の声じゃ、ん?泣いておるのか?


誰じゃ!わしのかわいい孫を泣かせた奴は!じいじが懲らしめてやる!


「目を覚ますんだチャレンジャーぁぁぁ!」


うるさい男じゃのう、む?チャレンジャー?


そうじゃ…そうじゃそうじゃそうじゃそうじゃそうじゃ!


わしはGファイト中じゃった!


わしはチャンピオンを倒したんじゃった!


「じいじーーー!」


おぉおぉ守!今じいじが起き上がって…



すまんな守


じいじはこれまでのようじゃ


チャンピオンを倒したんじゃ、わしは自慢のじいじじゃろ?友達に自慢できるじゃろ?


じいじは守にかっこいい所を見せれて幸せじゃ、ハッピーじゃ


じゃから…じいじ少し休憩してもいいじゃろ?


じいじ疲れた


あぁ…ばあさんが呼んでるわい


守、それじゃあじいじは休憩しに行くからの


元気でな守、体に気をつけるんじゃぞ守


ばあさん待っとれ、今いくぞ、ぐえっ!




杖で茂の頭を思いっきり殴る守


守「天国行っちゃダメェ!」


テーマ:

「実行予算表?あぁ、まだやってない、てかやれてない。急いでくれって言ったってよお前、そこの現場が終わったと思ったらすぐ次の現場だ、まとめる時間もなければ休む時間だって与えてもらえない。百歩譲って俺は我慢するさ、作業員がかわいそうだわ。いいか?机上の処理だけで考えてもらっちゃ困るんだよ、少しは現場のことも分かってもらわないと。あん?あぁ、あぁ、はぁ!?てめぇ今の話聞いてたのか!?俺達はいつでも死と隣合わせなんだよ!労務管理費がかかり過ぎてるから応急薬は節約しろだぁ!?ふざけるな!」


ブツンッ


モニターを切った鋼鉄鎧獣ガムルの鼻息は荒かった


「おっ?また経理部となんかやったのか?」


後ろから声をかけてきたのは同期の炎毛竜ジュアレ


「あぁ、全くアホ事務員ときたら嫌になるぜ。誰が稼いでると思ってんだ」


「全くだな、あいつらは安全な場所にいるからいいけど、俺ら戦務部なんて本当に死と隣合わせだ。知ってるか?アンドロの現場を担当していた二年先輩の雷迅亀アチャベさんが双子戦士ソー・セージに倒されたらしい」


「マジか!アチャさん確か家族がいたよな、かわいそうに…」


「いま労災の関係で家族が会社に来ていてさ、俺もそれで知ったんだ。ガムルも家族がいるだろ?家族のためにも辞めた方がいいんじゃないか?」


「辞めるってお前…」


ふた…二匹はしばらく黙りこんだ


「そうだよな、俺達怪獣は他の仕事なんてやらせてもらえない」


先に口を開いたのは炎毛竜ジュアレ


「怪獣怪獣って非難されてさ、人間と一緒に仕事、それどころか一緒に暮らすことだって無理だ。怪獣は人間に倒されることしかないのかな」


また沈黙が始まった、すると事業所に一匹の怪獣が入ってきた


「ガムル君はいるかね」


入ってきたのは八本足大蛇スネイロ専務


「俺はここですが」


「君に新しい現場に行ってもらいたい」


「また休みなしですか」


「ゴホン」


スネイロ専務の咳払いが響く


「いいかね?君にはバルレークに行ってもらう」


「バルレーク!?」


やりとりを聞いていたジュアレは思わず声に出してしまった


「なるほど、俺に死ねと言っているんですね」


「そんなことは言ってないよ。いいか?明日から早速行ってもらう、準備を兼ねて今日はもう休みでいい、ではよろしく頼むよ」


スネイロ専務はガムルの肩をポンッと第4脚で叩くとそそくさと去って行った


「ガムル…」


「ふっ、上にとって都合の悪い職員はバルレークに送る、左遷みたいなもんだな。まったくビビりなやつらだぜ」


「大丈夫なのかよ!バルレークって正義のヒーロー、銃戦士リボルバンがいるだろ!?倒されにいくみたいなもんだ!」


「仕方ねえよジュアレ、今までありがとな。俺は誇りを持って戦うよ、じゃあ今日は帰る。最後の日くらい、家族との時間を大切にしたい」


もう二度と使わないかもしれない机の上を整理した後、鋼鉄鎧獣ガムルはゆっくりと家に帰った。その背中はとても寂しかった




「おかえりあなた」


妻のメーソンが出迎えてくれた


「久しぶりの家だな」


「ほんと、ずーっと泊まりがけだったもんね。ご飯は出来てるから、今日ねあなた、独眼霊鼠さん家のギームさんとお買い物行ったのよ、そしたら棘翼鳥獣さん家のバーデンさっとバッタリあ…」


「メーソン」


「あっ、ごめんなさい。久しぶりだからテンション上がっちゃって」


「違うんだメーソン、聞いてくれ。明日バルレークに行くことになった」


メーソンの顔から笑顔がなくなった


「そ、そんな…」


深く頷くガムル、その時リビングからタッタッタと足音が聞こえてきた


「パパー!」


娘のチキはガムルに飛びついた


「おーチキ!久しぶりだなー!また少し大きくなったんじゃないか?」


角を撫で撫でする


「えへへー」


ガムルはメーソンの方をじっと見つめた


メーソンはガムルの目から思いを感じとり、笑顔をつくった


「さぁみんなー御飯よー!」


親子三人手を繋ぎリビングへ向かった


食事中はチキが話を独占していた


会話が一区切りした後、「明日は仕事?」とチキは質問した


「ごめんな、明日からもっと戻らなくなってしまう」とガムルは返答した


チキの次の質問はママにだった


「どうして泣いてるの?」


メーソンは何度も何度も謝った




「チキを起こしてくるね」


メーソンがそう言うと、ガムルは首を横に振った


「いつも通り見送ってくれ、俺はいつも通り仕事に行くんだから」


「そ、そうね」


メーソンの顔から少し笑みがこぼれた


「じゃあ行ってくるよ、これからチキのこと…よろしく頼んだ」


ガムルがそう言うと、メーソンは首を横に振った


「いつも通り仕事に行くんでしょ?じゃあいつも通り帰ってくるじゃない」


ガムルの顔から少し笑みがこぼれた


「じゃあ行ってくる」


そういうとガムルはバルレークへと向かった


メーソンは姿が見えなくなるまで見送った後、チキを起こしに向かった


ガチャ


「…あれ?チキ?」




「作業員はこれで全員か?」


「はい、全員揃っています」


ジョッカー達はやる気満々といった感じだった


「みんな、すまない」


ガムルは深刻な顔で言った


「何言ってるんですかガムルさーん!俺達の力見せちゃいましょうよ!」


ジョッカー達の言葉は本当に励みになった


「そうだな、よっしゃあ…いくぞー!」


そう言うとガムル達は最大限の力で暴れ始めた




「何!?怪獣が暴れているだと!?俺の出番だ!」


♪銃戦士リボルバンのテーマ


バンバンバン♪バンバンバン♪あの娘のハートにバンバンバン♪


狙い撃ちだぜバンバンバン♪バンバンババンババンババン♪


嗚呼~♪(バンバン)嗚呼~♪(バンバン)


今日も~銃刀法違反だぜ~♪(バババババババババババン)


「今日の怪獣は何々?鋼鉄鎧獣ガムルか、ジョッカー達も一緒だな!全員やっつけてやる!」


「ジュージュー!ジュージュー!」


「まずはジョッカー共だ!」


バン!バンバン!


「ジュゥゥゥゥゥ!」


「よーし雑魚は片付いたぜ」


「ガァー!」


「さぁ、残るはガムルだけだ!かかってこい!」


「ガァー!」


「くらえ!リボルバ~~~ボルバー!」


バババババン!


「ちっ、頑丈な体だぜ!ん?あのタンク…撃てば爆発してダメージを与えられそうだ!よし!方向を合わせて、エネルギーチャージ!」


ボワワワワーン…


「ガ!ガァー!」


「ん?なぜタンクの方に走っ…あんな所に女の子が!ガムルめ食べるつもりだな!そうはさせん!リボルバーバルボリー!」


ビュン!


ドカァァァァァン!


「よし!致命傷を与えたぞ!女の子も無事だな!おーい!早くそこから逃げるんだー!」




「ハァハァハァ、大丈夫か」


ガムルは女の子を抱くようにして爆発からかばった


「俺の言葉なんて伝わらないし、怖いだけだと思うが聞いてくれ。俺には娘がいてな、人間だったらお前ぐらいの歳なんだ。さぁこんな所にいては危険だ、早く遠くへ逃げるんだ」


女の子はしばらくガムルの顔を見つめた後、街の方へ走って行った


「よし、いい子だ」


ガムルは仰向けになって倒れた、体はもう力が入らなかった


「どうやら俺はここまでみたいだな。メーソン…チキ…ごめ…えっ?なぜだ、なぜここにいるんだ!」





「なんだなんだ!仲間が来やがった!」


「ギャー!ギャー!」


ガムルより1回りも2回りも小さい鋼鉄鎧獣が現れた


「ギャー!ギャー!」


「ガァ…ガァー!ガァガァー!」


「ギャー!ギャァァァ!」


小さい鋼鉄鎧獣はリボルバン目掛けてファイアーボールを飛ばし始めた


「この野郎!ぶっ倒してやる!」


バン!バンバン!


「ギャア!ギャァァァ!」


「ガァ!ガァー!」


「しぶとい奴め!くらえ、リボルバーバルボリー!」


ビュン!


「ギャァァァァァ!」


「ガァ…ガァーーーー!」


小さい鋼鉄鎧獣はゆっくりと倒れた


「ふぅ、やっと倒れたか…」


現場が一瞬静まった


「ガァァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアア!」


咆哮をあげながらガムルが立ちあがった


「な、何だ!まだ動けるのか!」


ガムルはリボルバン目掛けて走り出す


「ちくしょう!リボルーバルボリー!リボルバーバルボリー!全然効かないだと!?リボルバーバルボリー!リボルバーバルボリー!リボ…」


「ガァァァァァ!」


「うわぁぁぁぁ!」




コンコンコン


「失礼します」


八本足大蛇スネイロ専務は社長室へ入った


「バルレークの件、やりましたね」


スネイロ専務の顔は二ヤけが止まらないようだった


「…」


「銃戦士リボルバンを撤退させるとは、特別表彰をした方がいいですね。奥さんのメーソンに都合の良い日を確認しておきます。それにしても本当にやりました、何よりあの口うるさい鋼鉄鎧獣ガムルの死、いや~スッキリしました」


「確かに撤退させたのは偉業に近い。だが撤退させただけだ、状況は以前と何ら変わらない」


「そうではございますが撤退だけでもすごいことでございますよ」


「まぁな、スネイロ専務もよくやってくれた、さて、どうしようかな」


「えっ、そんな褒美など、とんでもございません」


口では否定するも、スネイロ専務の顔の二ヤけはますます止まらなくなった


「よし、何でもいいな」


「えぇ、何でもありがたいです」


魔影神デーモン社長は椅子からゆっくりと立ちあがった


「明日からバルレークの現場に行ってもらう」

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