茂「も、もうダメじゃあ」
バタン
守「じいじ!まだいけるの~!立って!次は腕立て300回!」
茂「無理じゃあ守、わしゃあもう力がはいらん」
守「じいじ~!このままじゃまた健君のおじいちゃんに負けちゃうの!負けるじいじカッコ悪い!立ってじいじ!」
茂「ハァハァハァ…はっ、ばあさんが呼んでるわい、今行くぞ、ぐえっ!」
杖で茂の頭を思いっきり殴る守
守「天国行っちゃダメェ!」
茂「守、頼むから休ませておくれ」
守「もぉ~、ちょっとだけだよ~?」
茂「ふぅ~」
守「はい休憩終わり!立ってじいじ~!」
茂「ひぃぃぃぃ」
Gファイト…それはおじいさんがリングの中で戦う、いわばシニアの格闘技。70歳級~90歳級まで存在し、勝者にはチャンピオンオムツが贈呈される。近年では死者が出てしまい一部では問題になっている
「まずは青コーナー!チャレンジャー、バリアフリー茂の登場だぁぁぁ!」
うぉぉぉぉぉ!
「セコンドの守くんを背中に乗せてお馬さんでの登場だぁ!」
茂ー!茂ー!
「さぁ赤コーナー!チャンピオン、ライフマスター涼作の登場だぁぁぁ!」
ブー!ブー!
「おぉっとチャンピオン!観客の一人を杖で殴る殴る!今日もヒールおじいさんっぷりは絶好調だぁ!」
帰れ帰れー!
涼作「ほぉ、前回の戦いで戦意を喪失させたと思ったのじゃが、しぶとい奴じゃの~」
健「やっちゃえ良作じい!守君のおじいさんをボッコボコだーい!」
茂「今日でチャンピオンオムツを外してもらうぞい」
涼作「ほっほっほ、やってごらんなさい」
うぉぉぉ!
「出たぁぁぁチャンピオン!杖の上で座禅を組んだぁ!驚異のバランス力!驚異の精神力!驚異の杖の耐久力だぁぁぁ!」
カポッ
カポッ
「さぁ両者入れ歯ピースをはめました!いよいよ試合開始です!」
カーン
「さぁ今戦いの火蓋がおとされました!最後に立っているのは、最後に笑っているのは、最後にオムツをかえてもらっているのは一体どちらなんでしょうかぁぁぁ!」
涼作「いざ」
「さぁチャンピオン、セコンドからゲートボールの球を受け取ったぁ!早速必殺技を浴びせるのであろうかぁ!」
涼作「ゲートボール…ショット!」
「ゲートボールショットだぁぁぁ!手のひらに乗せた球をビリヤードのように杖でショット!チャレンジャーめがけ狙い撃ちぃぃぃ!」
茂「甘いわ!」
「なんとチャレンジャー!杖で球を華麗にいなしたぁぁぁ!前回敗れた技対策はバッチリだぁぁぁ!」
うぉぉぉ!
茂「守!タオルをわしに!」
守「はいじいじ!」
茂「うぉぉぉぉぉ!」
「乾布摩擦!乾布摩擦です!」
ボォォォ!
「燃えています!なんとタオルが燃え始めましたぁぁぁ!」
茂「炎毛ヌンチャク!あちゃぁぁぁ!」
「攻める攻めるチャレンジャー!攻撃の手を緩めません!」
いいぞー!やれー!
涼作「フゥゥゥゥ!」
「なんとチャンピオン!炎を一息で吹き消しましたぁ!その肺活量は一体どうなっているのであろうかぁぁぁ!」
涼作「なかなかやるのう、よろしい、ならばわしも本気を出すとするかの」
「おぉっとここでチャンピオン!背中に貼っていた湿布を剥がし始めました!なぜこのタイミングででしょうかぁ!」
スッ
ドスンッ!
「な、なんということだぁぁぁ!湿布を落とした地面がへこんだぁぁぁ!その湿布は一体何キロあるというのだぁぁぁ!」
うぉぉぉ!
涼作「ほっほっほ、もっと面白いものを見せてやるとするかの」
スー
「うぉぉぉぉ!私は今幻を見ているのでありましょうか!浮いています!チャンピオンの足が地を離れ浮いています!」
うぉぉぉ!
茂「な、なに!?」
涼作「幽体離脱を極めるとのう、離脱せず身体を幽体についてこさせることが出来るのじゃ」
守「そ、そんなのありかよ!?」
「すごい!すごいぞチャンピオン!もはやおじいさんを超越しているぅぅぅ!」
涼作「いくぞい、ステッキスロー!」
「槍投げのように杖を投げる!この高低差で威力は抜群にアップしているぅぅぅ!」
茂「ぐわぁぁぁ!」
「あぁぁぁ!まともにくらったぁぁぁ!チャレンジャー倒れましたぁぁぁ!」
うぉぉぉ!
「今レフェリーのカウントダウンが始まりましたぁぁぁ!チャレンジャー立てるのでありましょうかぁぁぁ!」
守「じいじーーー!」
ぬっ…いま守の声が聞こえたわい
それになんだこの周りの声援は、全く騒がしいわい
ふぅ~、わしは何をしていたんだったかのう
「じいじーーー!」
また守の声じゃ、今いくぞい、待っておれ
「これは決まったも同然じゃのう」
ん?この声は、新垣さんとこの良作さんじゃったかな
「またチャレンジャーが破れてしまうのかぁぁぁ!」
うるさい男じゃのう、む?チャレンジャー?
そうじゃ…そうじゃそうじゃそうじゃそうじゃそうじゃ!
わしはGファイトの途中じゃった!
涼作さんに倒されてたんじゃ!
「じいじーーー!」
待っておれ守!じいじが今いくからなぁぁぁ!
「うぉぉぉ!立ち上がった!立ち上がりましたぁぁぁ!残り1カウントで立ち上がりましたぁぁぁ!」
うぉぉぉぉぉ!いけぇぇぇ!やれぇぇぇ!
涼作「本当にしぶとい奴じゃのう、だがそのボロボロの体で戦えるのかの?ほっほっほ」
「さぁ、反撃ののろしを上げることが出来るのでありましょうかぁぁぁ!」
茂「最終奥義を見せるわい!守!わしの入れ歯を!」
守「えっ!?でもあれは一度も成功したこ…」
茂「わしの入れ歯を!」
守「わ、分かったじいじ!はいっ!」
「さぁ入れ歯を受け取ったチャレンジャー!むぅぅぅ!?左の手のひらに入れ歯をのせ右手で被せ、ゆっくりと体の方へ引き始めました!」
涼作「ほっほっほ、まさかビームでも出すつもりかの?」
茂「その…まさかじゃ!」
涼作「なに!?」
茂「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ歯波!」
ビィィィィィ!
「なんとなんとなぁぁぁんとっ!ビームです!チャレンジャー歯波を繰り出したぁぁぁ!」
うぉぉぉ!
涼作「くっ、食い止めてみせるわい!」
「チャンピオン!手の平バリアでガードをし始めました!どちらが勝つのでしょうかぁぁぁ!」
茂「うぉぉぉぉぉ!」
涼作「うぉぉぉぉぉ!」
守「いけぇぇぇぇぇ!」
健「耐えろぉぉぉぉぉ!」
「おぉっと!これはチャンピオンのバリアが優勢といったところでしょうか!歯波の威力も段々と弱まってきたぁぁぁ!」
守「じいじ!」
茂「い、いかん…!このままでは…!」
「じいさん」
ん?
「じいさんや」
だ、誰じゃわしの心に話しかけてくる奴は!
「あたしじゃ」
ま、まさか…ばあさんか!?ばあさんなのか!?
「そうじゃ、あたしじゃ」
ばあさん!
「こんな所で負けちゃ守が悲しみますよ、もう一踏ん張りですぞ」
あぁ分かっておる、じゃがこのままでは…!
「じいさん前に言ったじゃないですか、わしらは二人で一人じゃ、と。一緒に戦いましょう」
ば、ばあさん!
「それじゃあ、いきますよじいさん」
(じいさんの手を支える)
お、おう!
茂「うぉぉぉぉぉ!」
「なんということでしょうか!ここで威力が元に戻…いや!それ以上に上がっています!」
うぉぉぉぉぉ!
茂「うぉぉぉぉぉ!」
涼作「な、なぜじゃ!ここへきて何故威力が上がるというのじゃ!」
守「いっけぇじいじー!」
茂「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉばあさぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」
涼作「くっ!こ、このままでは!ま、まさか!まさかわしが!そんな、わしが負けるじゃなんて!くっ!くぅぅぅぅぅううううわああああああ!」
「バリアが!バリアが破れましたぁぁぁ!地面に吹き飛ばされたチャンピオン!さぁ今カウントダウンが始まりましたぁぁぁ!」
1!
2!
3!
4!
5!
6!
7!
8!
9!
守「お願い!」
健「立って良作じい!」
茂「た、頼む…!」
10!
カンカンカーン!
「立ち上がらなぁぁぁい!決まった!決まりました!チャンピオンを倒しました!勝者!バリアフリー茂ーーー!」
うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
健「良作じい!良作じい!」
守「やった…やったやったやったやった!じいじやったよ!チャンピオンを倒したよ!やったやったやったやった!今日からじいじがチャンピオ…じいじ?」
「ん?一体どうしたというのでしょうか。チャレンジャーピクリとも動きません。あまりの嬉しさに気を失ったのでありましょうか」
守「違う、そんなのじゃない。じいじ…じいじ…目を開けてよ…じいじ!勝ったんだよ?じいじ勝ったんだよ?どうしてさ、じいじ、じいじ!勝利のお馬さんやってよ!ねぇじいじってば!じいじ!じいじじいじじいじじいじ!やだよ…僕やだよ!じいじ…じいじってばぁぁぁ!」
ぬっ…いま守の声が聞こえたわい
それになんだこの周りの声は、全く騒がしいわい
ふぅ~、わしは何をしていたんだったかのう
前にもこんなことがあったのう
「じいじーーー!」
また守の声じゃ、ん?泣いておるのか?
誰じゃ!わしのかわいい孫を泣かせた奴は!じいじが懲らしめてやる!
「目を覚ますんだチャレンジャーぁぁぁ!」
うるさい男じゃのう、む?チャレンジャー?
そうじゃ…そうじゃそうじゃそうじゃそうじゃそうじゃ!
わしはGファイト中じゃった!
わしはチャンピオンを倒したんじゃった!
「じいじーーー!」
おぉおぉ守!今じいじが起き上がって…
…
すまんな守
じいじはこれまでのようじゃ
チャンピオンを倒したんじゃ、わしは自慢のじいじじゃろ?友達に自慢できるじゃろ?
じいじは守にかっこいい所を見せれて幸せじゃ、ハッピーじゃ
じゃから…じいじ少し休憩してもいいじゃろ?
じいじ疲れた
あぁ…ばあさんが呼んでるわい
守、それじゃあじいじは休憩しに行くからの
元気でな守、体に気をつけるんじゃぞ守
ばあさん待っとれ、今いくぞ、ぐえっ!
杖で茂の頭を思いっきり殴る守
守「天国行っちゃダメェ!」