テーマ:小説
※腐向け
ゴッドエデンでの調査が続いているある日の夜、俺は眠ることが出来ず外に出て夜風に当たっていた。
波の音が優しく響いていて心地良い。目を閉じて深呼吸をすると、人の足音がした。
辺りを見渡すと円堂が階段を登りこちらに向かって来ていた。
「よっ!」
「円堂…眠れないのか?」
片手を上げてニッと笑った円堂に聞くとまあな、と答えた。
「俺も、何か寝付けなくて」
「そっか」
「?円堂、後ろに何持ってるんだ?」
向きを変えずまっすぐ歩いてくる円堂の姿が後ろに何か持っている様に見えて聞く。
円堂は待ってましたと言わんばかりの笑顔で後ろに回していた手を同時に前に出した。
「じゃん!」
「あ、それは…!」
円堂が隠していたもの。
それは俺たちが中学生の時に買った、サッカーボール柄のお揃いのマグカップだった。
「ずっと家で閉まっておいたんだ。せっかくだから持ってきた」
「懐かしいなあ、」
***
「お揃いの物何か欲しいなあ」
部室を出たところで円堂がいきなり言った。
「……唐突だな」
「だってさ、マックスと半田も豪炎寺と鬼道もお揃いのキーホルダーとかマスコットとか持ってるんだぜ?」
「ああ、あの携帯に付けてたやつか?」
半田とマックス、豪炎寺と鬼道の携帯にはそれぞれ色違いのキーホルダーとマスコットが付いていた。
俺が気付いたのは最近だが、みんなが言うにはだいぶ前から付いていたらしい。
コクンと頷いて円堂は眉を潜めた。
「でもさ、俺と風丸付き合ってるし幼なじみなのにそういうのないじゃん」
「…そういえばそうだな」
言われてみて考えると、確かに俺と円堂はお揃いの物を持ってはいなかった。
(お揃いの物、か…)
半田たちのキーホルダーに気付いた時ちらっと思ったのだ。円堂とこんな風に同じ物を使えたら、と。
でもあいつのことだからそんなこと微塵も思っていないだろうと思い、考えを打ち消していた。
だから円堂の方からそう言ってくれたのは、すごく、嬉しい。
「今日…どこか寄って見て行くか」
「え、いいの!?」
円堂が目を丸くして言う。
「いいのって……お前が欲しいって言ったんじゃないか」
「いや、そうなんだけど、風丸のことだからお揃いとか恥ずかしくて嫌って言うかと思って…」
「お前なあ、断られること前提で聞いたのかよ…」
「いや別にそういうわけじゃないんだけど、」
しどろもどろになる円堂に思わず溜め息が出た。
円堂があはは、と苦笑を浮かべる。
俺は円堂の目をしっかり見て言った。
「俺だってちゃんとお前のこと好きなんだから嫌なわけないだろ」
言ってから恥ずかしくなって顔が熱くなった。
でも円堂が嬉しそうに笑ったから、俺も嬉しくて笑顔になった。
それから立ち寄った店で俺たちはこのマグカップと出会った。
初めはマスコットとか付けて持ち歩ける物にしようとしたのだが良いものが見つからず、棚に置いてあったのを円堂が見つけて、即合意したのだ。
それから互いの家に遊びに行く時は必ずこのマグカップを持ち寄り、一緒にココアやホットミルクを飲んだ。
***
「はい」
渡されたカップの中に入っていたのは牛乳だった。
サンキュと言って受け取る。
「流石にここじゃあ温めるのは無理でした」
「仕方ないさ、レンジもないし、焚火で温めるのも無理あるだろ」
ここは都市から遠く離れた孤島なのだから当然電気の通うものもない。
食料だって響木さんから送られて来るもので何とか賄っているのだ。
「乾杯するか!」
円堂がマグカップを俺の方に少しだけ傾ける。
「ああ」
俺もカップを傾けて、コツンと音を立てた。
俺たちはもう恋人同士ではないけど、今もこうして、円堂の隣にいられることを幸せに感じる。
明日になったらまた捜査が始まりこんな風にゆっくり過ごせる時間があるとは限らないから、今この時間を大切にしたいと思った。
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あけましておめでとうございます!
新年一個目が円風だなんてすみませんw
本当は昨日更新したかったけどバイトでそれどころじゃなかった(´・ω・`)
映画を見て、大人円風も親友として幸せそうだったので親友というかたちで円風書きました!
恋人じゃなくても側にいられれば幸せなんです、きっと*^^*
最後に、この小説のネタ提供してくれたベニコ、本当にありがとう!