メトロポリタン・オペラ「ラ・ボエーム」の底力
芸術に生き、恋に生き、、、、。きょうのパン代、あすの家賃にこと欠くというのに、パリの若き画家、詩人、哲学者はその自由奔放な生活を存分に謳歌する。それは、いつの時代の若者たちにとっても永遠の理想的な姿かもしれない。
メトロポリタン・オペラ来日公演『ラ・ボエーム』は彼等のボヘミアンぶりを過不足なく描き出す。プッチーニの劇的かつ哀切感極まりない音楽が、高度のプロフェッショナリズムに裏打ちされ、ごく自然に鳴り響いていた、ということでもある。
実は見る前にふたつの心配な事柄があった。
指揮者とヒロインのミミを歌うソプラノの変更(それぞれジェイムズ・レヴァイン→ファビオ・ルイジ、アンナ・ネトレプコ→バルバラ・フリットリ)、それとフランコ・ゼッフィレッリの演出(1980年初演)が古臭くなっていないかという点だった。しかし、それらは杞憂に終わった。メトの底力がすべてを払拭してくれたのだ。
私たち観客が手にしたのは超一流オペラでしか味わい尽くせない“生きる歓び”そのものであった。6月8日、NHKホールにて所見。
メトロポリタン・オペラ『ラ・ボエーム』公演概要
http://www.japanarts.co.jp/MET2011/program.htm#boheme
『ディアナ・ダムラウ/コロラトゥーラ・オペラ・アリア集 ダン・エッティンガー指揮/ミュンヘン放送管弦楽団』DVD
http://music.jp.msn.com/news/article.aspx?articleid=605994
MET『ラ・ボエーム』2011来日公演より
写真:三浦興一
メトロポリタン・オペラ来日公演『ラ・ボエーム』は彼等のボヘミアンぶりを過不足なく描き出す。プッチーニの劇的かつ哀切感極まりない音楽が、高度のプロフェッショナリズムに裏打ちされ、ごく自然に鳴り響いていた、ということでもある。
実は見る前にふたつの心配な事柄があった。
指揮者とヒロインのミミを歌うソプラノの変更(それぞれジェイムズ・レヴァイン→ファビオ・ルイジ、アンナ・ネトレプコ→バルバラ・フリットリ)、それとフランコ・ゼッフィレッリの演出(1980年初演)が古臭くなっていないかという点だった。しかし、それらは杞憂に終わった。メトの底力がすべてを払拭してくれたのだ。
私たち観客が手にしたのは超一流オペラでしか味わい尽くせない“生きる歓び”そのものであった。6月8日、NHKホールにて所見。
メトロポリタン・オペラ『ラ・ボエーム』公演概要
http://www.japanarts.co.jp/MET2011/program.htm#boheme
『ディアナ・ダムラウ/コロラトゥーラ・オペラ・アリア集 ダン・エッティンガー指揮/ミュンヘン放送管弦楽団』DVD
http://music.jp.msn.com/news/article.aspx?articleid=605994
MET『ラ・ボエーム』2011来日公演より
写真:三浦興一