雇保法:求職者給付 基本手当1
求職者給付は、一定の要件を満たした被保険者が失業した場合に支給されます。
前回のブログで被保険者の4種類について書きましたが、被保険者の種類によって求職者給付も異なります。
(失業のダメージが違うから・・・とでも理解すればいいのでしょうか?)
基本手当というのは、一般の被保険者が離職した場合に支給される給付です。
●受給資格
「離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12ヶ月以上あること」とされています。
(特定理由資格者 & 倒産・解雇により離職した者の場合は、1年間に6ヶ月以上となります。)
被保険者期間の定義ですが、離職日から過去に向かって1ヶ月ごとに区切り、その1ヶ月間に賃金支払基礎日数が11日以上あるものを「被保険者期間1月」とします。
ということは、賃金支払基礎日数が10日未満であれば、その月は(被保険者であったとしても)被保険者期間にはなりません。
被保険者であった期間≠被保険者期間であることに注意してください。
もし1ヶ月に満たない半端が出る場合は、その半端な日数が15日以上~1ヶ月未満で、その間に賃金支払基礎日数が11日以上あれば「被保険者期間1/2月」として計算します。
受給資格というのは、スーパーの福引券みたいなもんだと考えると分かりやすいです。
1ヶ月に11日以上出勤すれば補助券が1枚もらえます。
その補助券を12枚集めれば福引が引ける(=基本手当がもらえる)というわけです。
ただし、補助券が配られる(被保険者期間を計算する)のは、福引を引く日(=離職の日)からさかのぼって2年の間だけというわけです。
●被保険者期間から除外される期間
最後に被保険者期間となった日より前に、受給資格(高年齢受給資格、特例受給資格を含む)を取得したことがある場合は、その計算の元になった期間は今回の被保険者期間から除外されます。
この期間は前回の受給資格を計算するときに使っちゃってるんですから、含められるわけないですよね。
また、被保険者になったことの確認があった日の2年前※の日より前の期間も、特例対象者に該当しない限り除外されます。
(特例対象者は後述します。)
●離職の日以前2年間の延長
離職の日以前2年間のことを算定対象期間といいます。
もしこの間に、負傷・疾病や省令で定める理由により、引き続き30日以上賃金の支払いを受けることができなかった期間がある場合には、その日数分を加算することができます。
例えば病気で40日休んでいた期間があれば2年+40日、120日休みなら2年+120日が算定対象期間です。
引き続き30日以上ですから、20日しか休んでいなかったり、10日休みを3回繰り返して30日となってもダメですよ。
ただし、際限なく加算できるわけではありません。
算定対象期間はMAX4年間とされています。
●受給手続
基本手当を受給するには、まず(離職後に)管轄職安に出頭して求職の申し込みをし離職票を提出しなければいけません。
職安所長が受給資格の決定をしたときには、その者に失業の認定日を通知し受給資格者証を交付します。
受給資格者は、指定された認定日に出頭し失業の認定を受けることで、基本手当が支給されるというわけです。
失業の認定は、受給資格者が離職後最初に出頭した日から起算して4週間に1回ずつ、直前の28日について行われます。
何をするのかというと、受給資格者が求人者に面接したことや、職安などから職業を紹介されたり職業指導を受けたなど、求職活動を行ったことの確認をします。
原則として、認定対象期間内に2回の求職活動を行わなければいけません。
ただし、離職理由による給付制限満了後の初回支給認定日については、「給付制限期間+認定対象期間」内に3回以上とされています。
(期間が長いからでしょうか?)
認定日に出頭しなかった場合は原則として失業の認定が受けられないので、直前の28日分の基本手当は支給されません。
ただし、病気などの理由でその日に出頭できなかった場合は、証明書を提出することで認定を受けられることもあります。
具体的な理由は次の4つです。
1.疾病 or 負傷のために職安に出頭できなかった(15日未満に限る)
2.職安の紹介により求人者の面接を受けた
3.職安所長の指示した職業訓練を受けた
4.天災その他やむを得ない理由
1.の疾病 or 負傷で休む期間はは15日未満に限ります。
(15日以上になった場合は証明書による認定は受けれませんが、傷病手当の支給対象にはなります。)
2.や3.の場合は、職安の指示に従った結果なんですから休んでもOKなのは当然ですよね。
一方、認定日を変更することができる場合もあります。
1.就職する(職安の紹介以外もOK)
2.証明書による失業の認定を受けられる理由に該当する
3.職安の紹介によらないで求人者の面接を受ける
4.国家試験などの資格試験を受験する
5.講習などを受講するため
6.本人の婚姻
7.一定の親族の婚姻
8.一定の親族の看護
9.一定の親族の死亡など
10.配偶者などの法事
11.中学生以下の子供の入学式・卒業式
12.選挙権行使
13.その他社会通念上やむを得ないと認められる
認定日の変更は、原則として事前に行わなければいけません。
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雇保法の試験範囲には、このような手続に関する内容がたくさん出てきます。
これを丸覚えしようとしても覚え切れませんし、ちょっと時間をおくと内容がまざっちゃって分からなくなります。
特に、○○給付や○○期間というような名前がごっちゃになりがちなので、紙に書いて整理するなどみなさんで工夫してくださいね。
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